2018年公開 映画『こんな夜更けにバナナかよ』を振り返って考える 筋ジストロフィー

こんにちは、ヘルスベイシスの採用担当の小林です。

聴覚障がいを題材にしたテレビドラマ『silent』や、看護師を題材にしたドラマ『ザ・トラベルナース』、劇場版『Dr.コトー診療所』などについて取り上げてきました。

今回は、2018年に公開をされた映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』を見返して、考えた筋ジストロフィーについて紹介をしていきます。

『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』のあらすじ

自分のことを自分でできない生き方には、尊厳がないのだろうか? 介護・福祉の現場で読み継がれる傑作ノンフィクション!
重度の筋ジストロフィー患者の鹿野靖明さんと、彼を支える学生や主婦たち約40名のボランティアの日常を描いた渾身のノンフィクション。人工呼吸器をつけた病の極限化で、人間的自由を貫こうとした重度身体障害者と、さまざまな思惑から生の手応えを求めて介護の現場に集ったボランティアたち。「介護する者、される者」の関係は、ともに支え合い、エゴをぶつけ合う、壮絶な「戦場」とも言えるものだった――。

引用：「BOOK」データベース

こんな夜更けにバナナかよは、ノンフィクションの書籍が映画化した作品です。
筋ジストロフィーを患い首と手しか動かせない鹿野が自立した生活を求めてボランティアを募り、生活を開始。
介護する側と介護される側の関係から、お互いの意見をいいかいぶつかり合うことで、人間としてお互い成長していくドキュメンタリー映画です。

筋ジストロフィーとは？治療は可能か？

こんな夜更けにバナナかよで主人公が患っていた筋ジストロフィーとは、筋肉の機能に関連する遺伝子異常によって引き起こされる進行性の遺伝性の疾患です。
筋ジストロフィーにはDuchenne型やBecker型、先天型、肢帯型、顔面肩甲上腕型、などの多くの疾患がありますが、いずれも筋線維を発達させるためのたんぱく質が体で作ることが出来ずに筋力低下や運動機能の障害を引き起こします。

筋ジストロフィーは現在でも根本的な治療法がなく、指定難病の一種です。
正確な有病率はわかりませんが、海外の文献によると10万人に20人程度と言われています。

また、Duchenne型の筋ジストロフィーは特に男性に多く発症することがわかっています。
ジストロフィン遺伝子はX染色体上に存在する為、X染色体を一つしか持たない男性がX染色体上のジストロフィン遺伝子に変異を認めた場合、小児期より発症してしまうのです。

女性はX染色が二つあるため、小児期からの症状は認められませんが、高齢になると筋力の低下や心筋症の確率が上昇すると言われています。

筋ジストロフィーの症状は？寿命や判別方法を紹介

筋ジストロフィーはどの型でも筋力低下が特徴で、症状が悪化すると鼓動が弱くなる、呼吸困難に陥るといったことも引き起こされます。

例えばDuchenne型筋ジストロフィーの場合、初期症状としては、幼少時に歩く、走る、飛ぶといった運動機能の発達遅れが挙げられます。
さらに、心拍の異常は患者の1/3が14歳までに発症し、18歳までには全員が患います。
また、3割程度の患者が言語能力にかかわる軽度の知的障害が見られるのです。
ほとんどの患者は呼吸に関連する筋力の低下により、肺炎などを患うため、寿命は20歳までと言われています。

他の型の筋ジストロフィーであると40代まで生存するなど、患う筋ジストロフィーの型によって寿命がかなり変わります。
筋ジストロフィーは、血液検査や遺伝子検査によって検査が可能なため、先述のような症状がみられる場合は医師による診断をお願いしましょう。

最後に

ヘルスベイシスは、医療、介護の課題をテクノロジーを使って解決していくことを目指しています。
ご興味がある方は、ぜひ気軽にお話を聞きに来てください！