劇場版『Dr.コトー診療所』を見て考える 離島・へき地医療について

こんにちは、ヘルスベイシスの採用担当の小林です。

聴覚障がいを題材にしたテレビドラマ『silent』や、看護師を題材にしたドラマ『ザ・トラベルナース』などについて紹介をしてきました。

今回は、16年ぶりに劇場版として復活する『Dr.コトー診療所』を見て、へき地医療についてご紹介をしていきます。

作品上では、架空の「志木那島」を舞台としていますが作品のモデルは鹿児島県の甑島（こしきしま）だとされています。今回は、そんな離島・へき地医療について紹介をしていきます。

へき地医療とは？問題点も紹介

へき地とは厚生労働省の定義で「交通条件及び自然的、経済的、社会的条件に恵まれない山間地、離島その他の地域のうち、医療の確保が困難であって、無医地区、無医地区に準じる地区」とされており、全国でおよそ600ヶ所以上あると言われています。
また、無医地区とは、「医療機関のない地域で、当該地区の中心的な場所を起点として、おお むね半径４㎞の区域内に５０人以上が居住している地区であって、かつ容易に医療機関 を利用することができない地区」を指します。
無医地区が最も多いのは北海道で、2022年時点で76地区あります。

へき地医療とは、そんな離島や山間部の過疎地域や無医地区において、医療機関の確保が困難な地域で行われる医療のことで、医療行為だけでなく、地域住民との関わりも重要で、主に健康診断なども仕事の一つです。

また、へき地医療の課題点としては医師不足があげられます。
医師不足により、医療提供体制の維持が困難になり医療需要と供給の割合が合わなくなってきています。
さらに、へき地医療を行う診療所は、少人数体制となってしまい、検診やリハビリなど様々な医療行為ができる人材が求められます。
それによりさらに医師の確保の難易度が上がり、医療体制の継続が課題の1つです。

へき地医療を支援する取り組みとは？

医師不足が問題のへき地医療ですが、国や都道府県は次のような取り組みを行っています。
・へき地医療支援機構の創設
・へき地医療拠点病院群の構築
・へき地医療情報システムの充実強化

へき地医療支援機構の創設

へき地医療支援機構の創設とは、各都道府県の取組としてへき地医療対策の各種事業を円滑・効率的に実施するため、新たに担当責任者(医師)を配置した「へき地医療支援機構」を1ヶ所構築する取り組みです。
主な活動としては、へき地医療支援事業の企画・調整のほか、医師派遣の調整、研修計画などを練り医師派遣業務の指導や調整を行います。

へき地医療拠点病院群の構築

新たにへき地診療所等への代診医等の派遣、研修、遠隔診療支援を含む診療支援事業等が実施可能な病院を都道府県単位で「へき地医療拠点病院群」として再編成し、へき地医療支援機構の指導・調整の下に各種事業を行う取り組みです。
へき地医療拠点病院群とは、へき地保健医療対策をが必要な地域に於いて、へき地医療支援機構の指導・調整の下医療を提供する拠点の病院を指します。

へき地医療情報システムの充実強化

行政・へき地診療所等の医療関係者間のメーリングリスト（電子メール自動配信）や電子会議室機能を「へき地医療情報システム」に付与し、全国規模で運営する取り組みです。
代診医派遣に関わる情報を発信し、へき地医療の医師不足の解消や情報交換を行います。
これらの取り組みを行うことで、研修を行った医師を需要の高いへき地に正確に送ることが可能となっています。

最後に

離島の医師は、少人数体制となるため、なんでもできるオールマイティが求められることもあり、人材確保の難易度が上がり、医療体制の継続が課題となっています。

ヘルスベイシスは、人材確保が難しい離島医療・へき地医療こそ、テクノロジーによって、課題を解決していきたいと考えております。

ご興味がございましたら、ぜひ一度まずは気軽にカジュアル面談をしましょう。