音楽大学を卒業した人の「新たなステップ/セカンドキャリア」のモデルケースになりたい
大学卒業後の新たな進路の選択肢の一つに、パソナ日本創生大学校が提供する「ギャップイヤープログラム」(GAP YEAR PROGRAM)があります。本記事では、ギャップイヤープログラム1期生として入校・入社した小栗さんから伺った、当プログラムへの参加動機や現在取り組んでいること、今後の夢などについてご紹介します。
目次
大学卒業後の進路の「モデルケースになりたい」
チャンスは、取りに行く
演奏だけでなく、集客・イベント開催に必要なオペレーションも
今後、地域とのコラボレーションを促進したい
「ギャップイヤープログラム」への参加を迷っている方へ
関連情報
プロフィール
GAP YEAR PROGRAM(ギャップイヤープログラム)1期生/音楽島 ピアニスト兼事務局 小栗 稜さん
2017年に京都市立芸術大学を卒業後、渡米。Arizona State UniversityにてMaster of music(修士号)を取得後、2020年5月に帰国。2021年4月より、パソナ日本創生大学校「ギャップイヤープログラム」に参加し「学ぶ」と「働く」を両立している。幼少より培ってきたピアニストとしてのキャリアに磨きをかけながら、エンターテイメント分野での制作・演出・マーケティング・事務局業務全般など音楽島プロジェクトにおいて成功体験の積み上げに挑戦中。
大学卒業後の進路の「モデルケースになりたい」
アメリカの大学院を卒業後、COVID-19の影響で帰国を余儀なくされました。帰国後、就職するか、フリーランスとして音楽家活動を続けるか迷っていました。日本では、大学院を卒業した年齢へ向けての就職の門戸は広いわけでもありませんでした。そんな時、「仕事をしながら音楽活動もできる」選択肢として「ギャップイヤープログラム」を知り、参加を決めました。当初は、平日昼間は会社員として自分にできる仕事をして、夜間や休日にプライベートで音楽活動をしようと思っていました。しかし、入社して淡路島に来てみると「音楽島(※)」というプロジェクトがあり、音楽事業そのものを仕事にできることになりました。期待以上の展開に、「よし!自分がモデルケースになるぞ!」と決めました。
(※)音楽島とは
全国から兵庫県淡路島に集まった音楽家が新しい生き方・働き方に挑戦し、音楽を通じた地方創生を目指すプロジェクト。
2020年7月に、パソナグループが開始した。公式HP>> https://www.awaji-musicisland.com/
チャンスは、取りに行く
母がピアノ教室の先生だったこともあり、私は5歳の頃からピアノを弾き始めました。7歳の頃には、「将来はピアニストになる」と思っていました。
「ギャップイヤープログラム」を通じて音楽島プロジェクトでの就業を開始。ピアニストへのこだわりはなく、未経験ながらも「制作」の仕事をしたいと考えるようになり、上長に機会を見つけては「やりたいです」と伝え続けていました。
就業を開始して2か月が経過したころ、突然チャンスが訪れました。対応できる人がおらず、「やってみる?」と声がかかったのです。即答で「YES」。私が関わった最初の「制作」の仕事は、「ニューイヤーコンサート」でした。その後、少しずつ挑戦したい領域での仕事ができるようになっていきました。
日々の仕事に向き合う中で、私が大切にしていたのは、「誰の目にもとまらないような些細なことでも、先を見据えて大事だと思えることは丁寧にやること」です。忙しすぎる上長の手から零れ落ちそうな些細な仕事を見つけては対応して、上長に「完了」を伝え続けました。この積み重ねが知らず知らずのうちに評価につながり、未経験でも「こいつにやらせてみようかな」と思ってもらえる要因の一つになったのではないかと思っています。
その後、「しばえもんの子どもたちとめぐる世界の音楽旅行」という企画で、はじめて脚本と演出、演奏を任せてもらいました。「しばえもん」という地域のキャラクターを活かしてゼロベースから組み立てていくという、貴重な経験を得ることができました。
現在は「ブレーメンの音楽隊」の脚本、演出をさせて頂いています。前回よりさらに作りこまれた内容になりました。
小栗さんが脚本・演出を担当している「ブレーメンの音楽隊」
演奏だけでなく、集客・イベント開催に必要なオペレーションも
ピアニストとして生きていく道もありますが、時代はより多岐に渡る能力を求められてきています。自分が演奏する場を得たいなら、自分で集客をする必要があります。エンタメ分野にいる優秀な人材がさらに活躍できるようになっていくためにも、視野を広げ、演奏だけでない業務にも対応していく能力を磨くことが大切だと考えています。
「ギャップイヤープログラム」に参加している今、私は会社員として、制作や集客・マーケティング、イベント運営に関わるオペレーション等を幅広く経験しながら学べる環境にいます。演奏以外の制作や運営についてはもちろん、収支のことまで考えて行動することが大切だということを伝えていきたいと思っています。また、活動していく上で、地域に根差していく事がグローバル社会で生き残る手段でもあります。社会を俯瞰した上で、目の前の事を全力で選び実行していく大切さを伝えていく事が、今いる環境での私の使命だと思っています。
今後、地域とのコラボレーションを促進したい
音楽祭を企画・実行してみて感じたことは、集客の難しさです。一方で、地域にあるお祭は、6万人を動員することもあるようです。ただし、人は集まるけれど、イベント運営に関する改善ポイントはたくさんあるようにも見えます。淡路島には、文化団体がたくさんあります。今後、チャンスを創って、地域の人とつながり、一緒にイベントを創りあげていきたいと考えています。これが私の直近の目標です。
これまでに企画開催した「あわじ国生み文化祭」では、パソナグループの各施設を活用して、海の見えるレストラン(海の舎)で地域の子どもたちのピアノ演奏の機会を創ったり、シェフガーデンで洲本吹奏楽団に演奏頂いたりしました。準備の段階から、地域の方々へご挨拶に伺ったりして、200名近い地元の方々にご出演いただくことができました。
今後日本の人口が減っていく中で、地域の方々とのコミュニティの創造は、豊かに生きていく上でとても大切になってくると思っています。多くの方々とコラボレーションしながら地域で幸せに生きていくモデルケースを、私たちが創っていきたいと考えています。
音楽島プロジェクトが企画開催するイベント等で脚本・演出・演奏と大活躍中の小栗さん
「ギャップイヤープログラム」への参加を迷っている方へ
びっくりするくらいに、たくさんのチャンスが目の前に現れます。さらにそれが、意外と大きな案件だったりもします。私の場合は、大阪のプロ吹奏楽団(日本で最も歴史のある楽団)の方々と一緒に仕事をさせて頂く機会に恵まれました。扱う予算の桁が違う案件に制作スタッフとして担当させて頂けるのは、なかなかできない経験で、ワクワクがとまりませんでした。
「ギャップイヤープログラム」に参加すると、パソナグループが淡路島で展開している最先端の地方創生事業に数多く携わることができます。その結果、地方創生に関するノウハウを得られたり、ジェネラリストとしてのスキルを身につけることもできます。「もっと成長したい」と人には理想的な環境ではないかと思います。
大学を卒業する予定で、これからの就職先や働き方・生き方を改めて考えたい方は、ぜひ「ギャップイヤープログラム」への参加を検討されるとよいのではないでしょうか。想像以上の面白い展開が、あなたを新たな夢や志へと導いてくれるかもしれません。出会った仲間と語り合いながら、共に未来を切り拓いていきましょう!
ギャップイヤープログラムでの研修中、仲間とディスカッションし多様な「学び」を得ている
関連情報
<GAP(ギャップイヤープログラム)>
<音楽島プロジェクト>
全国から兵庫県淡路島に集まった音楽家が新しい生き方・働き方に挑戦し、音楽を通じた地方創生を目指すプロジェクト。
2020年7月に、パソナグループが開始した。公式HP>> https://www.awaji-musicisland.com/