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なにをやっているのか

私たちが運営するチャット相談窓口は、ネットにアクセスできる環境でさえあれば、24時間365日誰でも気軽に使えます。相談は世界30カ国以上に約1000名いる「いばしょ相談員」が応じます。 厚生労働省自殺防止対策事業として運営されているSNS相談窓口のなかで24時間365日対応しているのは私たちだけです。1日で寄せられる相談件数は1000件以上。特に孤独を感じやすい22〜2時に最も相談が寄せられます。この時間帯の相談は海外在住相談員が時差を使って対応にあたります。 また、日々ご相談いただく内容は1日に約100万字、文庫本約10冊分に相当し、社会的にも極めて重要なメンタルヘルスのデータです。確実に信頼できる人にアクセスできる仕組みを創るべく、相談データを収集・分析し、相談サービスの品質向上・政策提言・研究などに役立てています。 相談窓口という伝統的な支援の現場ではありますが、人手不足や時間を限定した対応、データの活用不足といった諸課題に対して新規のアプローチからその解決に取り組んでいる「あたらしいNPO」です。

なぜやるのか

理事長 根岸 督和
複数のメディアでも取り上げられました。
話したくても話せない、頼りたくても頼れないといった状態のことを指します。望まない孤独により既存の社会課題が複雑化・重層化することにより、自殺・児童虐待・いじめ・DV・生活困窮・ヤングケアラーなどの新たな問題を生んでいます。現在は私たちが2020年に実施した政策提言により、政府には孤独・孤立対策担当大臣が設置されており、2024年4月に施行された孤独・孤立対策推進法により国をあげて対策が推進されています。 孤独に関連する、以下のようなデータがあります。 ・全世代で自殺者数が減少傾向にある中、10代の自殺は増加している ・15〜39歳の各年代の死因は自殺が最も多い ・DV被害者の49%が「どこ(誰)にも相談しなかった」と回答 こうした背景には、電話相談を中心とした既存の相談体制が若者の生活習慣に全く馴染んでいないといった問題があります。孤独を抱えた人の中には声を出して周りに助けを求めにくい人や電話番号を持っていない人もいるため、もっと気軽に誰でも相談ができる環境が必要です。

どうやっているのか

全世界に「いばしょ相談員」がいるため、世界各国の時間を示した時計が設置されています。
◆私たちのチーム 職員として活躍しているのは、約30名のメンバーたち。ボランティアの「いばしょ相談員」を含めると、全世界で約1000名が孤独をなくすために活動しています。 年齢層は20〜60代まで幅広いですが、理事長の元、ベンチャー気質な環境です。まだまだ立ち上げフェーズですので、様々な意見を取り入れながら拡大していきたいと考えています。 ◆共通しているのは、社会貢献への気持ち NPO、IT企業、学校の先生など、メンバーの経歴は様々です。共通しているのは、それぞれが社会貢献をしたいという気持ちを強く持っているということ。例えば会社員として働いていた際、周りに休職する方が増え、メンタルヘルスに対して何かしたいと考えていたメンバーがいたりします。何かをやってみたい、変えたいと思っている方にはマッチしやすい環境です。 ◆コミュニケーションはオープンに チャット相談は24時間運営のため、シフト上顔を合わせないメンバー同士もいます。また職員とボランティアといった一般企業とは違ったスタイルで運営していることもあり、立場や経験が異なるメンバーであっても気軽に相談がしやすいよう、できるだけオープンな情報共有を心がけています。 ◆「まずはやってみる」がキーワード 「とりあえずやってみて、失敗したら軌道修正しよう」という柔軟な姿勢を大切にしています。私たちが挑戦しているのは、他にまだ前例がないことです。プロジェクトは必ずしも完璧には進められないですし、施策を進める中では反対の声が上がることだってあります。全員が違和感なく進めていけるように気をつけながらも、臨機応変に動くことを心がけています。