私たちは、ITデバイスおよびSaaSの統合管理を行うクラウドサービス「ジョーシス」を開発・提供するスタートアップです。
2021年9月にサービスをローンチして以来、約2年で売上成長率10倍を達成。現在も海外のユニコーン企業に匹敵するスピードで急成長を続けています。そんなジョーシスでは、事業成長にあわせて組織も拡大しており、新しい仲間を積極採用中です。
今回は、大手商社で出向起業を経験後、2020年にラクスルへ入社し、現在はジョーシスのChief Product Officer(CPO)を務める横手絢一(よこてじゅんいち)にインタビューを実施。
創業初期からのメンバーで、プロダクトの全責任を担う横手から、現在の業務やジョーシスのグローバルの特徴、ジョインするうえで必要なスキルまで幅広く聞きました。
「ジョーシス」ほど明確に未来を変えられるプロダクトはない
── ジョーシスに入社するまでのキャリアを教えてください。
横手:新卒で三菱商事に入社しました。配属されたのは、タイヤをトレーディングする部署。商品がお客様の手に渡るまでにかかるコスト構造や利益の生み出し方など、ここで商売の基礎を身につけました。
その後タイミングにも恵まれて、タイヤ販売・交換のECサービス「TIREHOOD」の立ち上げに参画し、事業責任者に就任。同サービスのECサイトを専門に運営する株式会社BEADの取締役COOを経て、2021年にラクスルへ入社しました。
── 事業立ち上げを経験したうえで、転職した理由は何でしょうか?
横手:「自分の市場価値をより高めていきたい」と思ったからです。
三菱商事で働いた7年間のうち、約半分以上は事業会社に出向していました。転職を考えたのは、ちょうど本社に戻り、また別の会社へ出向するようになるタイミング。出向はスキルアップの好機になるものの、組織規模が大きいほど、ゼロから人間関係を築いて成果を出すまでに時間がかかります。商社でのキャリアを磨き続けるべきか悩み、いろいろな人に相談するなかで、自分の視野の狭さや経験の浅さに気づいたんです。
というのも、1つの企業で優秀な人材になれたとしても、マーケット全体で見るとそれは微々たるものなんですよね。ゼロから事業を立ち上げる経験もしましたが、世の中にはさらに大きな成果を生み出し、市場価値を高めている人がいる。自分も外の世界に出て、市場価値を高めたいと思い、転職を決めました。
── ジョーシスへのコミットを決めたのは、なぜでしょうか?
横手:月並みですが、プロダクトが分かりやすかったからです。世の中には、ヘルスケアやフードテック、ディープテックなどさまざまな分野のスタートアップが存在します。ただ、どれも実現した先の未来像が描きにくく、私の中ではピンとこなかったのです。
たとえばフードテックの領域では、農家の人手不足をDXで解決する取り組みがあります。非常に重要なテーマである一方、自分が課題に直面しているわけではないため、どうしても挑戦した先の変化が想像しにくい。ディープテックのような長期的に事業を展開する領域も、生き急ぐタイプの私には合わないかもしれないと(笑)。
その点「ジョーシス」は、今まさに日本や世界が抱えている課題にアプローチしていて、プロダクトの価値が容易に腑に落ちました。リモートワークの普及により、オンラインツールやデバイスの需要が一気に増加。一方で、それらの管理業務が増えることや、専門的に従事する人材が少ないことは明白です。「ジョーシス」が世界中の企業の情報システム業務を変革するイメージが持てたので、このプロダクトにコミットしようと思いました。
「ジョーシス」はグローバル市場でも唯一無二のプロダクト
── 担当しているポジションとその業務について教えてください。
横手:Chief Product Officer(CPO)として、プロダクトに関わる戦略・開発全般に携わっています。日本だけでなくシリコンバレーやシンガポール、インドにもいるプロダクトマネージャーとともに日々業務にあたっています。
また、グローバル側のコーポレート・ヘッドとして、報酬設計やストックオプションといった人事や労務の範囲から、資金調達や海外子会社の設立、株式取得など幅広く担当しています。一度決めたら後戻りができない重要な業務に、責任とやりがいを感じますね。
会社の規模が拡大してきたので、今は人事や会計のエキスパートなどグローバル側のコーポレート人材の採用や組織強化をしている最中です。
──現在の業務におけるミッションは何でしょうか?
横手:ジョーシスの「One team、One product」の構想をもとに、プロダクト戦略を立てることです。ジョーシスが目指すのは「One product」。つまり、世界共通のプロダクトをつくることです。
各国さまざまなニーズがあるなかで、一部のマーケットに偏ってしまっては「One product」は達成できません。顧客のニーズ、業界やテクノロジーのトレンド、マーケットの成長性、競争環境などを総合的に見て、プロダクト戦略を立てる必要があります。
プロダクト戦略の策定は私たちプロダクトチームが主導し、テクノロジー、ビジネスサイドのメンバーを巻き込みながら、最終的にはCEO・松本のGOサインをもって進めています。── グローバル展開を目指すスタートアップは他にもありますが、ジョーシスならではのグローバル戦略について教えてください。
横手:同時多発的にグローバル展開できることが、ジョーシスの特徴です。どの国でも共通のプロダクトを使用するため、1か国ずつ順番に展開するのではなく、複数の国でいつからでもサービスを提供できます。構想段階から「One team, One product」を掲げてきたからこそ可能なのです。
── 複数の国で同時展開するとなると国ごとにニーズが異なりそうですが、どのように対応しているのでしょうか?
そもそも私の重要な役割は、すべての国におけるニーズを踏まえた、グローバルプロダクトとしての最適解を見つけていくことだと考えています。
グローバル共通で提供可能なプロダクトとして必要な機能を実装するのが、ジョーシスのプロダクトチームなのです。
── ジョーシスに入って、いつが1番大変でしたか?
横手:ジョーシスではサービスの成長フェーズを「サービスをつくる」「PMF」「グロース」の3つに分けて考えていて、当たり前ですが「PMF」フェーズが一番大変でした。プロダクトが不完全で、どのマーケットに需要があるのか、誰がターゲットなのかを探っていた2年前。そこから検証や実証を繰り返し、お客様の本質的なニーズを「分かりに行く」ことを進めてきました。現在、日本のマーケットではようやくPMFの感触を掴めてきており、いよいよグロースフェーズに突入していきます。
立ち上げ期からこの変遷を経験してきたなかで、ジョーシスが提供できる最大の価値を「みんなで分かりに行く」フェーズは苦労しましたね。
今、日本の次はグローバルが「PMF」フェーズに突入しているので、大変ではありますが、引き続き仮説検証を繰り返しながら事業を推進していきたいと思います。
スタートアップでの必須スキルは「素直に聞く力」
── ジョーシスで活躍するメンバーにはどんな特徴がありますか?
横手:現状の自分や環境に満足していない、負けず嫌いな人が多いところでしょうか。会社の成長とともに自分の成長価値を見出し、より高いところを目指そうと常に行動している印象です。
たとえば誰も手をつけていない仕事があれば、それを自ら拾いに行く人が多い。こぼれているボールを放置し続けると、当然ながら会社の成長は鈍化しますよね。それが結果的に自分の成長を妨げることを理解している人が多いため、自然にボールを拾いに行けるのではないのかなと。ボールを拾うことで、視野を広げ、個人のスキルの幅を広げている人が多いと思います。
── ジョーシスに入社するなら、どんなスキルが求められますか。
1点目は、「背景をくみとった会話」ができることです。
面接で「過去に立てた目標」を聞かれたとしましょう。そこで目標だけを答えるのではなく、面接官が質問した意図を汲み取り、その目標に対しての「プロセスと結果」もセットで伝える力が、まさに業務でも求められます。
日々さまざまな会話が飛び交うなかで、お互いに本当に必要なところに時間を割けるように、相手の意を汲み取ったコミュニケーションができることが重要です。
2点目は、「わからないことを素直に聞く力」です。
今、ジョーシスは日本市場をおおよそ理解したフェーズです。今からジョーシスにジョインする人たちは、これまでのフェーズを一緒に経験していないからこそ、「なぜそうなったのか」が分からない部分が当然出てくるはずです。
成長段階のスタートアップに携わるうえで、わからないことをすぐに質問して理解することは非常に重要です。これまでたくさんの新入社員を見てきても、「聞く」スキルがパフォーマンスに直結していると感じているので、これからジョインする方にも意識していただきたいです。
──「まずは自分で考えてから聞く」という教訓もありますが、逆なのですね。
横手:分からないままトライして期待通りのアウトプットが出ないのであれば、その時間はもったいないと思うんです。本人だけではなく、会社にとっても損失になります。時間や労力は有限なので、メンバーには「聞く」能力を持ってほしいですし、私もCPOとして、教えるフェーズには時間をかけてメンバーに伴走するよう心掛けています。
少しでも変わりたいなら、“今”が踏み出すタイミング
── 今のジョーシスに入る面白さは何でしょうか?
横手:自分の成長と会社の成長が相互に作用し、さらなる成長を目指せることです。
今のジョーシスは、ようやくプロダクトが確立してきて、今後は加速度的に規模を拡大させたいフェーズです。1→10のフェーズにおいても、ジョーシスは最短距離での成長を目指しているため、スピード感のある環境で自分と会社両方の成長を実感できると思います。
またスキルを持った個人が集まる「チーム」として価値を創出していけることも面白さの一つです。0→1の後半戦にある今は、営業やカスタマーサクセス、インサイドセールスなどの各ファンクションを、チームとして拡張している段階にあります。
各々がリーダーシップを発揮し、ワンチームで戦うプロ集団として目の前の課題を乗り越えていく面白さを感じてもらえると思います。
── 最後に、ジョーシスに興味を持っている人へメッセージをお願いします。
横手:今でも印象に残っている言葉があります。
三菱商事で働いていた当時、新卒で入社して10か月で辞めた同僚の「人生は短いから、違和感があるなら早めに軌道修正しないと手遅れになる」という一言です。
転職市場は流動性が増し、年齢も問わずチャレンジできる時代です。日本には「石の上にも三年」という言葉がありますが、現状に悶々としているなら、少しでも早く環境を変えたほうが将来に残せるインパクトは強いはずです。
もし、今の仕事やキャリアに少しでも違和感を抱いているなら一歩を踏み出してほしいです。そして、ジョーシスにピンとくるものを感じていただけたら、気軽にカジュアル面談に来てください。