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「トップが妥協しちゃ良いものは作れない」リトルム代表が語る"しゃがみ続けた"2021年

こんにちは!East Ventures の大柴(@takanori1976)と申します。 and 社に出資をしているベンチャーキャピタルの者になります。

これまで、共同創業者の佐藤真緒さん、今年入社して著しい成長をみせている町あゆみさんにインタビューをしてきましたが、今回はついに主役の登場です。

and 代表取締役の平貴衣さんに満を持してインタビューしました。一年を振り返るには微妙なタイミングですが(※年明けにでも「2022年、平貴衣の野望」を別途聞ければなと思ってます)、ざっくりと「今年どうだったか?」「これからどうしたいのか?」「どういう人と働きたいのか?」について聞いてみました。


しゃがみ続けたこの一年

——slackのやり取りを読み返したんだけど、ちょうど一年前くらいに「資金調達しようか」みたいな議論が始まったみたい。年末くらいから本格的に動きだして、年が明けた春に無事に資金調達できました。ざっくりこの一年を振り返ってみるとどうですか?

平:めちゃめちゃ悔しさの残る一年でした。


——この一年、何か自分自身進化したと感じることはありますか?

平:難しいですね…。逆に大柴さんから見て私が「進化したな」と感じるところはありますか?


——うーん、何だろう...たくさん「失敗」はしたよね。

平:しました!


——たくさん失敗したけど、それによって得ることも多かったと思うし、それが成長、進化に繋がってると思います。

平:失敗が多くて「しゃがんだ」一年だったと思います。でもその分、これからはジャンプできるんじゃないかと思ってます。


——ポジティブ!でも平さんは何事にも真正面からぶつかっていって、その戦い方は失敗も多く体験するんだけど、そういうのを経て成長していくタイプだと思ってるので、今年「しゃがんだ」のは良かったんじゃないかと思います。でもちょっと前はかなりヘコんでたよね笑。

平:そうですね...次々に問題が発生してテンパってしまって...地獄でした。でもそれを乗り越えて、だいぶ良くなってます。組織も事業も。もちろん今も問題は散見してますが「健全な成長痛」という感じです。


——いいですね。

平:いろんな問題を自分で抱え込んでしまってテンパってしまいましたが、そういうトラブルを経て、だいぶ人に任せられるようになりました。任せられるメンバーが少しずつ増えてきたのも大きいです。でもこれから私たちが夢見る世界を実現するには全然今の人数じゃ足りないんです。


——ついこないだまでは「採用はしばらくしなくていいかも」と言ってたけど笑

平:いや、気づいたんですよ。やっぱり必要だなって。めちゃめちゃ採用したいです!


一番持っていて欲しいものは「気合い」

——今って社員何人でしたっけ?

平:社員は真緒ちゃんと町ちゃんの二人です。役員は私だけ。あとは業務委託の方やインターンです。


——正社員を採らないのは何で?

平:いや、採用したいんですけど、なかなか採れないので副業とかになってしまってるだけです。


——あ、なるほど。そういうことですね。でも会社、サービスの認知も増えていって、ある程度の応募はくると思うんだけど、and社は結構採用厳しく見てますよね。

平:やっぱりそこは大事なんで。


——どういう人と働きたいですか?一番必要な要素って何?

平:「気合い」です(即答)。


——いいっすね、気合い。

平:「気合い」「めげない心」「やりきり力」は最低限持っていて欲しいなと思います。コトに向き合って、どんな困難でも乗り切る力は重要です。すぐポイッってしちゃう人は一番ダメです。


——わかります。

平:私の性格的に少し神経質で、細かいことまで気がついてしまうタイプで。気がついたら指摘しちゃうので、そういう細かいことを言われてもめげずにやれる人がいいです。(細かいけど)やった方がいいと思うことは全部やりたいし、その気持ちを抑えていられないんです。黙って見過ごせないんですよ。トップが妥協しちゃ良いものは作れないと思うんです。

撮影イメージのすり合わせ


——うんうん。

平:それに何でもやりたいわけでなく、これ(『Little Rooms』)をやりたいんです。

勝つまでやりきりたいんですよ。そしてどうせ勝つなら圧勝したい。『Little Rooms』を圧倒的な存在にしていきたいんです。それは今いるメンバーだけでは成し遂げられない。だから人が必要なんです。


——そうですよね。

平:去年までは重いボールが全て私のとこにきて、押しつぶされそうになりながらも気合いで乗り切りました。この一年で真緒ちゃん、町ちゃんがある程度自走してくれるようになったので、ほんと助かっています。彼女たちのようなメンバーをもっと増やしていかないと事業のスピードが出ない。まだ結構な量の仕事を私が抱えてしまって、日々発狂している状態なんで、一刻も早くメンバーを増強しないといけないなと感じてます。


まだやりたいことの5%くらいしか実現できていない

——「Little Roomsで実現したい世界」「圧倒的な存在」って言ってたけど、ちなみに現在ってその世界、存在からすると何%くらいなの?

平:5%くらいですかね。この先、サービスを運営していくにつれて見える世界も広がっていくかもしれません。まだ見えていない世界を含めると5%以下かも。とりあえず今見えてる、考えてる世界感からすると5%くらいです。まだまだ全然です。


——今後Little Roomsではどういう展開をしていきたいのですか?

平:Little Roomsは"小さな幸せ、愛おしい暮らし"をコンセプトに展開してます。私たちが提供するサービスによって「小さな幸せ」が集まり、その総和が最大化される、言いかえれば、ココにくればたくさんの人の「小さな幸せ」に出会える場にしていきたいと考えています。今は限られたテイストしか展開できていないけど、「小さな幸せ」はもっと他のテイストにも存在する。インテリアだけをやるつもりもない。ライフスタイル全般を取り扱い、「小さな幸せ」がたくさん集まる場所にしていきたいです。

「小さな幸せ」をお届けするために、妥協は禁物


——なるほど。そのコンセプト通りにコンテンツを考えて投稿したり、商品を作ったりしてると思うけど、いまはそれは平さんがやってる感じ?

平:PM的なポジションとしてブランドとしてのロードマップを考えたりは私がやっています。その先に関してはメンバーへの権限委譲を進めています。オリジナル商品は町ちゃんにだいぶ任せられるようになりました。コンテンツに関しては業務委託の方とインターン生と一緒にやっています。


——では直近はコンテンツ部門における平さんのウェイトをもう少し下げられるといいですね。

平:そうですね。


——コンテンツにおいて大事な考え方みたいなのってありますか?

平:こちらから「押し付ける」ようなことはしないようにしてます。「小さな幸せ」は人それぞれです。全てが正しいんです。なので「これの方がよくないですか?」というような商品の訴求はしません。


——そう言われてみれば、世の中のECやマーケって「あっちはダメだけど、この商品はおすすめです!」というような訴求が多いですね。そういうのはLittle Roomsではやらないってことですね。

平:人の数だけライフスタイルはあります。人と比べるのではなく、自己に向き合った幸せって大切だなと思うんです。


——前に平さんの記事にこんなこと書いてありましたよね。

私たちが提案する「小さな幸せ」とは、他者のために何かを生み出すことや、他者がいて初めて成り立つものではなく、自分のために、自分を取り巻く暮らしをより豊かにするという、究極のセルフケアだと認識した。

平:家の中、部屋の中ってある意味「俗世から離れた場所」じゃないですか。だからこそ自分に向き合って、自分が良いと思うものをそろえた自分のための暮らしが実現できたら、気持ちも上向くはず。そう思うんですよね。


——SNS等が普及して、外部に対しての承認を求める時代がずっと続いていたと思うんですが、いよいよ辛くなってきたなと感じるんです。その反動として外部の反応を気にせずに「自己満足」に意識が向くフェーズがくるんじゃないかなと思うんですよ。

平:そういう流れはあるんじゃないかなと思います。


本質の価値を生み出した上で 規模を大きくしたい

——いま社員として二人いるって話ですが、共同創業者の真緒ちゃんと今年入った町さん。二人には先日インタビューして、それぞれから平さんの印象などを聞きましたが、逆に平さんから二人について聞いてみようかなと。

平:真緒ちゃんはずっと一緒にやってるんで、信頼感はめちゃくちゃあります。何でも器用にできちゃうので、創業時からずっと頼りにしてるんですが、直近はちょっと何でも屋さんになりすぎてしまってるなと感じます。真緒ちゃんは荒れた道を整えたり、私が見逃しがちな部分をケアしたり、そういうディフェンシブな業務が向いてると思うんです。今もそういう業務を中心にやってもらってますが、それにしても広範囲になりすぎてる。真緒ちゃんだから何とかこなせてるけど、もう少し業務をしぼってあげたいなって思っています。私がそういう体制作れてないので申し訳ない気持ちなんですけど、メンバーが採用できたら真緒ちゃんは、より得意なとこに集中してもらえるようにしてもらいたいです。

創業3周年をメンバーにお祝いしてもらった時


——町さんは?

平:最初から気合いがあって、この一年ですごい成長したんじゃないかなと思います。オリジナル商品の大部分は任せられるようになって助かってます。でも私と似てて、人に頼ることが苦手で、つい抱え込んでしまうんですよ。抱えこみすぎてアウトプットの質が落ちてしまう時もあるんですが、最近、町ちゃんから「反省と改善点」が自主的にあがってきて。昔だったら抱え込むだけだったけど、ようやく周囲に相談できるようになった。そこは大きな成長を感じます。センスとロジカルの両方を持っているので、今後も引き続きみんなを牽引していって欲しいです。

インスタライブ前の町ちゃん。アシスタントのインターン生と2人でライブを回してくれています。


——真緒ちゃんは昔から安定感あって、平さんとのコンビはすごく良いなーって思ってるんですが、最近は町さんの成長も著しくて頼もしいです。「センスとロジカル」ってのは平さんからたびたび出るフレーズですけど、そういう人がもっとたくさん来てくれるといいですね。

平:センスとロジカルが高い次元で融合したような人、いませんかね...。


——まぁ、あまりいませんよね。けどやっぱここを妥協しちゃいけないですよね。

平:やっぱそうですよね。センスがあって、ロジカルで受容性もあって、エネルギッシュでコミュニケーション能力もあって、大学生インターンからも憧れられるような人...ぜひきてください。


——大変なフェーズではあるけど、同時にめちゃくちゃ楽しいフェーズだと思うんですよね。ぜひこれを読んでる方で「我こそは」という人いたらぜひ!

平:Little Roomsは本質の価値を常に考えて日々運営しています。ハックは大事ですが、ハックに頼りすぎることなく、本質に向き合いながら、価値を生み出していきたいです。その上で規模も追求していきたいんです。やりたいことたくさん!なので、助けてください!

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