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「過去の失敗を未来につなげる」- 組織づくりを牽引する営業兼人事担当・前田が語るBeMARKE事業部にかける想い

株式会社リスペクトに2017年に入社後、とある新規事業の営業として従事した前田 直也さん。次の挑戦として、BtoBマーケティングの課題解決を目指すメディア「BeMARKE」に参画。これまでの失敗を糧に、BeMARKE事業部の組織づくりを牽引しています。

前田さんが目の当たりにした組織づくりの失敗、そしてその失敗がBeMARKE事業部にどのように生かされているのかお聞きしました。

1.リスペクトに入社した最大の理由は「人」

――リスペクトに入社した理由を教えてください。

入社6年目、BeMARKE事業部の前田です。入社理由は、リスペクトで働く方々を見て、内定をもらっていた企業の中で一番心地良く、面白いと感じたからですね。

大学生の頃からイベント運営団体に参加したり、仲間内で過ごす時間が好きでシェアハウス事業を立ち上げたりしていたため、組織づくりに興味がありました。就活も「人や組織」を重視して企業を選んでいました。

リスペクトは、いろいろな個性を持った人がたくさん集まっていて面白いなと感じましたし、お互いの個性の違いを認め合う姿を見てとても素敵な環境に思えました。

2.BeMARKEはどのような事業?

――BeMARKEの事業内容について簡単に教えてください。

BeMARKEは、メディアとナビゲーターの2つの力でBtoBマーケティングで起きている「営業部門とマーケティング部門」「売り手と買い手」の分断を解消することを目指す事業です。

入社4年目ながら新規事業を牽引 事業部長山下が語るBeMARKEの「これまで」と「これから」

――現在の組織体制と前田さんの役割についてについて教えてください。

BeMARKE事業部は、プロダクト課、編集課、レベニュー課、Webマーケ課の4つで構成されています。課は分かれていますが、それぞれが横断的にコミュニケーションを取り、協力しながら日々の業務に取り組んでいますね。

僕は、レベニュー課だけでなく、BeMARKE事業部内の人事の役割も担っており、採用や組織づくりにも注力しています。

人事の役割を担うようになった背景には、リスペクトで最初に配属になった事業で組織の問題やトラブルを目の当たりにした影響が非常に大きいと思います。その事業は、結果的に縮小となりました。組織内では人間関係のトラブルの増加やコミュニケーション不足がが起きていたと思います。

3.BeMARKEの組織づくりに生かされている「過去の失敗」

――人間関係のトラブルが増えた要因は何だったのでしょうか?

黒字化が見えたタイミングで人員を増やすことになったものの、現場メンバーと採用担当者との間で採用基準をすり合わせできていなかったことが原因の1つだと思います。その結果、当時の事業フェーズに必要なマインドやスキルにマッチしない人材を多く採用し、コミュニケーションの課題が増えたことにより、組織の雰囲気が悪くなったと感じます。

例えば、営業現場では「〇〇さんが決めたタスクを守らない」「お客様対応が雑でクレームが増えた」といった事態が増え営業事務の方や営業現場が対応に困るケースがありました。マネジメントが機能するほど事業体として整っていない状態で、自己管理が得意じゃない方を採用してしまったことや、課題を自主的に見つけ、タスクを作っていくことが求められるフェーズで、ルーティン作業が得意な人材を採用してしまったことが原因だったと思います。リソース調達の緊急度が非常に高かったと思いますが、現場と採用側で採用像の認識が合っていれば、このような問題は起こりづらかったと思います。

――コミュニケーションの課題はどうして増えたのでしょうか?

当時の事業部では、経営層が中心となって目標を考え、現場が遂行するトップダウンの組織でした。私は当時、営業リーダーを任されており、経営層側と現場側の両方と関わる立場でした。

「このラインを下回ったら撤退する」という撤退ラインを経営層と設けていたことで、現場はプレッシャーを感じていましたし、とにかく目の前のことに必死でした。人員が増えたことで事業目標を更に上げる必要があったこともかなり事業部メンバーを苦しめていたと思います。営業にいた僕も「さすがに非現実的な目標なのでは?」と感じることがありました。

今となっては、こういった厳しい状況でこそ、事業部が一致団結して成果達成を目指すべきとと思います。しかし、当時はそのような働きかけが非常に少なく、目標と行動計画だけ提示するような動きが多かったと記憶しています。経営層側から、目標達成の先にあるビジョンを伝える機会が少なかった上に、現場から違和感や改善要望を伝える人はほとんどいませんでした。感情的なコミュニケーションが足りませんでしたし、避けていたんだと思います。経営層と現場の心の距離が遠くなり、それぞれの中だけで不満が募っている状態になっていました。

これら以外にももちろん多くの問題が積み重なって、事業運営自体が難しくなっていたので、これらだけが原因だとは思いませんが、奥底のメンタリティに「他責思考」の組織文化が染み付き、このようなコミュニケーションの問題や組織問題を生んでしまったのかなと思います。

4.BeMARKEで実施している組織づくりの取り組み

――前田さんはなぜBeMARKEへの参画を決意したのでしょうか?

代表のマンパワーに頼ったり、会社や人のせいにして責任から逃れようとしたりするところが僕にはありました。今振り返ると、現場と採用担当者の間に採用像のずれがあると指摘できましたし、人間関係の問題を人事や役員に相談することもできたと思います。

やりきれない気持ちを残しながら業務する日々が続く中、代表から「もう一度、新規事業をやらないか」と声をかけてもらうと同時に「メンバー集めやチームづくりから自分でやってみたら?」とも打診いただきました。他責思考の根本は「自分たちで意思決定をしていないこと」だと思っていた中で、さまざまな意思決定や必要な予算調達の権限を与えてもらい、前事業部での後悔を払拭するチャンスだと思いましたね。自分が言い訳できない環境で、裁量を持って挑戦できると思い、BeMARKEへの参画を決意しました。

――BeMARKEの組織づくりで具体的に取り組んだことを教えてください。

2022年冒頭、メンバーを集めるために一緒に働きたい人の人物像を立ち上げメンバーですり合わせ、社内で該当する人に声をかけました。リスペクトの行動規範である「リスペクトマインド」を体現している方や、新しいことに前向きにチャレンジしている方ですね。前向きな回答があった一方で、膨大な量の業務を抱えている方が多く、異動にあたって業務の調整が必要であり、対応してくださった関係者の方には本当に感謝しています。

社内メンバーを集めると同時に足りないポストの採用も進めましたが、採用基準もなく、採用面接の経験も浅かったため、手探りの日々でした。それでも、合否については自分たちで意思決定を行うように徹底していましたね。

採用基準については、前事業の経験から「事業フェーズに合ったマインド・スキルセットの人を採用すること」を意識しました。BeMARKEは、「立ち上げ」のフェーズだったので、リスペクトマインドの中から、新規事業で特に必要な要素を抜き出して決定しました。

BeMARKE独自のバリューもこの要素から抜き出して策定しました。例えば、「企業間取引(BtoBマーケティング)の歩み寄りを文化にし、あらゆる分断を解消する」というミッションをBeMARKEが掲げる上で、自分たちの顧客に歩み寄る、つまり顧客を深く理解するために現場を体験することが重要だと考え、「ゲンバスティック」という現場に出ることを奨励するバリューを作りました。キャッチーな名前にしたり、スタンプを作ったり、全員がバリューを把握しやすいような工夫もしました。

また、チームメンバーのモチベーションを維持するため、それぞれが業務において大事にしたいものを理解しておくことも非常に重要だと考えていました。価値観を理解するためのワークショップを開催し、得意不得意、成し遂げたいこと、感じている責任などを深掘りし合う機会も設けていました。

――2022年、これらの取り組みを進めてどう感じていますか?

意気込んだものの、正直最初の数カ月は自信を持って意思決定できていなかったと思います。

社内メンバー集めも、採用も、バリューの策定も、自分の中に組織づくりの前例がなく手探りでしたし、自分の中でのチームの理想像や事業の未来像も不明瞭な部分がありましたからね。

ただ、立ち上げメンバーでの振り返り会で「この決定が正解かを誰も分からないからこそ、自分たちで決めた道を正解にするというスタンスで事業を作っていこう」と話したときから徐々に考え方が変わったと思います。

組織運営的な話でいうと、事業方針の目線合わせが不足していたと思います。事業の方針は分かるものの、セッション、会員数、掲載社数など、どの数値を最優先に考えて突き進むべきかの共通認識が取れていなかったことがあり、チームとして事業スピードを加速させきれませんでした。

単純に言語化・発信不足もありましたし、伝わっているだろうという油断もありました。みんなで話す場は設けていましたが、メンバーの目線に合わせ、1対1で話し合う機会を取っていなかったと反省しています。

――2023年以降はどのような計画を立てていますか?

事業方針の目線合わせが不足していた問題を解決するために、

「言語化とすり合わせを徹底しよう」という方針に決めました。

言語化とすり合わせの徹底を実現するための方法を探す中、ユーザーベース社の「OKRは最高の経営システム」のnoteを見つけ、エッセンスを取り入れることにしました。

特に意識していることはクォーター単位で、事業部の目指す方針を言語化し、どこに向かって進もうとしているかをチームの全員が理解しやすいようにしたことと、クォーター単位での事業部方針と各チームの方針を連動させたことです。

合わせて、1対1のコミュニケーションの機会を増やしています。例えば、事業部の2023年度の方針を説明した上で、疑問や違和感なども含めて、メンバーが相談しやすい状態で話し合いができるようにワールドカフェ形式を用いて各チームの代表者と1対1で質疑応答やディスカッションする機会を作りました。各メンバーと直接コミュニケーションを取れるため、リーダーがメンバーの事業理解度を把握するためのきっかけになりましたし、違和感や要望を吸い上げられる機会にもなったと思います。2023年も、メンバーと1対1で話す場を提供し続けられればと思っています。

言語化すると当たり前で初歩的なことかもしれませんが、当たり前のことを徹底し、チームで成果を出す事業部にしたいと思っています。

5.BeMARKEの組織の理想像は?そのためにどのような人を求めている?

――BeMARKEをどのような組織にしたいと考えていますか?

顧客のための自発的なコミュニケーションの総量が多い組織にしたいと考えています。

現在、BeMARKEメンバーの中でも一部からしか「顧客のためにこうしましょう」という声が上がってきません。これは、顧客に接する機会の少ないメンバーが多く、マーケティング現場で起きている問題を肌で感じることができていないからだと思います。これは、マーケティング現場に触れる機会を作れていないからだと思います。例えば、目の前で転んでしまった人を見たら「自分が助けないと」と思って手を差し伸べますよね。そういった感覚で、「自分が現場で触れ合った顧客を助けるのためにこうしたい」と発言するメンバーが増えてほしいと思っていますできることはないかを考えられる組織でありたいです。

そのために、BeMARKE事業部の全員が何かしらの形で現場を知る機会を提供したいと思っています。現場を知ったメンバーが、自らの意思で「こうしましょう」と発言してくれたり、「どうしてお客さんはこう考えるのでしょう?」と関心を持って質問してくれたりする組織になっていることが理想ですね。

――BeMARKEではどのような人材を求めていますか?

BeMARKEで掲げているバリューでいえば「ゲンバスティック」で「ナイトラ」な人です!

ゲンバスティックは、「実際お客さんって何に悩んでいるのか」と顧客に関心を持ち、顧客視点で考えようとすること。ナイトラは、失敗を恐れずに挑戦することですね。たとえ小さな挑戦であっても、「チャレンジしている」と自分で思えることが重要だと思います。

要するに、「顧客を深く理解することに向き合えたり、自分の今できることから一歩踏み出してトライできる人」が来てくれたら嬉しいなと思います。

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