今回は、株式会社トラジェクトリー(以下、トラジェクトリー)のCTO(最高技術責任者)である岸田好司さんに、入社のきっかけやドローン業界の将来性・会社のカルチャーなどを中心にお聞きしました。
ー本日はよろしくお願いします。まず岸田さんは、どのような経緯でトラジェクトリーに入社されたのですか?
私は大学院卒業後、NTTグループに就職し、NTT研究所にてシステム開発・研究に携わりました。前職では、非常に多岐にわたる経験を積んできました。開発においては、オブジェクト指向による交換システム設計の研究開発から、ノードシステム開発、フレッツやフレッツネクストのひかり電話を制御するサーバー開発、またWEBアプリケーション開発など、手掛けてきた開発の種類・領域も非常に広範囲です。
また、システム開発以外にもプロジェクトのマネージメントはもちろん、人材開発部長として約300名の評価・人事異動・育成といった組織全体のマネージメントも経験しました。
その後前職を退職した際に、同胞だった代表の小関と知り合い、ドローンが秘める未知の世界観に魅了されて2019年4月にトラジェクトリーへ参画することを決意しました。代表の小関の情熱や、ドローン業界そのものの成長性、また世の中にないものを作り出していく面白さを感じたことが入社の一番の決め手ですね。
ー大手からスタートアップへと活躍の場を変え、未知なる可能性に賭けていく挑戦心がカッコいいですね。現在、トラジェクトリーではどんな業務を担当されていますか?
私は、開発マネジメントから、提供機能の企画、ソフトウェアの実装まで幅広く携わり、開発チームメンバーと日々議論しています。
トラジェクトリーは、空間をデータ化してドローンを安全に飛ばす。そんな国家レベルのインフラの構築にチャレンジしています。そのインフラ構築の足掛かりとなるのが、自社サービスであるAI管制プラットフォームシステム「TRJX(トラジェクトリーエックス)」です。
「TRJX」は、航空管制システム技術をベースに、飛行計画の策定から、ドローンが飛行可能な安全なルートの自動生成、運航管理、機体制御機能までワンストップで提供しています。
「TRJX」を通じて空における空間のリスク評価を行い、複数の無人航空機が同時且つ安全に展開可能な飛行ルートを自動で生成する。この技術により複数のエアモビリティを同時に飛行させることが可能となり、安全な空の道を作るインフラとなることによってドローンの社会実装を促進・実現を可能にします。
そんな壮大なテーマを掲げて、日々開発を手掛けているのが我々のチームです。
私は主に開発・組織全体のマネジメント、また時には国と連携をして、産業構造のアーキテクチャ設計の検討・ディスカッションを行い、技術面から『空の改革』を推進していく動きも担っています。
ーそんな壮大なテーマに挑む開発チームは、どのようなメンバーで構成されているのですか?
チームメンバーは私を含めて10名で、主な年代は20代〜30代が中心です。
性別、国籍含めダイバーシティに富んだチームとなっています。また基本的には、各々の得意・不得意、興味・希望にあわせて、役割分担をしていく開発スタイルです。個々のやりたいことを尊重して任せていけるのは、自社サービス開発ならでは、また少数精鋭で開発をしている現在のフェーズならではかもしれません。
我々が挑むテーマが壮大であるため、開発のハードルも高そうに見えるものの、現在活躍しているメンバーのなかには実務未経験者もいます。またサービスの根幹となるサーバーサイドはGo言語を用いていますが、メンバーほぼ全員が入社時にはGo言語での開発は未経験でした。
基本的に、経験・スキルよりも、"事業への共感"と"やる気"といったマインド重視で採用しています。
ーメンバー個々人の意向を踏まえた開発スタイルは、魅力的ですね。開発に取り組むなかで、何か大切にされていることはありますか?
「スピード」と「クオリティ」のバランスを重要視しています。
クオリティが大切なのはもちろんですが、どのくらいまでの到達点を達成すれば世に出せるのかを見極めて開発スピードとのバランスを取らないと、形になるまでに時間がかかりすぎてしまいます。かといって、クオリティが足りなければ使い物になりませんし、ユーザー目線も必要です。
そのため、スピードとクオリティの両面を見ながら、あらゆる面で最適化していくことを重要視しています。
ー確かにスタートアップにおいて、スピードと質のバランス感は重要ですよね。では、ドローン業界の将来性についてはどのようにお考えでしょうか?
ドローンの市場に関してはニーズが年々拡大しており、現在弊社の事業は急速に成長しています。
私たちは、少子高齢化や過疎化が進む中でドローンが未来の「インフラ」になり得る存在となっていくと考えています。例えば、トラックドライバー問題が深刻化して、日本の物流は崩壊の危機ともいわれていますが、それらは無人自動ドローンによって救われるかもしれません。
近年では、法改正による規制緩和がなされたり、ドローンの社会実装を進めていく動きも高まっています。ですが、まだまだ社会には浸透していません。
ドローンは、農業における農薬散布や物流業界での活用、監視や警備への応用など様々な分野で活躍できる可能性が無限大にあります。だからこそ、業界問わずより幅広くドローンを活用してほしいですし、それを実現するために必要なシステムを今後も開発していきたいと考えています。
ー"インフラ"というと、具体的にトラジェクトリーはどのような姿を目指されているのですか?
ドローンと民間企業をつなぐ「ハブ」になることを目指しています。
私たちがハブとなって、管制を自動化し空の利活用を可能にすることで、誰もが安全かつ簡単に無人航空機の恩恵を享受できる社会を実現したいと考えています。
現在、スクールに通えば誰でもドローン操縦士の資格を取得することができます。しかし、人による操縦にはリスクがつきものですし、有人地帯である街中の上空150mを人間だけで管理していくのは危険が多いでしょう。そこで、"ヒューマンエラーが決して起きない"ことを目指したのが、当社の「TRJX」です。
AI管制で空域を管理しルートの軌道を形成するので、人間ではなくAIでの自動操縦が可能になります。また、システムの開発だけでなく、この管制システムが安全に利用できるようにリモートサポーティングも同時に行っています。
空の安全を司り利活用をすすめることによって、都市部だけではなく離島や中山間地域でも、ドローンやエアモビリティによってもたらされるメリットを世界中の人々に享受してもらいたいと考えています。
ーそう遠くない未来に、空をドローンが飛び交う世界が来るのではないか‥となんだかワクワクします!話は変わりますが、トラジェクトリーで働く魅力はどのような点でしょうか?
まだまだ小規模ではありながら、社員全員が複数のプロジェクトに参加し、気軽に意見交換ができる柔軟な環境が整っている点です。
社内には国籍・性別・キャリアなど、どこをとっても本当に様々なバックグラウンドを持つメンバーいるため、多様性を尊重する文化が根付いていると思います。また、コロナ禍では在宅勤務が導入され、現在でもリモートワークと出社勤務をバランスよく融合させた働き方が取り入れられています。
メンバー各々が強みを活かしながら、共通してプロフェッショナル意識を持ってやっていることは本当に素晴らしいことだと思いますし、そのようなチームメンバーと一緒に仕事をすることで刺激を受けられる点が魅力的だと感じています。
ーありがとうございます。最後に、この記事を読まれている方へ一言お願いします!
当社の「TRJX」は、サーバーサイドからフロントエンド、組み込み系の技術から、アルゴリズム構築までさまざまな技術と知見が融合されたサービスになっています。だからこそ、本当に幅広い分野に挑戦していただくことができます。また、言語や環境、ツールはあくまでも手段だと捉えているので、現在導入していないものでも最適だと思えば新しいモダンな技術も積極的に取り入れていく柔軟性も魅力の1つだと思います。
成長マーケットの中でエンジニアとして技術力を高めていきたい方や、自分ごと化して考え意見を発信したり、物事を進めることができる方にはぴったりな環境だと思います。少しでも興味をもっていただけた方は、是非気軽に応募いただけると嬉しいです
ー岸田さん、本日はありがとうございました。