こんにちは。人材戦略室の真島です。
今回は、医薬品情報データベースを開発している医薬情報開発部で、マネージャーとしてチームを率いる雨宮さんにお話をうかがいました。
“医薬品情報データベース”との出会い
真島:MDBの医薬情報開発部では、薬剤師として病院や調剤薬局で勤務されていた方がその経験と知識を活かして活躍されていますが、雨宮さんのMDB入社前のキャリアについて教えてください。
雨宮:MDBの前には、調剤併設型の大手薬局チェーンと、臨床検査会社の2社の経験があります。1社目の薬局では、薬剤師として5年間、2社目では2年間勤務しました。
1社目の薬局での業務は、医薬品の服薬指導業務や処方箋なしで買えるOTC医薬品の販売だけでなく、店舗スタッフとして商品陳列やレジ業務など一般的な来客対応業務も行っていました。仕事に慣れてきて、他の経験もしたいなと思って転職したのが2社目で、こちらの会社では講師として病院に赴き、医療従事者向けに感染対策のための講習を行っていました。その時は病院の感染対策チーム(ICT)の方々と、講習の企画をすることに楽しさを感じていましたね。
真島:1社目と2社目で仕事内容がガラッと変わったのですね。3社目がMDBな訳ですが、今度は医薬品情報データベースの開発という、またもや全く違う仕事を選択されたのはなぜですか?
雨宮:「データは武器になる」と思ったからです。薬剤師を取り巻く環境も今後変化していく中で、医薬品情報のデータは絶対に不要にならない、と気付いた時、今の仕事に対する魅力を感じました。実際に働いてみて、手に取って扱っていた医薬品を、データの視点から客観的に見ることができるのは楽しいです。
MDBの医薬品情報データ、ここがすごい
真島:雨宮さんが感じるMDBの医薬品情報データの特徴や強みにはどんなところがありますか?
雨宮:特徴は、扱うデータの分野が幅広く、先進的なデータを作成している点かなと思います。これが出来ているのも礎を作った杉平さん(現顧問)が持つ「医療の質の向上と患者の利益に貢献できる薬剤師」像から開発がスタートしているからですね。
また、強みは「データの質へのこだわり」ではないかと思っています。1つのデータを作成するために、添付文書だけではなくインタビューフォームや書籍、ガイドライン、論文など、本当に様々な文献を参考にして我々の解釈を加えています。ここまでやるのは、「現場で働く薬剤師にとって価値あるデータを提供する」、という使命感が私たちにはあるからです。
病院や薬局で働く薬剤師は本当に日々時間に追われているので、私たちが提供するデータに必要な情報が全て集約されていれば、調べる時間を削減して薬剤師が患者と向き合う時間を確保でき、医療の質をより良いものにすることができると考えています。タスク・シフトによって薬剤師の職域が拡大すれば、データの価値はさらに上がるはずです。
(医薬品情報データベース製品の目的別利用イメージ)
一緒に働くメンバーもみんな元は未経験
真島:とても崇高で純粋な思いのもと、データが作成されているのですね。かなり専門性と難易度の高い業務だと思うのですが、雨宮さん以外の開発メンバーのバックグラウンドはどんな感じですか?
雨宮:病院、調剤薬局、製薬会社と様々ですが、処方に一番近いところにいる病院出身の薬剤師が6割と一番多いです。MDBの薬剤管理指導支援システム「CP-Map」のユーザーだった人もいますね。
真島:かなりニッチな業務なので、皆さんデータベース開発は未経験で入社されますが、どのように新人を育成しているのでしょうか。
雨宮:デスクワークの経験もほとんどない人が多いので、ビジネスメールやパソコンを使った業務のやり方みたいなところから教えています。少し慣れてきたところで既存データベースのメンテナンスをしながら、必要な知識やツールの使い方を習得していってもらうのですが、メンテナンスを1人でできるようになるまでは1~3人の先輩で指導をしています。
メンテナンスの作業内容は、新しい医薬品情報の登録や、医薬品の情報元の改訂に合わせたデータの作成と更新で、各データベースのチーム内でスケジュールを管理し、作業を行っています。スケジュールを自分たちで立てて、自分の裁量、自分のペースで業務を行うという点で、働き方に主体性を求められることが、現場薬剤師と一番異なる点だと思っています。
真島:業務内容だけでなく、仕事への向き合い方も異なる新しい環境で、雨宮さんが育成で気を付けていることはどんなことでしょうか?
雨宮:仕事が忙しくても「いつでも質問どうぞ」、という姿勢で自分がいることです(笑)。新人と日頃関わりが多いのは、担当データの先輩社員とマネージャーになるので、まずはマネージャーの自分が一番聞きやすい人になって、些細なことでも質問してもらい、新人の不安を減らせればと思っています。
医薬品情報データベース開発という仕事の喜びとは
真島:転職してくると分からないことだらけなので、そういう人の存在はありがたいはずですね!最後に、今の仕事で雨宮さんが喜びを感じるポイントを教えてください!
雨宮:喜びですか?!うーん、喜びというと、他の薬剤師の誰よりも、診療報酬の改訂など薬に関する新しい情報をキャッチできることでしょうか。薬を取りまく環境をいち早く取得しなければいけない状況のおかげで、国がどういった方針の下、今の医療をどのように変えていこうとしているのかを知り、「こんなことが変わるんだなぁ」と思うと同時に自分でも考えて予測したり、医療業界全体を俯瞰して見ることができるので、今の仕事が楽しいなと感じています。自分が作成したデータを提供することで、同じ薬剤師さんたちの仕事の役に立ち、治療ではなく、データで医療を良くできることに喜びを感じている人も多いと思います。
真島:いろいろな喜びの感じ方があるんですね。これからも薬剤師の方や、その先にいる患者、社会全体への貢献へとつながる素晴らしいデータを届けられるように、引き続き開発をお願いいたします!今日はありがとうございました。