正解がないからこそ、一人ひとりのお客様と真摯に向き合う姿勢が求められる。会員制リゾートクラブならではの接客の面白さ
私たちジャパン・トータル・クラブは創業40余年の歴史を持つ会員制リゾートクラブです。「心とからだの健康づくり」「ご家族一人一人の生涯学習」「人と人との出会い、ふれあい」の3大テーマの実現を目指し、安定した「信頼」と新たな「感動」を創出しています。
今回はコーユー倶楽部 山中湖畔サロンでホテルスタッフを務める中村さんにインタビューを実施。接客において大切にしている考え方や、印象的なエピソードについてお話を伺いました。
お客様だけでなく、働くスタッフも大切にする会社
――中村さんのこれまでのキャリアや、転職を考えた理由を教えてください。
フィットネスクラブのインストラクター、ビジネスホテルのスタッフ、経理事務、保険の営業職など、さまざまな業種・職種を経験し、当社には2022年9月に入社しました。
実はかつての経験から、働き方の面で負荷が大きいイメージがあり、ホテル業界に転職する気持ちはまったくなかったんです。ただ、接客の仕事自体は好きで、人とのコミュニケーションが軸となる仕事に就きたいという思いはありました。同時に、ある方から、ホテル業にもいろいろなジャンルがあること。また、ハイクラスホテルや会員制ホテルであれば、自分がやりたい接客や柔軟な働き方ができることを示唆してもらい、転職先として検討するようになりました。
――ジャパン・トータル・クラブに対して、最初にどのような印象を持ちましたか?
まずは建物の豪華さに衝撃を受けました(笑)。
その後、面接を通じて当サロンの支配人と話をするなかで、お客様だけでなく、スタッフも大切にしている会社だという印象を受けました。さらに、勤務年数に関係なく、やりたいという気持ちや、取り組みの成果をしっかりと評価してもらえること。そのうえで、さまざまなポジションにチャレンジできる環境があることを知り、入社を決めました。私自身、昔からキャリア志向が高く、せっかく仕事をするのであれば、責任のあるポジションに就きたいという思いが強かったんです。
それぞれのお客様が望む接客を考える大切さ
――現在の業務内容を教えてください。
ホテルスタッフとして、フロント業務とレストランのサービス業務を中心に行っています。代表的な1日のスケジュールは、12時からフロントに入り受付準備やチェックイン業務に専念。夕方からはレストランで、お客様にお料理やお飲み物をご提供しています。
そのほかに、最近は予約者の情報一覧を作成する業務にも関わったり、当サロンが主催するイベント関連の業務にも携わっています。イベントに関しては、以前自身が提案した企画を採用してもらうことができ、現在はその運営も任せていただいています。
――お客様と接するうえで、中村さんが意識していることは?
それぞれのお客様にとって、どのような接客をするのが正解かを考えるようにしています。今は何でもマニュアルを作る風潮がありますが、接客には正解がなく、マニュアルを作りたくても作れないものだと私は考えています。たとえば妊婦さんがいらっしゃったときに、あえて触れないのも正解でしょう。一方で、お食事の際に「クッションは必要ですか?」と声をかけるのも1つの正解だと思います。
正解がないものだからこそ、チェックイン時のお客様の反応を見たりしながら、お客様がどのような接客を求めているのかを感じ取り、ご満足いただけるような対応を心がけています。
――お客様とのやりとりのなかで、印象に残っているエピソードを教えてください。
入社から1か月くらいの出来事です。レストラン業務にもようやく慣れてきましたが、お酒の種類については詳しくなく、まだまだ勉強中の段階でした。あるときお客様から、どのお酒を選ぶべきか質問をいただき、個人的においしいと思う日本酒をお勧めしてみました。
結果、想像以上にお客様が喜んでくださって。「初めて口にしたけれどおいしかったよ。紹介してくれてありがとう」とおっしゃっていただきました。そしてその会話を糸口に、「あなた、頑張って支配人になりなさいね。見ているからね」という言葉をかけてくださったのです。私も胸が熱くなり、「名刺をもらっていただけませんか?」と。この職場に来て、初めて名刺をお渡ししたお客様でした。まさに会員様のクラブだからこその、人の温かさやご縁の大切さを感じた瞬間でした。
大切なのは「どれだけ好奇心を持って物事を見られるか」
――どのようなときに仕事の面白みを感じますか?
当サロンオリジナルのイベントを実施する際に、さまざまな人たちと協力しながら1つのものを作りあげることができたときです。
たとえば山中湖では、8月に大きな花火大会が開催されます。それに合わせ、私たちも年に1回の特別なイベントとして、今年は外の庭園でガーデンビュッフェのイベントを実施しました。準備はとても大変だったのですが、他部署の方や協力会社の方などと密にコミュニケーションを取りながら、無事に成功させることができました。
どんなイベントであればお客様に喜んでもらえるか、どのように連携しあえばうまくいくかと考えを巡らせるのが楽しいですね。
――一方、仕事が大変だと感じたことはありますか?
高稼働の時期など、最初は体力面で大変さを感じるときもありました。ただ、個人的には徐々に慣れていくものだと思っています。また、その事実を“嫌だな”と思うのではなく、「どうやって睡眠時間を確保するか」「いかに短い時間でも休めるようにするか」というふうに思考を転換すれば、自分なりのやり方が見つかっていくはずです。
ほかにもお料理やお飲み物の種類や特徴など、覚える事柄が多く、はじめは苦労しました。でも私としては、「どれだけ好奇心を持って物事を見られるか」が大事だと考えています。お客様に対して「今月のおすすめのワインは●●です」と紹介するだけでなく、そのワインに興味を持ち、どういう味なんだろう、どんなぶどうの品種なのだろうと興味を持って調べることで、ただの“暗記”ではなくなるんですよね。
――「興味を持って調べることが大事」というお話がありましたが、入社後の教育に関して、特徴的だと感じたことはありましたか?
私の場合は経験者ということもあり、すぐに現場に立ちました。もちろん業務に必要なシステムの操作などは最初にしっかりと教えてもらいましたが、サービスの方法については、その都度実践を通して学んでいったイメージです。
先ほどもお話したように、接客に正解はありません。“習うより慣れよ”で学ぶことで、そのときどきの状況に合わせて動けるようになったと思います。また、特定のOJT担当が存在しないため、いろいろな先輩たちのやり方を知ることで、自分の引き出しが増えるメリットも感じました。
ちなみに私自身も、現在学生スタッフの教育を行う機会が多いのですが、その際は必ず「目的」を伝えるようにしています。具体的には、当サロンの場合、お客様に対してなぜ「おかえりなさいませ」と声をかけるのか。ローテーブルを利用されているお客様に、なぜしゃがんで接客をするのかなどです。目的を伝えないと“流れ作業”になってしまいますし、彼らが今度教育する立場になった際に、本質がずれてしまうことを防ぐためです。
年次や経験に関わらず、すべての人にチャンスがある
――中村さんが今後成し遂げたいことを教えてください。
今よりもっとサロン独自のイベントを充実させていきたいです。イベントの認知度を高め、イベントをきっかけとした集客を増やしていけば、当サロンにとっても会社にとってもメリットが大きいと考えるからです。
そしてその結果、山中湖畔サロン全体として、さらに会社から評価をしてもらえるようになれたら嬉しいですね。私自身も支配人たちを支えていくことで、現在の環境をよりよくしていきたいと思っています。
――ジャパン・トータル・クラブの魅力や特色は?
すべての人にチャンスがあることです。入社年数に関わらず、責任のある仕事を任せてもらえる環境がある点は、採用面接で聞いていたとおりでした。
また、施設を運営するうえでの細かい決めごとなどについて、現場からの意見を拾い上げてくれる点も当社ならではの魅力だと感じます。
――今後、どのような人と一緒に働きたいですか?
責任ある仕事を“面倒ごと”ではなく、「チャンス」と捉えられる人と一緒に働きたいですね。そのうえで、自分で考えて動ける人。さらに、正解が存在しないなかでも、相手の立場に立ってどのような関わり方をされたら嬉しいかを考え、自分でPDCAを回せる人が理想だと考えています。
会員制クラブという業態は、ホテル業のなかでも少し特殊な部分があります。たとえば、お客様と程よい距離感を保ちつつも、よりコアな接客ができる点が特徴的です。お客様と積極的にコミュニケーションを取る接客がしたいという方には、もちろんマッチする仕事です。一方で、明るくふるまうのが苦手という方でも、相手と真摯に関われる方であれば、丁寧で落ち着いた接客を喜ぶお客様もいらっしゃるため、ご自身の強みを活かせるのではないかと思います。とにかく「人とじっくり向き合うことが好きな方」に、来ていただけたら嬉しいですね。
――最後に、求職者のみなさんへメッセージをお願いします!
私も転職する際は、ホテル業界に対してあまりプラスのイメージを持っていませんでした。ただ、ホテル業界と一口に言っても、いろいろな業態があります。自分に接客は向いているかな?と思う人も、まずは現場スタッフの話を聞きに来てほしいですね。そして少しでも興味を持っていただけたなら、働く場所の選択肢の1つとして考えてみていただければと思います!