これからはシェアリングの時代。
去年、ある方のセミナーに参加して聞いた言葉です。
中小零細企業に多い自社独占とは真逆。
下請け稼業であった町工場には技術力というよりも作るためのノウハウが集積しています。
社歴が長ければ長いほど失敗もあり、壁もあり、それらを乗り越えてきたからこそのノウハウです。
これは簡単に生み出せるものではありません。そういう町工場があるからこそ今の日本が発展してきました。
しかし、その技術力もユーザーに必要とされなければ価値(お金)を生みません。
町工場の多くは図面を受け、どうやってそれを完成させるか。ここに注力して仕事をしています。
ユーザーさんは技術を買うのではなく、出来た製品を買っています。
お客様にとって技術はあくまで一つの手法であり、それをどう使うかということは工場にお任せです。
展示会で技術発表しているシーンを見ることがあります。
よく見かけるのが
ワイヤー加工の精度が0.001㎜以下でカットできているので空気も通らない程のクリアランスで出来ている。
みたいなやつです。
見る人は確かにすごーい!ってなりますがこの技術が何に生きて、これがあるから仕事を依頼すると考える人はごく稀です。
町工場にある技術は各社専門性があり、人々の生活を支えています。
しかし、その技術は自社のものだと自負して隠しこんでしまうとどうなるか。
その技術が活かされ人々のお役にたつことから遠のいてしまいます。
ではその技術はどうやったら活かされ、価値のある商材となるのか。
簡単に言うと「技術を活かせる人たちとシェアリングすればいい」のです。
隠しこんでいるから活かせる人が困っている
隠しこんでいるから価値を生む仕事に繋がらない
隠しこんでいるから人材にも繋がらない
ここで一つ言っておきます。
何でもかんでもオープンにするということではありません。
町工場が持つ技術というのは「サービス」だと考えてください。
そしてその技術から生まれた各社の強みは「ノウハウ」です。
技術=サービス、これを多くの人とシェアすることで価値(お金)のある商材が生まれます。
ノウハウはシェアする必要はありません。するならばそのノウハウから生まれた商品で良いのです。
情報発信という言葉はあたりまえに聞こえてくるようになりました。
SNSの力も拡大化し、そこから仕事に繋げる人も作る人も当たり前になっています。
どんな技術を持ち合わせ何ができるのか。
製造業界にいる方はレーザーで金属がカットできるというのは全世界当たり前に知っていると思われていないでしょうか?
製造業界では当たり前ですよね。
でもそれって世界標準の常識ではありません。知らない方もたくさんいらっしゃいます。
難しい技術ばかりではなくどんなことがその工場で出来るのか、その技術(サービス)を発信してお伝えする必要があります。
技術の付加価値は町工場だけでは生み出せません。
依頼者があってのこと。その依頼者と繋がるにはまずは技術(サービス)を共有することが必要です。
シェアリングの時代だからこそ必要と考え、技術情報の共有という視点から
技術(サービス)の情報をシェアリングするサイト、monooto(モノオト)が出来、公開になりました。
町工場の技術(サービス)、取り組みなどが集約するサイトです。
ブログベースで各社のお仕事がアップされているのでタイムリーな情報共有ができます。
町工場の皆さんはものづくりが専門。ライターみたいなことは苦手な上に専門的になりすぎる傾向にあります。
なのでこのサイトのブログはMACHICOCOのスタッフが第三者の立場から各社の情報をお伝えしています。
第三者が見て伝えるとその会社の知られざるポテンシャルも見えてきます。
日本の技術(サービス)力、そしてノウハウは世界中の人々の課題を解決できるポテンシャルがあります。
このサイトを通じて、研究者、ベンチャー、そして新たなものづくりにチャレンジする企業、人々と町工場を繋ぎ新たな未来を創ります。