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そういうわけでエンジニアは、Google Workspace を学ぶべきだ

株式会社G-gen(ジージェン)の CTO の杉村です。

G-gen は Google Cloud 専業インテグレーターです。エンジニアにとって Google Cloud という技術領域は、実はキャリアアップのためにかなり良い選択肢である、という自説を以下の記事でご紹介しました。

そういうわけでエンジニアは、Google Cloud を学ぶべきだ | 株式会社G-gen
株式会社G-gen (ジージェン) の CTO の杉村です。G-gen は Google Cloud 専業インテグレーターです。エンジニアにとって Google Cloud という技術領域は、実...
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この記事の続編として、この記事では「Google Workspace も、エンジニアにとってキャリアアップに繋がる大事なスキルである」というお話をさせていただきたいと思います。少し硬い文章が続きますが、ご一読ください。

ID 基盤と認証・認可

冒頭に「Google Workspace も、エンジニアにとってキャリアアップに繋がる大事なスキルである」と書きましたが、私の考えでは、「Google Workspace」の部分は「Microsoft 365」や「Active Directory」などに置き換える、あるいは追記してもよいと考えています。私が伝えたいことは、エンジニアが以下を理解することが重要であるということです。

  • ID 基盤
  • ディレクトリサービス
  • 認証・認可
  • ID 連携、シングルサインオン
  • システム特権管理
  • アクセス権限管理

これらのワードは、企業の情報システム基盤において重要です。企業の情報システム部門員や SIer/CIer などに所属するエンジニアは、全員がこれらを「ある程度」理解している必要があります。「ある程度の理解」というのは、例えばシステム構成図やシーケンス図、またシステムマニュアルを読んだときに、概要や処理の流れに対して、腹落ちできるくらいには理解している、くらいの感覚です。それぞれの領域は高度に専門的であり、1人ですべての領域を深く学ぼうとすると時間が足りるものではありませんから「ある程度」としました。

これらに対する理解がないと、例えば「Google Cloud(や AWS)のセキュリティが不安です。セキュリティを強化したいのですが」という顧客あるいは経営層の漠然とした不安に対して、網羅的な回答を用意できません。また、たとえセキュアコーディングや CI/CD パイプラインでの DevSecOps、L7 レイヤのネットワークセキュリティを突き詰めても、特権管理に穴があればすべて無駄になります。あるいは、Google Cloud の組織ポリシーや VPC Service Controls をいかに厳格で精緻に設定する知見があっても、Active Directory を中心とした社内 ID 基盤と Google Workspace(Cloud Identity)の ID 連携が提案できなければ、そもそも導入検討の俎上にのぼらないかもしれません。

企業情報システムの網羅的な理解のためには、前述のワードの理解は必須なのです。

Google Workspace を扱うことで学べるスキル

Google Workspace(Cloud Identity)には、ID 管理や認証・認可、シングルサインオン、特権管理のための一通りの機能が備わっています。いち利用者として日頃の業務で Google Workspace を使っている分には意識することはほとんどないかもしれませんが、管理者や運用者として携わったり、G-gen のような CIer で顧客への導入案件を担当したり、あるいは技術サポート業務で管理機能を調査することを通じて、これらの機能に触れることになります。

シングルサインオンやアカウントのプロビジョニングなどの機能に触れることで、一般の従業員としてはなかなか触れることのない Active Directory の管理機能や内部機構の理解に繋がります。Google ドライブの詳細なアクセス制御機能に触れることで、従来型のファイルシステムとのアクセス制御の違いや、内部的にどのようなロジックで実装されているか、手触り感を得られるかもしれません。コンテキストアウェアアクセスや、不審なアクティビティの検知といった機能は、情報システム部門や経営層の高い関心を集めています。

またそもそも Google Workspace は、非常に短期間にアカウント管理機能とオフィスライクなツールを導入できるという点で、相当に優秀なサービスです。仮に私が自分の会社を起業するならば、間違いなく Google Workspace を採用します。

Google Workspace の知見は、IT エンジニアの使命である「情報技術によって、現実世界の生活を便利にする(あるいは、現実世界の仕事を推進する)」に直結するスキルなのです。

Google Workspace エンジニアの市場価値

Google Workspace エンジニアの市場価値はますます高まると予測できます。

ただし、ここでいう Google Workspace エンジニアとは、単に Google Workspace の初期設定や日常的な運用ができるオペレーターのことを指すのではありません。組織のビジネス状況や業務スタイル、セキュリティ要件に応じた全体の設計や、それを踏まえた運用設計、ひいては企業 IT 全体をスコープに入れた IT 基盤のアーキテクチャを検討できる、チャレンジングな職種のことを指しています。

これを実現できるエンジニアには Google Workspace だけでなく、IT インフラに関する幅広い知識や、アプリケーション開発に関する基礎的な知識も求められます。そのような人材は市場には少ない一方で、需要は高いです。需要が高い理由は、企業 IT の維持にそういった人材が不可欠だからです。企業にとって IT の重要度は上がり続ける一方で、従来型の IT に「継ぎ足し、継ぎ足し」を続けてしまうと、人間が把握し管理できる複雑さの度合いを超えてしまいます。企業 IT をシンプルに保つには(運用負荷を一定以下に留めるには)、クラウドへの移行が不可欠です。そして、従来型 IT からクラウドネイティブな IT への移行には、従来型 IT とクラウドの両方を理解した人材が必要です。そういった人材の需要は、まだ高まり続けています。供給が少なく需要が高いことは市場価値が高いことを意味し、当然報酬も高くなります。

IT インフラを理解し、かつ Google Workspace を深く知っているエンジニアを目指すことは、自らの市場価値の向上にダイレクトに繋がる試みだといえるでしょう。

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