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転職の失敗を防ぐ企業選び・自己分析の方法

昨今では終身雇用の概念がなくなりつつあり、カジュアルに転職する人も増えてきた。しかし、「社風や業務内容が想像していた内容と違う」といったミスマッチによる早期転職も後を絶たない。ここではそんな転職の失敗を防ぐための原因と対策を紹介する。企業にとっても求職者にとってもマイナスでしかない「ミスマッチ」を防ぐために、ぜひ参考にしてほしい。

ミスマッチが起こる原因・理由

自己分析・情報収集不足

ミスマッチが起こる原因のほぼ全てはこれに当てはまると言っても過言ではない。今後のキャリアでどのような仕事がしたいか、この条件だけは譲ることができないという軸は何か、これらを明確に言語化できていない。軸が明確でないため、必要な情報があやふやになり求人票の中の良い情報ばかりに目を取られてしまう。結果として転職後に様々なギャップに苦しむ、という最悪な事態を招いてしまう。

人間関係

時代を問わず、常に退職理由の上位にあるのが「人間関係の不一致」である。突き詰めていくと仕方のない場合もある。入社前に全ての社員と顔を合わせることは難しいし、異動や転職などで人は常に入れ替わるからだ。しかしSNSなどでの情報収集や選考中に予めどういった人と働くか調査する、あるいは実際に会わせてもらうという手もある。全ては不可能であっても可能な範囲で行動を起こすことで、入社後のミスマッチを最小限に抑えることは可能だ。

仕事内容や待遇の不一致

自己分析・情報収集不足により、「転職後に本当に自分がやりたい仕事ではなかった」「想像していた環境ではなかった」ということが往々にして起こり得る。例えば残業ひとつ取ってみても「残業は少ない」というざっくりとした情報しかない、あるいは給与額面ばかり気にして見込み残業の時間と金額を把握していないという場合。入社後のギャップが早期退職へと繋がる可能性もあるだろう。

ミスマッチを抱えたまま入社するとどうなるのか

試用期間中や早期の退職

様々な原因によってミスマッチが生じてしまい、そのまま入社をしてしまうとする。自分がやりたい仕事ではなかった、環境や人間関係が合わないという苦悩に悩まされ、最終的には早期退職につながる。早い場合は2~3ヶ月の試用期間中に退職をすることとなる。採用から育成まで何十万何百万円と費用をかけた企業にも大きな痛手だが、退職者にとっても早期退職は大きなデメリットとなる。

キャリアや履歴書に傷がつく

早期退職をするとどうなるのか。よく言われるのが、キャリアや履歴書に傷がつくということだ。「自分の履歴書は傷が付くほどの代物ではない」と言う人もたまにいるが、履歴書の質の問題ではない。単純に、今後の転職に大きく不利になるからだ。すぐに投げ出す人、物事を継続して行うことができない人という烙印を押されてしまう。その結果、採用してもまたすぐに辞められてしまう、と多くの企業から敬遠され転職が難しいものとなる。

環境や仕事内容を変えることができないか試してみる

ミスマッチの原因や結果は人それぞれだが、早期退職のデメリットは共通して大きいものである。であれば早期退職の決断をする前に、一度環境や仕事内容を変えることができないか行動に移してみる価値はある。異動願いや職務内容の変更などの相談をするのも手だ。どうせ入社間もない新人社員の意見は聞いてもらえない、と自分で判断するのではなく試してみるべきである。企業にとっても本人にとってもデメリットの大きい早期退職。お互いが納得する道を見つけられるかもしれない。

自己分析の方法

転職理由と目的を明確にする

ミスマッチを防ぐうえで一番重要になるのが自己分析だ。改めてやらなくても自分のことは分かっている、という考えが失敗を招く。改めて明確にして言語化することが企業選びや選考の際に必須となる。まず一番に取り掛かるべきは、転職理由と目的の明確化だ。なぜ今の企業を転職しようとしているのか、転職をして何を叶えようとしているのか。ここをはっきりさせることで、転職活動の軸がぶれないものとなる。

キャリアとスキルの棚卸し

転職理由と目的を明確にした後は、今までの経歴とスキルについて整理をしていく。今まで経験してきた仕事内容、意識してきたこと、工夫をしてきたこと、身に付いたスキルなど。改めて整理することで、気付かなかった得意・不得意、強み・弱みを発見することもある。キャリアとスキルの棚卸しをすることで「自分のキャリアはこう」という主観的な意見ではなく、事実から見た客観的な把握をすることが可能となる。

強みを言語化する

キャリアとスキルの棚卸しによって自分の強みを明確にすることができたら、それを他人に伝える前提で言語化していく。言語化することで自分に向いている企業や、強みを活かす仕事を探すことができる。企業選びや面接の時にも「自分は過去こういうことをして、こういう強みがある。だからこういう事がやりたい」という事実に基づいたロジックを組むことができる。相手にとっても自分にとっても説得力のある強みとなるだろう。

企業選びのポイント

軸・ポイント・優先順位を整理

自己分析が済んだら、今度は企業選びのための土台作りだ。まずは仕事を探すうえでの軸を決める。やりがいやワークライフバランス、キャリアアップなど自分が物事を判断する軸が重要だ。次に企業を選ぶうえで大切にしているポイントを全て書き出していく。それを優先順位通りに並び変えていく。これらを丁寧に行うことで、企業選びの判断基準ができあがる。さらに複数社で悩む際に、優劣の判断もしやすくなる。結果、効率的な転職活動を行うことができる。

社風や働く人間はSNSなどでチェック

前述の通り、常に退職理由の上位に挙げられる「人間関係」。ここでのミスマッチを防ぐためにも、実際に一緒に働く人間や職場環境についてはできる限り調べておくのがマストである。今では多くの企業が取り入れているSNSが一番わかりやすい。企業SNSでは社内行事や親睦会などの写真が投稿されることも多く、働いている人間の顔を見ることができる。個人の名前が分かれば検索をするのも一つの手だ。とにかく入社前に知ることができるものは全て調べておく。それがミスマッチを防ぐ一番の方法だ。

自己分析と合わせた企業選び

ここまで自分の事、企業の事をそれぞれできる限り明確にしてきた。あとはそれらを照らし合わせて考えるだけだ。今まで求人票だけを見て転職先を判断してきたかもしれない。改めて自分の事を言語化して明確にすることで、自分にマッチするかどうかの判断基準も変わってきているはずだ。ここで調べきれなかったこと、不明確なことがあれば全てメモしておく。最後にそれらを面接で明確にしていくためだ。

面接対策と逆質問

本音で話す

単純で当然のことのように思えるが、人は意外と本音を隠しがちである。相手に対して良く思われようとする気持ちは分からなくもないが、本音を隠したまま入社までしていまうと後々ミスマッチや辛い我慢を強いられる可能性もある。また、相手だけでなく自分に対しても本音を隠すパターンもある。相手の期待に応えようと本音を隠しているうちに、自分でも見失ってしまう。後々何かの弾みでずっと我慢していたことに気付く。こういった事態を防ぐためにも、初めから全て本音で話すことが最善の選択肢だと考える。

仕事内容や待遇はより具体的に聞く

自己分析と企業分析の結果、自分が望む企業・仕事であると判断して面接を受けていると思う。しかし仕事内容などについて、求人票で把握できていない箇所もあるだろう。あるいは知らず知らずのうちに自分の想像で補完してしまっている可能性もある。それらを明確に把握して正しい判断をするためにも、面接では仕事内容や待遇についてできるだけ具体的に聞く必要がある。面接は企業の事を知る最後のチャンスとなる可能性が高いため、ここでは全ての穴を埋めるつもりで挑もう。

一緒に働く人を見る、聞く

人間関係に関してのミスマッチを防ぐ最後の手段として、面接では実際の職場を見学させてもらうことをお勧めする。オフィスには社外秘の情報などもあるので難しい場合もある。その場合は、一緒に働く人間に会わせてもらう、その人たちについて詳しく聞くだけでもいい。とにかくどういった人間と働くかをできるだけ具体的に知ることが重要である。調べるだけではなく、実際に見る・聞くことが人間関係でのミスマッチを防ぐ大切な方法だ。

ミスマッチを防ぎ、自分らしいキャリアを

自己分析や企業選びについて頭で分かっているつもりでも、ぜひ一度整理をしなおしてほしい。紙に書くでもPCのメモ帳でもなんでもいい。とにかく言葉や文字にして、一度整理してみることが大切だ。ミスマッチが起きて良いことはひとつもない。この記事を読んだ一人でも多くの人が、改めて考え直すきっかけになれば幸いだ。


<筆者プロフィール>
寺島弘光(てらしま ひろみつ)
商品先物取引のトップセールスとして3年間勤務後、通信業界や求人業界の営業を経て、30歳を超えて大きな挫折を経験。現在求人広告をはじめとしたライターとして、新たな道を歩み始める。大阪人ながらに年間パスポートを保有していたほどのディズニー好き。趣味はバスケットボールで、自分でクラブチームを作るほど。推しは大阪エヴェッサ。千葉への移住計画を胸に、一児の父親として育児・ライティングともに一から勉強中。

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