こんにちは、トークナビ代表の樋田かおりです。
私たちは「声で、未来を変える」のビジョンのもと、アナウンサー講師による話し方研修やアナウンサーが企業の顔となって広報を代行する「女子アナ広報室」、生放送の現場経験を活かした「女子アナ司会部」などのサービスを行っています。
「女子アナ」という呼称から、「タレント的な組織?」と誤解されることがあります。また最近は、「ジェンダー平等の時代に、なぜ女子アナ?」と聞かれることもあります。私自身、「女子アナ」の呼び方に抵抗がないわけではありませんし、時代や社会の変化とともに名称は変わる可能性はあると感じます。
それでも、現在「女子アナ」という名称で提供しているのには理由があります。
それは、「女子アナ」のイメージを変えたいと思ったことです。
「女子アナ30歳定年説」を覆す
私が2015年に会社を設立したきっかけは、20代で青森放送を退職し、再就職先を探していたとき、結婚や出産で離職した後に「経験を活かして再び働きたいのに、働く場がない」と悩む女性アナウンサーがたくさんいることを知ったことです。
当時、業界では「女子アナ30歳定年説」などと言われ、女性アナウンサーは結婚や出産を迎える30歳前後を境目に、現場から消えていくのが当たり前でした。フリーになっても仕事が激減したり、家庭との両立に悩んだりする中で諦めてしまう人も多く、放送現場で培ったキャリアが途絶えいくのを目の当たりにしました。
そこで、「仕事がないなら、自分で創ろう」と決意し、起業。”声で伝える力”をビジネスの現場に提供できないかと、アナウンサー仲間とともに話し方研修や広報、司会のノウハウを学びました。さらにリモートワークを活用することで、全国各地に埋もれている潜在アナウンサーが働く場を創り出しました。
原動力となったのは、「女子アナ」=「若いときにだけ活躍できる職業」というイメージを「何歳になっても働ける職業」に変えていきたいという思いです。
アナウンサーの仕事はマイクを持って現場に立つことだけではありません。在宅でも働ける、ビジネスで活躍できるアナウンサーを生み出すことで、女性アナウンサーが子持ちでも、50代になっても、60代になっても働けることを証明したいと思ったのです。
タレントではなく、声で伝えるプロとして
また、「女子アナ」というと、「華やかな世界で、タレントのようにちやほやされる存在」というイメージがあるのではないでしょうか。
一方、局アナ時代に私が感じていたアナウンサー像は「職人」です。先輩アナウンサーたちは、放送時間外でも声や言葉に意識を向けるプロでした。言葉を磨き、耳を磨き、声を磨く。私自身、永遠に地道な努力が必要な職業だと思っています。
トークナビに集まるアナウンサーたちは、まじめで志の高い人たちばかりです。声で伝えるプロであることに誇りを持ち、さらにリスキリングにより新たなスキルを身に付け、”伝える力”で企業の発展に貢献することを目指しています。
会社設立から8年経ち、トークナビは全国各地に70名のアナウンサーを抱える組織に成長しました。講師や広報、司会として活躍する”ビジネスアナウンサー”がたくさんいます。子育て中や地方在住のメンバーも活躍しています。
「女子アナ」のイメージを変えられると、手ごたえを感じています。
もちろん、世間のイメージだけでなく、アナウンサー自身のマインドチェンジも必要だと思っています。アナウンサーに経験の少ないPCスキルはもちろん、顧客対応力や提案力などのビジネススキルやビジネスマインドを身に付ける必要があります。
生き生きと働く女性のロールモデルに
アナウンサーは就職活動において競争率が高く、憧れの職業といわれます。最近は出産後もテレビで活躍する女性アナウンサーもいますが、地方局では1~3年契約で働く女性アナウンサーが多く、今でも20代でセカンドキャリアに悩む人が少なくありません。
先日、在宅で働く育児中のメンバーからこんな言葉をもらいました。
「トークナビで働き始めて、生活がカラフルになりました」
テレビ局で報道の仕事をしていた彼女は、家でニュース番組を「作り手の視点」で見ながら、「この経験を社会で活かすことはもうないのか…」と、世の中に取り残されたような感覚を持っていたそうです。今、広報として「作り手の視点」を活かし、企業の発展に貢献しています。
若い世代には、憧れの職業の先に、悩む姿ではなく、生き生きと働き続ける未来があることを見せたい。私たちは「女子アナ」が努力を重ねライフステージに合わせて生き生きと働き続ける姿を発信することで、女性のキャリアのモデルケースを示していきます。
トークナビでは一緒に働く仲間を募集しています。
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