以後住民達との話し合いの場を何度も何度も設けて、
ようやくプロジェクトに向けて村が一枚岩となってきた。プロジェクトに賛同する電気も水道もガスもないこの村にまず最初に必用であったのは清潔な水。早速、井戸を掘った。工場も皆で作った。フルーツを乾燥させる為の機械も用意ができ、残る問題は島への輸送であった。細い水路をくぐり抜けられて尚且つ数トンにもなる機械を運び込む為の木製フェリーを皆で作り皆必死で運んだ。これで最低限の設備と人材が揃った。
2008年には、英国のオーガニック認証を受け、ORGANIC FOOD AWARD を受賞し、英国市場への足がかりが出来た。本プロジェクトは、FAR EAST と連携し、2010年度日本貿易振興機構(ジェトロ)開発輸入企画実証事業で採択されジェトロの支援を受け、製品レベルの向上、製造工場の改 築、日本市場の参入も果たした。敢えてドナーを募り、支援による形でプロジェクトを運営することに重きを置かず、現にある豊富な農業資源と住民たちはじめ プロジェクトメンバーによるビジネスでの運営を選んだ。厳しい選択ではあるが持続可能で強い社会基盤、経済基盤を ジャリ村 に作り上げるにはこれ以外にないというMuwanga兄弟の考えに他ならない。今後彼らにとって必要なのは彼らが作り出す製品を送り出す市場の拡大であ る。彼らが日本市場に寄せる期待は決して小さくはない。また日本市場に通用するべく努力も決して惜しまない。Muwanga兄弟の挑戦はまだ始まったばかりなのである。
ーーーーー第3話へ続くーーーーー