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新規事業のリアル -エモいストーリーより、地場産業のニーズと向き合った1年-

※今回の記事は、会社のことを振り返るいい機会だったのでプロジェクトで関わりのある第三者の複業ライターにお願いしてまとめてもらっています。

「できれば基本的にあまり目立ちたくないし、写真を撮られるのも苦手なんですよね…(笑)」

そう語る代表の田中さんが、自分で会社を立ち上げた背景は何なのか。

田中さんは、新卒でウェブマーケティングの会社に入り、沖縄で転職、子会社の社長を経て、地域課題の根本解決をしたいと考える中で、人材のシェアリングというアイデアに辿りつきます。
当時の会社での業務が、どちらかといえば海外向けの仕組みづくりなど規模の大きな仕事だったこともあり、本来やりかたった地域課題に取り組むには、自分でやろうと決めたそうです。

全力でやっても届かない地域に、優秀な人の力を届けよう

ベンチャーの立ち上げから、大手企業での部長経験まで幅広い経験をしてきたことから、初めはそれらの経験を活かしたコンサルティングを行なっていました。
やりたい仕事ができる上に、ある程度大きな案件が受注できていれば、なんとかしたいけれど利益の薄い仕事でもほぼ無償で受けても大丈夫な状態。自分がやりたかった、地域への貢献はできていると感じる日々でした。

ただ、現場の声をたくさん聞いているうちに、自分1人でできることの限界を感じ始めたそうです。

「正直、会社の規模を大きくしたい訳じゃないんですよね。でも、自分が最大限やっても、届かない地域が多すぎたんです。それなら、東京には優秀な人がたくさんいるから、その人たちに力を借りよう!と思ったんです。」

東京にたくさんいる優秀な人と地域をつなぐプラットフォーマーになれば、もっとたくさんの地域の課題を解決できる!そう考え、立ち上げたのが今のGoing・Going・Localのサービス。まずは、各都道府県に100人ずつマッチングさせ、プロジェクトを走らせることを目標としているのだそうです。

「どうでもいい」と言われて気づいた東京目線の言葉

しかし、Going・Going・Localをリリースするのは、簡単ではありませんでした。そもそも、地域の企業から受け入れてもらえなかったのです。

人手不足になったのなら社員を採用しよう、というのが一般的な考え方。田中さんが必死に今後の展望を語っても、なかなか理解してもらえません。

そんな中、北海道のある新聞社が「よく分からないけど、田中くんが一生懸命だから発注するわ」とWEBサイト作成の案件を受注することができました。
その上で、進め方や意義など色々と語る田中さん。その時に、その新聞社の社長から言われた一言にハッとしました。

「『複業』とか『地域』とかどうでもいい!いいサイトが作れるのかそうじゃないのか、どっちなんだ?」

自分勝手な“エモさ”の押し付けは必要とされていない

発注する側からしてみれば、いいサイトが欲しいだけで、その発注先が東京だろうと海外だろうと関係なくて、どうでもいい。

東京から地域に貢献する、というストーリーは綺麗で“エモさ”がある。
けれど、それぞれの地域で仕事をする人たちからすれば、目の前の自分の仕事があるだけ。東京から何かを取り入れたいとも思っていないし、ただただ必死に、家業としての仕事をより良くしたいだけなのだと気づいたそうです。

「よくよく考えれば、自分が沖縄で社長をした時も、ちゃんとした成果が出るならなんでもよかったよな、と思い出したんです。勝手に『地方』『東京』と東京からの目線で名前をつけて、自分勝手に"エモさ”を押し付けていたんだなと気づいたんです。」

それから、そもそもその企業にとって何が必要なのか?をよく考えて提案することで、理解してもらえることが増えてきたそうです。

地域に関係なく本気の人が仕事を探せるサービスへ

だからなのか、トレジャーフットが取り扱う案件はバリエーションが豊富で、こんなことにチャレンジできるのか!と興味を惹かれるものばかり。

「よくある似たような求人ばかり並ぶ複業マッチングサイトがやりたい訳じゃないんです。見てもらえれば、『こんなに面白い仕事があるんだ!』と思ってもらえる自信がありますし、複業する方ってお金以外にも経験とか、人脈とか、手触りのある何かだとか、思いを持って仕事を探していると思っているんです。だから、本気で何かを変えようとしている地方の企業と、価値ある仕事を求めている人を繋ぐ自分たちでありたいと思っています。」

今は、時代の変化も追い風になって、感度の高い企業はオンラインを活用して東京と仕事を進めていくことのメリットを感じはじめています。
1年間やってきたGoing・Going・Localのサービスも変化の時を迎え、現在、サービス名の変更とリブランディングも進めだしました。

人生をかけて仕事をしている地域の人からも、場所を超えて面白い仕事を探す人からも求められるサービスを展開していく、トレジャーフットのこれからが楽しみです。

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