エスプレッソマシン輸入販売の会社を興して20年。
今までお会いした方から一番質問が多かった「なんでこのビジネスを始めたんですか?」について話します。
弊社の名前でお分かりと思いますが、弊社はもともと家電販売店が前身です。Webの沿革にあるように、平成13年に家電販売のリアル店舗はすべて閉鎖しております。
店舗閉鎖の数年前、弊社は家電業界で生き残りの為に、関西では初(北陸地方にモデルとなる会社があり関西地区での展開を許可いただきました)となる 持ち込み修理専門の「家電修理の修理工房」を立ち上げました。
*受付で10分以内に診断し修理費用と修理完了日をお約束。予定日を遅れると1日毎に200円を返金
*どこで買った電化製品も修理する。
*生産完了などでメーカーに部品がない場合は部品を作ってでも修理する。
*ヤマト運輸と宅配を使った修理宅急便を開発
今では当たり前のサービスと思いますが、当時としては、他にはない画期的なシステムで、さらに弊社の技術力は、ある大手家電メーカーの資料館に展示している壊れたラジオカセットの修理をそのメーカーで修理できる技術者がいなくなり、弊社修理工房に持ち込むほどでした。
修理工房がオープンしてすぐにそのサービス内容と技術力の高さが主要新聞社、NHKや民放各局が大きく取り上げ海外にも配信されます。
その海外配信を見たアメリカのとあるエスプレッソマシン通販会社が、日本でエスプレッソマシンを販売したいのでその修理拠点になってほしいと弊社にオファーしてきました。
どうやら弊社よりも先にもっと大きな会社に打診したようですが全て断られ、電化製品ならなんでも修理するという記事を頼りに弊社の技術力を見込んでのオファーでした。
当時、銀座にスターバックスが日本初上陸した頃で僕も技術者もエスプレッソマシンはおろかエスプレッソなる飲み物すら知りませんでした。
しかし、大手が断ったことを田舎の零細企業がやってのけるなんてなんだか痛快じゃないですか。
昔から新事業に手を出すのが好きだった僕は、早速アメリカの通販会社からエスプレッソマシンの図面を取り寄せました。
弊社の技術力があれば問題なく修理できると判断した我々は、その通販会社と日本での修理業務の契約を結びます。
エスプレッソマシンの基本構造を調べ、技術研修を行い、扱い商品の展開図面を資料完備し、多数の部品在庫を揃え準備は整いました。
「さあ、修理品来い!」と修理品の依頼を待ちます。
しかし?。。。。。。
きません。。。。。。
とうとう1年が過ぎましたが、修理品が全くきません。
しびれを切らしてその通販会社に確認すると、1年以上たったが1台も売れていないとの返事。
エスプレッソマシンの修理業務は弊社としてはかなりの時間、人、物そして心を投入した事業なだけに途方に暮れた僕は、エスプレッソマシンの日本での自社販売を決意します。(先方にとってみたら「渡りに船」だったようです。)
決意したものの、当時の日本では商品認知がほとんどないエスプレッソマシンを店舗に展示しても売れるとは思えず、やはりインターネットでの販売しかないように感じました。
しかし、当時の日本は、まだまだネット途上国で、少し前にヤフーの検索サイトや楽天市場が誕生したニュースが駆け巡った時代です。
簡単なWEBサイトを作っては見ましたが、それからさらに2年間あまりほとんど反応がありませんでした。
これが、弊社がエスプレッソマシンを扱うきっかけのお話です。
当時は1社のメーカーをアメリカ通販会社経由で仕入れていましたから現在の取り扱いメーカー数とは規模が全然違います。
「修理」からこの業界に入った弊社には、家電販売店時代の修理技術やポリシーが現在にも受け継がれています。
新製品採用の前にサンプル品を取り寄せ、内部構造を図面と実際の両方をチェックし、安全性、使い勝手、耐久性を調べます。問題を感じればメーカーに弊社仕様で設計変更を依頼することも多々あります。
さらに、食品に触れる箇所の材質安全検査を政府指定の検査機関で行い、そうして販売OKと自信の持てる製品のみを採用OKとし、定番商品として継続販売するわけです。
定番販売となっても製品チェックは続きます。
輸入したものをそのまま販売するのではなく、入荷した全製品について1台づつ外観の点検と確認はもちろんの事、外部ボディーを開け、内部配管、電気配線の点検、エージングテストやストレステストを行い、PSE法的検査、最後に抽出テストとスチーミングテストを行います。これら一連の作業を弊社では「Daiichi品質」と呼んでいます。
「Daiichi品質」は、出荷までに数多くの工程を経ますので、経営効率を考えれば割愛できる部分があるかもわかりませんが、我々はこの「Daiichi品質」に強いこだわりとプライドを持っております。
安全基準に厳しい日本の家電業界においても修理技術に自信があった弊社だからこそ今も「Daiichi品質」にこだわりつづけているのです。
<つづく>