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『こんなに子どもたち自身の学びに対してフォーカスしきっている会社はなかなかない』(a.school社員インタビュー:石川峻)

今年の1月からフルタイム講師(新卒)としてa.schoolに参画した石川峻(あだ名:いっかわ)に対して、なぜa.schoolに入社したのか、a.schoolで講師として実際に働いてみてどうかなど、a.school代表取締役校長の岩田拓真(あだ名:いわたく)がインタビューで迫ります。

いわたく(校長):早速だけど、なんで探究学習の講師になりたいと思ったの?

いっかわ:ちょっと昔に遡るんですが、高校生の時にやりたいことが見つかったんですね。バンドマンとして夢を追いかけてこの道で進んでいきたいという。それは本当に自分の内側から湧き上がってきたものだったので、とにかく夢中になっていたんです。

いわたく(校長):その時からバンドにハマり出したんだね。

いっかわ:そうなんです。でも、そんな時、まわりに、僕の背中を押してくれる人があまりいなかったんですね。もっと前、例えば小学校の頃も、やりたいことをすごく応援してもらったことがなくて。そこで、色んな葛藤や苦しみがありました。

いわたく(校長):それは大変だったね。

いっかわ:はい。でも、そうやって何か自分が面白いなと思うことに向かって探究することで、自分自身の人生が変わっていくんだ、ということを感じられたので、よい経験になりました。そういうきっかけとなるような経験を小学生に届けたいと今は思っています。探究学習の講師って、現場で直接届けられる存在なので、いい仕事だなと思ったんですよ。

いわたく(校長):なるほどなぁ。それは、やりたいことを応援してあげるってことだけじゃなくて、好きなことややりたいことを発見するサポート、みたいなところも入るの?

いっかわ:そうですね。子どもたち自身に自分の興味を発見してもらうことにも関心はあります。僕は、情熱は探すものではなく、育むものだと思っています。そもそも自分で気づいていないだけで、誰にでも好きなことや興味の「種」はあるんですよ。ティッシュをいじるのが好きだったとか、そういう些細なことでいいので。小さい頃からそういうことは何かあって、きっと残っているはず。それにハマったっていいんだよ、全然くだらなくないよ、それを磨いていくとハッピーになれるよ、と伝えてあげたい。

いわたく(校長):明確に好きなことややりたいことが見つかる前だからこそ、それいいじゃん!面白いね!とか、応援してあげることが大事っていうことだよね。そういう存在でありたいと。

いっかわ:はい、チャレンジをする時にブレーキをかけてほしくないんですよ。ブレーキを外してあげるとか、アクセルの場所を一緒に探して教えてあげたり、そういうことに生きがいを感じていて、ライフワークとしてやりたいですね。大人に対しても、子どもに対しても、同じです。

いわたく(校長):いいね。ちなみに、a.schoolの講師になって半年ほど経ったけど、どう?学生時代から子どもたちに関わる活動は色々としていたと思うんだけど、何か変わったことはあった?

いっかわ:a.schoolのフルタイムスタッフになり、自分の人生をかけて人前に立つようになると、意識が全然違いますね。自分らしいファシリテーションとは何なのか、という哲学を考え出したりするようにもなりましたし。

いっかわ(校長):そうか、本気度が変わったんだ。

いっかわ:そうです、圧倒的に本気度が変わりました。それに、今まで義務教育で受けてきた「ティーチング(教える)」という価値観が自分の中にまだまだ残っていたんだなということにも気づかされました。a.schoolに入った頃は、そういう価値観に重きを置いている自分がいて、なかなか授業がうまくいきませんでした。だんだん授業を重ねていくなかで、子どもたちが夢中になるために自分ができることは「教える」ということじゃないんだなと思うようになって、自分のあり方が「教える」から「引き出す」に変化していった気がします。頭ではずっと「引き出す」アプローチが大事と思っていたんですけど、身体が「教える」モードになっちゃっていたんでしょうね。そういうズレが最初はあったんですけど、だんだん腑に落ちてきて、今はいい状態で授業ができるようになりました。

いわたく(校長):最初正直だいぶ硬かったからね(笑)ちなみに、今授業をしていて何が面白い?4〜5月の『なりきりラボ 法律家』が、事前の準備から含めて全面的に講師として関わっている最初のプロジェクトだと思うんだけど。

いっかわ:やっていくうちに、子どもたちのスキルアップが目に見えてわかるのが面白いですね。今回『(a.schoolで)自分の理想の状態を実現するためのルールを自分で作り出そう』というミッションに子どもたちが挑戦しているんですけど、最初は自分さえ良ければいいという感じで考えていた子が、議論を重ねていくうちに、関係者のバランスを取るように勝手になってきたんですよね。自分が考えたルールを成立させるために、様々な人の考えを聞いて、それを踏まえてブラッシュアップして、また議論をして、と繰り返していくなかで、明らかに変化をしていたんですよ。

いわたく(校長):その順番が大事だよね。最初からみんなのためにって考えすぎると、結果的に薄っぺらいルールになっちゃいがちだけど、自分がやりたいことや実現したいこと、譲れないことが明確にあって、それに向かっていく中で、行き過ぎたことや他の人と対立するところを少しずつ調整していく、というような順番だと、最終的にすごく骨太なルールになる可能性が高い。

いっかわ:本当にそうですね。でも、逆のタイプもいるんですよ。最初から遠慮してる子。優しいんだと思うんですど、他の人の視点に立ちすぎて、自分にとっての本当の理想を考えられてなくて、みんなが合意してくれそうなところから低めに考え始めてしまっていました。

いわたく(校長):無意識に抑えちゃっている子。

いっかわ:はい。そういう子に対しては「本当に君にとってこれが最高の状態なの?」と問いかけたり、「遠慮しなくていいんだよ」と伝えてあげたりして、ルールが実現した時のワクワクするような理想を考えるサポートをしました。2〜300円をもらうためのお手伝いのルールを考えていた子とじっくり話してみたら、◎◎がしたいから数千円ほしいと言うようになったり。

いわたく(校長):確かに、人によって全然違うよね。普段抑えがちな想いを引き出して上げたほうがいい子と、自分の強い想いで突き進んで色んなことにぶつかりまくるのを調整してあげたほうがいい子と。

いっかわ:大きく分けると、その2タイプになるかもしれないですねー。

いわたく(校長):ちょっと話は変わるけど、a.schoolって、働く場所として、どんな場所だと思う?こういう人にあうよ、とか。

いっかわ:自分の責任は自分で取れる人、というか、環境を越えていける人ですかねー。

いわたく(校長):環境を越える?

いっかわ:自分が置かれた環境が困難だった時に、その環境自体やその環境を設定した人(上司)について文句を言ったりとか、環境やその相手を変えようとするんじゃなくて、その環境すらも自分の挑戦と捉えて、自ら変わっていける人という感じです。そういう人はa.schoolにあうんじゃないかと思います。

いわたく(校長):なるほど。環境や他人ではなく、自分が変わる。

いっかわ:はい、創業から5年経っているとはいえ、社員が数名のスタートアップ(ベンチャー)なわけじゃないですか。こんなチャレンジすることが必然的に多い環境だと、言い訳してらんないですよ。

いわたく(校長):チャレンジする姿勢や自己成長していけるかが大事ってことだね。

いっかわ:ただ、無理をするのはよくないので、自然とそれができる人です。

いわたく(校長):学びに対する価値観やビジョンがあうっていう話だけじゃなくて、組織文化にあうかどうかもとても大事だっていう話だね。

いっかわ:はい。教育理念があっていても、そこがあわないとお互いに気持ちよく働けないので。

いわたく(校長):その通りだね、僕もそう思う。a.schoolの教育理念や、学びの場の特徴については、どう思う?

いっかわ:こんなに子どもたち自身の学びに対してフォーカスしきっている会社はなかなかないと思います。

いわたく(校長):フォーカスしきっている?どんなふうに?

いっかわ:何というか、他の要素は全て削ぎ落としているというか。例えば、社会規範やしつけみたいなものだったり、5教科の知識だったり。こうしなさい、というのがほとんどない。子どもたちの中で『a.schoolでは自由に過ごしていい』という文化が出来上がっていると思うんですよ。子どもたちに「a.schoolってどんな場所?」と聞くと「自由な場所」と返ってくることが多い。僕がこれまで関わった学びの場で一番、子どもたち目線で『自由』な学び場だと思います。

いわたく(校長):子ども主体の学び、子どもたち目線での学び、に徹底的にフォーカスしているってことか。教師・親目線で、これをやるべきだからやらせる、という方向じゃないと。

いっかわ:そうです。子どもたちが学びたいと思うことを自由に学べるという意味です。そういう環境がある感じがします。「a.schoolの3つの楽しみ方」という子どもたちもよく知っているグランドルールがあって、毎回の授業の最初にさらっと確認するんですけど、それがとても効いてきているんじゃないかなと。他人を否定する発言が基本的にないし、個性を受容するレベルがとても高いと思います。個性にとことん向き合いますよね。異質なくらいに。

a.schoolの3つの楽しみ方:①「なぜ?」「ワクワク」を大切に ②答えは色々。とにかく試してみよう ③人の「いいね」を見つけて、違いを楽しもう

いわたく(校長):へー、当たり前のようにやっているから、そこまで異質だとは気づかなかったな。

いっかわ:やるのもやらないのも自分の責任、というのが子どもたちもよくわかっていると思うんですよね。ただ放置しているのとはわけが違って、自由とは何かという考え方をきちんと伝えていますし。

いわたく(校長):なるほどね。さっき、子どもたちの力が目に見えるようについていくのが面白いと言っていたけれど、こういった文化が根付いていることがそのベースになっていると思う?力を育成させようとはしていないわけで。

いっかわ:そうですね。つながっている気がしますね。

いわたく(校長):自分を否定されなかったり、自分で選んで学んでいく自由が与えられているから、うまくスイッチさえ入ればどんどん力がついていくというか。

いっかわ:はい。だから、子どもたちが勝手に成長していく。

いわたく(校長):勝手にね(笑)確かにそういう感じだよね。

いっかわ:勝手に成長していいよ、というメッセージを言語化していなくても空気のように送っているんだと思います。こういうふうに成長しろ、とは一切言っていないですし、成長しないといけないとも言っていない。今そういうタイミングじゃなかったらいいよ、待つよ、と。そういう姿勢で接していることで、子どもたちがエネルギーを貯められて、貯まったら一気に成長し始めるということも多々あると思うんです。

いわたく(校長):確かに、ちょっと休みたい時期と、アクセルを踏んで挑戦したい時期と、あるもんね。それが混ざって成り立っているのが、a.schoolっぽいとは思うね。どちらか一方のための場ではなくて。

いっかわ:塾という形態で、短い時間ではあるんですけど、1人1人とめっちゃ向き合っているということだと思います。その子は、本当にどうしたいのか、今何にチャレンジしていて何にぶつかっているのか、など。その子がどんな状態でも受け入れる度量の深さがa.schoolにはあると感じています。

いわたく(校長):でも、個人に向き合うと言っても、個別指導ではない。十数人が一緒にワークショップ形式で学ぶのがa.schoolの基本のクラス形態。そこって何なんだろう?どういう意味や影響があると思う?

いっかわ:僕は、そこがa.schoolの特徴であり強みだと思っていますよ。探究の個別指導なら究極的にオンラインでもできると思うんですけど、わざわざ集まって一定数の集団で学んでいることには意味があると。個人にただ個別に向き合うんじゃなくて、その子が周りとどう関わり合っているか、集団の中でどう成長していくか、ということに向き合っているんだと考えています。集団の中の個ですね。

いわたく(校長):集団で個々が影響し合ったりしている場があって、その中でそれぞれの子どもたちに向き合っているっていう感じだね。「切り離された個」ではなく「繋がりあった個」というか「響き合う個」というか。あと、集団と言っても、大組織ではなくて、小さなチームという感じだから、全員の個性が際立つ環境でもある。30〜40人向けの授業だとなかなかそれは難しいけど、a.schoolは最大12名・16名のクラスだから。

いっかわ:はい。まさにそんな感じです!

いわたく(校長):では、最後に。どんな人に今後フルタイムスタッフとしてa.schoolに来てほしい?いっかわ君の個人的な意見として。

いっかわ:何でも楽しめる人ですね。苦しい瞬間も、楽しい瞬間も、一緒にシェアして、前向きに進んでいければ、どんな壁も乗り越えていけるんじゃないかと思っています。ただ楽観的という話ではなくて、どんな時も前に向かって走り続けられる人

いわたく(校長):ありがとう!

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