ソフトバンク・ビジョン・ファンドをはじめ国内外から資金調達を実施し、競合のスタートアップ企業を買収、アジアや北米といった海外への進出など、挑戦を続ける株式会社SODA。
CEO/創業者の側近として経営・事業戦略の立案を行い、事業の成長と加速化を進める経営企画部のマネージャー・山本氏にインタビューを実施。
海外展開やスウィングバイIPOと、今後さらなる発展を目指すSODAの舵取りを期待される部署で得られるもの、SODAの経営企画という仕事だからこそできる経験について、山本氏に語ってもらう。
大手証券会社勤務からスタートアップ企業に挑戦
—山本さんは、SODAが2社目の会社だと聞いています。前職は大手証券会社に勤務していたとのことですが、お仕事は何をされていたのでしょう?
山本:所謂投資銀行業務に従事しており、M&Aアドバイザリーの部署で、企業間の売買のお手伝いを行っていました。業務は多岐にわたり、例えば、企業の買収を検討されている会社に対して、適正な購入価格の算出を行ったり、買収先企業を事業的・財務的に分析したり、契約書の作成をサポートしたりといった具合です。
—やりがいのある業務だったのではないでしょうか?
山本:そうですね。まず、とにかくやることが多い会社でした。業界全体に言えることかもしれませんが、私がいた会社では朝10時に出社して、翌朝の4時にタクシーで帰宅するといったことも珍しくなかったです。
—とても多忙な環境だったのですね。転職を考えられたのも、その部分が関係したのですか?
山本:いえ、仕事が辛くなったから転職をしたいと思ったのではなく、3年間ほど務めてきて、「どんな仕事が必要で、どのように業務をこなせば良いのか」、段々と理解できるようになってきたのがきっかけの一つになります。この先も今の仕事を続けていく中で、将来、「私がどのような人材になるか?」が想像できてしまったんです。それならば、「他に何か可能性があるのではないか」と思い、転職を考えました。
—そして、SODAに入社するわけですが、大手証券会社とスタートアップの企業では接点がないように感じます。
山本:転職を考え始めた当初は、「金融の仕事を違う角度でやってみても面白いかな」とか「投資ファンドも良いかな」といったことを考えていました。そんな時、知人を介して、SODAのCFOを務める小泉と知り合ったのです。彼は私と同じ会社の出身で、同じ仕事をしていたということから、「こういうキャリアを歩んでいる人もいるんだよ」といった形で紹介を受けました。実際に小泉と会い、話を聞いてみたのがSODAを知るきっかけだったんです。
—キャリアに関しては様々な選択肢があったと思います。最終的にSODAに転職する決め手は何だったのでしょう?
山本:一言で表すと「今しかできない経験が積めると思ったから」ですかね。同じ金融業界やメーカー、事業会社などの選択肢は確かにありました。ただ、それらの企業に入社したら、自分の次のキャリアがだいぶ決まってしまうのではないかと想像したんです。例えば、金融機関なら金融畑を歩いていくだろうし、事業会社ならそこで出世していったり……ということですね。もちろんそれも良いけれど、私は「自分が何をやりたいのか?」を見つめる時間がもう少し欲しいと思いました。その考えから、これまで取り組んだことのない切り口で数字だったり会社を見られるスタートアップは、すごくいい経験ができるだろうし、そんな環境にトライできるのは若いうちじゃないと難しいかもしれないと感じたのです。
—ですが、スタートアップはSODAの他にもたくさんあります。
山本:まず、SODAはスタートアップの中でもネームが知られていて、ビジョンファンドも絡んでいるから安定性がありました。また、私はそれまで法人相手の仕事をしていたため、もう少し「人々」に寄り添った業務に携わりたかったんです。SODAがやっているCtoCは、まさに個人対個人の取引で、何をやっているのかがわかりやすいですし、肌感を持って業務ができそうだったので、SODAを選んだ形です。実際、入社後には韓国のKREAM Corporation(以下、KREAM)との提携という、スタートアップの立場からのM&Aに携わることができ、非常に面白い経験ができましたので、入社して良かったと思っています。
—入社前と入社後でギャップはありませんでしたか?
山本:それはなかったです。私は経営企画の社員第1号で、小泉から「山本君の好きなようにやってみてよ」と言われていたこともあり、自分の思った通りに仕事を作っていけたからですかね。とはいえ、「経営企画をどうやってやるのか?」の確たるイメージがないまま入社をしたので、「SODAのためにどうあるべきか?」の道筋を考えていくのは、今でも難しいと感じています。
経営企画の視点から見る、SODAの可能性
—今、山本さんはどのようなお仕事をしているのでしょうか?
山本:いくつかありますが、一つはビジネスのことを考えていくといった事業面の切り口の業務です。例えば「スニーカーやトレーディングカードの市場規模はどれくらいだろう?」から、「その市場にお客様がどのくらいいて、売上がどれくらい立つのか?」「競合企業がどれだけ売り上げていて、どんなアクションをしているか」などを調べて、「では、SODAは何をやっていこうか」というところに落とし込み、考えていきます。今やっている市場に新しいやり方で切り込んでいくのも仕事ですし、今はまだやっていない市場のポテンシャルを見出し、SODAとの親和性の検討、そしてそれを主導していくことも私が担う点になってきます。
—様々な業務を担当しているのですね。
山本:SODAの強みは鑑定のサービスが付いたCtoCフリマサービスにあって、その軸さえ活きていれば、業界にとらわれず色々なチャレンジができます。他企業を例に上げると、メーカーなら機械、自動車なら車と、扱う商品領域が大体決まっていますよね。でも、SODAならプラットフォームに載せられればOKといった部分があって、市場を広く見渡して使えそうなものを発見し、自分たちのサービス上で形にしていくことができる。経営企画としての業務はSODAが初めてではありますが、他にはない面白さだと実感しながら日々仕事をしています。
—経営企画の視点から、SODAで扱うアイテムの市場の成長性をどのように感じていますか?
山本:まず、スニーカーに関してはシェアを確立していると考えています。「スニーカーを買うならスニダン」というのは、スニーカーヘッズの間では根付いてきているのではないでしょうか。一方で、トレーディングカードの市場では、「スニダンで買うといいよね、安心だよね」の想起には至っておらず、これからさらに伸ばしていける部分です。特に、カードゲームは成長市場であるため、フックをかけることができれば、伸びる余地はかなりあるはずです。
—伸びのお話ですと、SODAが運営するHYPE DROPのファッション業界、また、フリマアプリの市場も今後に期待ができそうです。
山本:そうですね。ファッションは市場規模がすごく大きくて、お客様が「スニダンで洋服を購入する」という発想は、一部の人気ブランドでしか持たれていないと思っていますので、HYPE DROPで扱うブランド数を増やしつつ、時計やバッグも取り扱っているということをきちんと発信していくことが必要です。今はまだ、「氷山の一角の一角」ほどしか触れられておらず、すごく大きな市場が取れるポテンシャルがあります。フリマ市場も同様で、特にハイブランドの領域では、「事業者が一度店舗等で買い取ってから販売する」いわゆるCtoBtoCと言いますか、まだまだBが絡む業態がすごく多いです。今、これらが少しずつ「間を介さず、フリマアプリで直接売ったほうが安いし早いのではないか」といった方向に変化してきていて、SODAにとって良い流れになってきている感触があります。
経営陣と気軽に意見交換ができる、SODAならではの環境とは
—そうした市場を伸ばしていく業務を、経営陣の側近として行える仕事は充実しているのではないでしょうか?
山本:スピード感のある会社の中でも、経営企画の意思決定は特に速いんです。レポートラインはCFOの小泉に繋がり、そのすぐ後ろには代表の内山がいて、私を含めて3者で「今後、こういうことがありそう」などを、ざっくばらんに話すことができています。話した内容をある程度揉み、検証を加えて方向性を見出し、数日後には会議体に持っていきそのまま判断するという、意思決定のスピード感も体感できるポジションです。
—2人と共に会社の方向性を決めていくわけですが、日常的にお話はされていますか?
山本:はい。コミュニケーションとしては、とにかくなんでも話します。仕事の話はもちろん、フランクに「ちょっとこのアプリを見てみてよ」だったり「ご飯行こうぜ」といった具合に、色々な形でコミュニケーションを取っていて、ビジネスライクという雰囲気は全くありません。まずは、それぞれが思ったことを口に出して喋ってしまおうという感じでしょうか。
—経営の軸を決めるという責任感のある業務でも、堅苦しい環境で仕事をするわけではないということですね。
山本:内山、小泉と両名に言えることとして、人当たりの良い性格でコミュニケーション能力に長けた人物です。仕事のことに関しては、2人とも論理的ながら優しい口調で芯を食った正確な意見をくれます。そういったコミュニケーションは楽しく、働きやすいと思っています。
—経営陣とフランクに意見交換ができる場は、大企業出身の山本さんにはあまり経験がなく、ご自身も働きがいを感じているのではないでしょうか。
山本:SODAは今後、時価総額1,000億規模のスウィングバイIPOや海外展開といった目標があり、それを経営陣である内山、小泉と共に作っていけるのは、経営企画ならではの醍醐味ですね。しっかりとした意思、リーダーシップや判断力を持っている彼らとの会話の中で、日々刺激を受けながら、新しいものを考えて、作り上げていっているという感覚があります。
—そうした刺激を楽しめる方と、SODAの経営企画部の親和性は高そうです。
山本:今、経営企画は視点を増やしていきたいフェーズです。絶対にやらなければならないことがあるというよりも、未来のことを検討し、その時々に合わせたフレキシブルな仕事が求められる部署だからこそ、そこに対してのマンパワー、様々な角度からのアイデアがたくさんあれば、企画を練っていくレベルが高まるからです。私も自身のアイデアが却下される場面はよくあるのですが、頭ごなしではなく論理的に指摘をされるので、失敗を活かして思考をしたりと、次の仕事に繋げられています。結果も大事になりますが、「作る」「考える」部分の過程もすごく楽しく、これから入社される方にも肌で感じてもらいたいところです。
—経営企画の経験がなかった山本さんも、SODAに入社してから成長を感じているのではないですか?
山本:これまで私が持っていなかったスキルの面で言うと、物事を広く見られるようになったり、「会社やそこで働く人たちのことを意識して何を考えるか?」の視点が身についたと感じます。前職では、目の前の業務に取り組み、無事に終わらせるのが仕事でしたが、今はそうではなく、会社の今後と将来を見据えて、そこに向かっていくために何をすべきかを大局的にとらえる必要があり、経営陣だけでなく、我々が見つけてきたアイデアの種を各部署のマネージャー陣に共有しキャッチボールをして会社の進むべき道を決めるといった仕事も、経営企画の役割です。多くの人と関わるからこそ、自身も成長したのだと思います。
若い感性を持ったアイデアマンに来てもらいたい
—先ほど、入社後に学んだスキルについてお聞きしましたが、反対に入社前にどのような経験があれば、SODAの経営企画部で活躍できるとお考えですか?
山本:事業分析の面では、市場環境の調査などをやっていた方はすぐに活躍できると思います。我々が今後取り組んでいくスニーカーのCtoCサービスは、「市場規模が何億円ある」と誰かがまとめてくれた世界ではなく、自分たちで「スニーカーの市場はこれくらいあって……」「CtoCをやる人はこれくらいいて……」と推定していく必要があるからです。私も前職でこれらの仕事をやってきたので、仮説ベースでロジックを持って市場規模を考えられる方は、即戦力になるのではないでしょうか。もう一つも、証券会社やコンサルティングファームなどでの経験と近くなってくる部分で、会社のことを財務分析できる素養のある方ですかね。自社のKPIや事業計画を作っていく際、「今はこの数字がこう動いているから将来はこう動いていくだろうな」や「そう動いた時に売上高がどれくらいになり、利益がこのくらい残るだろうな」と、シミュレーションするのも経営企画の仕事なので、数字的知見、会計などの知識を持った方ならば活躍できると考えます。
—それらのお仕事は、若い方でもこなせるものなのでしょうか?
山本:経営企画は、常に「何か種はないか」と血眼になって探す仕事で、目も手も使っていきます。また、スニダンはサービスの特性上、若いお客様が多く利用しているため、むしろ同じような感性を持っていて柔軟性のある若い方の方が"刺さる"サービスや事業を考えられるのではないでしょうか。
—経験よりも、ポテンシャルや感性が大切になってくるというわけですか。
山本:もちろん、経営企画の経験があるに越したことはないものの、新しいことをたくさん考えて実行する部署なので、経験はマストではありません。荒唐無稽でも全く問題ないので、まずはアイデアを出してくれる方が望ましいです。そのアイデアを経営陣と揉んでいく方が互いの刺激も増えますし、会社としても右肩上がりの成長に役立つはずです。
—先ほど、刺激を楽しめる方との相性が良さそうだというお話をしましたが、SODAの経営企画は、山本さんのような経験をお持ちの方とも非常にマッチしそうだと感じました。
山本:今、かつての私のように、今後のキャリアについて迷われている、金融業界で働く若い方もいるかと思います。SODAは足許ダウントレンドとも言えるスタートアップの世界において、着実に成果を上げている会社で、数字面で言うと、KREAMと提携をした際に公表した評価額は530億円と、その2年前に出した数字である390億円から成長を遂げています。今後、さらに伸ばしていく展望もあり、ますます大きな会社になっていくでしょう。その会社を押し上げるきっかけは経営企画のアイデアから生まれる可能性も非常に高いですので、金融業界での経験と「自分が1,000億円、2,000億円にするんだ」といった前向きさ、気概のある方にとてもマッチすると思っています。
—とてもチャレンジのしがいがあるポジションですね!ちなみに、山本さんご自身は、金融業界からの転職でカルチャーに戸惑いを感じたりはしませんでしたか?
山本:前職ではスーツ勤務でしたので、面接の際にスーツでSODAに来たら浮きましたね(笑)。入社後も、半年くらいはファストファッションで通勤していたのですが、それに対して何かを言われることはもちろんありませんでした。私はスニダンというサービスに触れていく中で、ファッションやスニーカーに目覚め、入社前と比較するとだいぶ見た目が変わりましたが、その変化についても受け入れられるというか、「山本は山本」と、一人の人間として接してくれる会社だと感じています。SODAはどんな人でも受け入れて、その人が活躍できるという印象なので、自分の軸を持っていたり、「SODAに染まり切りたくない方」でも、そこは問題なくやっていけるはずです。あくまでも軸は会社の成長、仕事に対するやりがいといったポジティブなものなので、そこを持っている方はギャップもなく働けるのではないでしょうか。
—山本さんのように、入社前と入社後しばらくの間ファッションに関心がない方でも、会社の前線で活躍ができるんですね!
山本:私の場合、会社に入って「スニーカーってかっこいいじゃん」「トレーディングカードって面白いじゃん」と意識が変わってきたので、現在スニーカーなどに接点や関心がなくても、適性がないわけではありませんね。私は前職で革靴を履いていたので「スニーカーとはなんだ?」という感じでしたので(笑)。それよりも、「プロダクトが好き」という部分が大切かもしれません。細かいことを理解しているかどうかより、日常的にフリマアプリなどを使っていて、触れることに抵抗感がないことです。そうしたサービスに触れている方は、気付きのタッチポイントが多くなりますので、重要な点だと感じます。
—入社してから、ご自身がやり遂げた印象に残っている仕事は何かありますか?
山本:入社して1年が経ちましたが、最も印象深いのはトレーディングカードのオリジナルパック(オリパ)を始めたことですね。これは、まさに経営企画がトレカ業界を分析して、「こういうサービスもあるんだ」と、種として持って帰ってきたのが始まりでした。それを、各部署を巻き込みながら「SODAのサービス上で形にできるのだろうか?」と考えたり「サービスの開始に伴うリスクに対して、どのように対処していけばいいのだろう?」と、会社で働くみんなで思考して、オリパのサービスが誕生した経緯があります。自分のアイデアが形になるまでの間に、色々な人と関わりながら伴走できたのは非常に印象深いですし、実際にサービスが開始されてユーザーに楽しんでいただけたのもすごく嬉しい瞬間でした。
—KREAMとの提携に関わったり、トレカの新規事業を行ったりと、入社1年で大きな仕事を複数経験されていて羨ましいです。
山本:私から一つ言えるのは、「若いうちから安定を取るのはまだ早いし、もったいない」ということです。確かに、前職の金融の世界は、安定した給与や福利厚生も整っていました。ただ、当時はお金と引き換えに仕事のやりがいを失っていっている感覚を持っていて、周囲にも同じような考えの人がいたんです。そう思っている人たちが次に何をやるかと考えた際に、SODAは良い環境だと思います。スタートアップならではのスピード感を持って、新規事業の創出やKREAMと連携しての海外進出等、新たな成長の種に取り組んでいき、その後スウィングバイIPOを目指すという、これから飛躍的な成長を遂げていくフェーズに入ってきている会社だからです。ここにコミットしていくのは、ご自身のキャリア的に物凄く価値のある経験となるのではないでしょうか。
—今後、さらに大きな仕事をしていけるということですね。
山本:はい。IPOを目指している会社は世の中に多いものの、SODAの場合はスウィングバイIPOの形で、他の会社の子会社になったうえでIPOするという、最近例が上がり始めた特殊なケースです。しかも、親会社は海外のスタートアップと、こちらもまたかなりユニークです。時価総額1,000億規模のIPOにあたってはハードルはありますが、逆に今、SODAでしかできない経験で、そういう意味でも、これから入社される方には「自分がJOINして何ができるのか?」を考え、楽しんで仕事をしてもらいたいと願っています。
—最後に、これから山本さんと共に働く方にメッセージをお願いします。
山本:できて日が浅い組織なので、社歴に関係なく、一緒にこれからの経営企画を作っていきたいです。今、私がやっている業務は、あくまで私個人の発想からなっているもので、一人歩きしてしまっている部分もあると思っています。これから入社される方には、ぜひ「こういうことをやりたい!」と、熱い気持ちをぶつけてもらいたいですね。必ずしも僕のやり方に従う必要はありませんので、一緒に「経営企画はどうあるべきか」を考え、共に良くしていきましょう!