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金融×デジタルに挑む現場の思い、デジタル・カンパニーのキーマン対談

金融×デジタルに挑む現場の思い、デジタル・カンパニーのキーマン対談

野村グループのデジタル化をけん引する「デジタル・カンパニー」は2022年4月に設立され、DX(デジタルトランスフォーメーション)人材を積極的に採用しながら様々なプロジェクトを遂行しています。デジタル・カンパニーの現状とこれからを、デジタル・カンパニー長の池田肇とデジタル戦略部長の林周仙、デジタル戦略部戦略企画課長の岩本卓也の3人にたずねました。

ビジネスモデルのトランスフォーメーションを

――「デジタル・カンパニー」は2019年4月に立ち上げた「未来共創カンパニー」を改組して設立されました。今回の改組はどのような経緯や思いがあるのでしょうか。

池田:未来共創カンパニーは「お客様と共に理想のサービス、未来を創り続ける」をビジョンに掲げてスタートしました。私自身、8年間グループ広報を担当し、金融に関わる社内外の様々な方々にご意見を聞く立場でしたので、「自分たちに足りないものがあるな」「環境が変化する中でビジネスモデルの変化が必要だ」と思いました。我々が持っている強みを生かせば、お客様により良いサービスを提供できるんじゃないかと考え、覚悟をもって新しい部署の設立を提案したのが最初でした。

今はデジタル・カンパニーになりましたが、根っこにある「より良いサービスをお客様と共に作る」という思いは変わりません。お客様が我々のサービスをお使いになり、不満があればご意見をいただく。双方向でサービスを改善していくことが、デジタルに限らずサービス作りの基本だと思っていますから。ただ、未来共創カンパニーはラボのようなイメージがあり、実験的な取り組みでした。設立から3年経ち、ある程度成果を出して、よりビジネスを推し進めるためにデジタル・カンパニーと名前を変え、DX人材の積極的な採用を始めました。


――デジタル・カンパニーではどんな挑戦をしているのでしょうか。

池田:すべての分野にDX、DXというよりもビジネスモデルのトランスフォーメーションが必要だと考えており、ある程度絞るなら二つです。

一つは2,000兆円を超える日本国内の個人の資産運用に関わるサービスです。主に個人のお客様にサービスを提供する営業部門は、対面を前提とした人を介してのサービスが中心です。しかし、これほどスマートフォンが人々の生活と密接に関わっているわけですから、スマートフォンを活用しない手はないです。もう一つはデジタル・アセットを活用したこれまでとはまったく異なる新しい金融サービスです。デジタル・アセットはもしかしたら金融をディスラプトするかもしれません。ですが、大きな可能性がある領域です。新しいサービスを提供するには時間がかかるし、進めていくにはかなりの力がいります。だから新しい部署として、デジタル・カンパニーがけん引していきたいと考えています。


――デジタル・カンパニーがこれまでに実現してきたこと、また、これから挑戦していきたいことを教えてください。

池田:前述したとおり、スマートフォンが人々の生活に欠かせないものになっています。そこに我々がいるかどうか、です。カスタマージャーニーに応じて、サービスをスマートフォン上で提供できることが一番のポイントだと考えています。

資産運用であれば、自分はどれだけ資産を持っているか、全体の資産を把握するのがスタートラインです。預金や有価証券、不動産、保険、年金、住宅ローンなどすべての資産を一元管理できる資産管理アプリ「OneStock(ワンストック)」を開発しました。理想の運用をするには情報が必要になります。そこで投資情報アプリ「FINTOS!(フィントス!)」を活用していただき、自分のポートフォリオを見直しながら資産運用アプリ「NOMURA(ノムラ)」でスムーズな取引をしていただけます。

2023年2月にはお持ちの資産に必要な情報をお届けする、資産情報メッセージアプリ「Follow UP(フォローアップ)」をリリースしました。担当者一人あたりに何千人ものお客様がいる中で、すべてのお客様の状況を理解して連絡を差し上げるのは現実的ではありません。それはデジタルが得意とするところです。担当者のサポートは継続した上で、隙間を埋めるようにスマートフォンを通してサービスを提供していきます。「NOMURA」と「Follow UP」は野村證券に口座をお持ちの方がご利用いただけますが、「FINTOS!」と「OneStock」については口座をお持ちでなくても使っていただけます。


また、2022年7月にはマーケティング部を立ち上げました。お客様に対して一斉に情報を発信するような従来型のマーケティングではなく、個々のお客様に合った情報にカスタマイズして発信していきます。我々は証券会社に対するお客様の期待を超えていかないといけません。そのレベルを上げていくことが我々の直近1~2年のミッションです。

金融人材とDX人材と外部スタッフで一体感を

――これらの挑戦に対して、課題やハードルとなっていることがあれば教えてください。

池田:二つあると思っています。まず一つは、挑戦には失敗がつきものだということです。失敗しながらも挑戦を続け、最終的に成功する。そういうカルチャーを醸成することが必要になります。もう一つは、人の部分です。デジタル・カンパニーは、プロパーの金融人材、キャリア採用で加わったDX人材、アドバイザーや業務委託の外部スタッフ、この三者が1:1:1のバランスになっています。一緒に事業を進める価値を見出し、失敗することもあるでしょうけど、成功体験を積み重ね、共有していくことが大切だと思っていますし、これからの課題だと感じています。

林:私も二つあります。一つ目は、そもそも野村グループが手掛けているビジネスのスケールが大きいだけに、新しいサービスを作ったり、お客様に新しい価値を提供しようとしたりしなくても、会社としてビジネスが成立してしまうことです。特にデジタルサービスは常に進化し続けているため、決まったゴールがあるものではありません。お客様に新しい体験をしていただけるサービスを届けられるよう、常に問い続け、乗り越えていかなければなりません。

二つ目は、日本の証券ビジネス全般に言えることですが、日本の金融は銀行に依存した間接金融の割合が高いことです。資金を必要とする企業と投資家を直接結ぶ機能を大きくしていくことが我々の挑戦であり、課題と思っています。金融サービスのあり方自体、世代やテクノロジーが変われば姿を変えるもの。デジタルサービスを通じて野村を選んでいただく、それが課題でありハードルであり、超えていくミッションだと思います。

岩本:2人の話に加えると、私自身、2020年にキャリア採用で入社した中で、課題にもハードルにも感じているものは「チームアップ」なのかなと思っています。対面営業中心の会社から、デジタルを活用していく会社へシフトしていく中で、野村ならではの金融人材とDX人材の組み方を見つけることが、私自身の課題だと思っています。組み方は一つではなく、様々なパターンがあるでしょう。デジタルやテクノロジーに強い人材を採用して、いかに一体感を生み、提供価値に昇華させていくかというのが、一番やらないといけないことです。

「金融機関の非常識」に危機感を持って突き進む

――デジタル・カンパニーにはどんな人が多いでしょうか。

岩本:デジタル・カンパニーはある程度大人な組織構成だと思っていまして、不可実性が高い環境に対しても、自分で考えて対応できるスキルやベースがある方が比較的多いと思います。キャリア採用で入社した者には、ネット証券など金融経験者もいるんですが、ベンチャー企業や広告代理店、新聞社、起業経験者など金融を経験していない人も多いです。


――一方で、プロパーの方でデジタル・カンパニーに来た人はどんな人が多いでしょうか。

林:現状の野村グループのビジネスだけではいけない、新しい次の柱となるビジネスを作っていかなければならないという問題意識、使命感を持っている人が多いです。特に変化に対して柔軟性があり、変化を楽しめる人材が多いかと思います。

――最後に、これから応募を検討いただく人にどんなことを期待していますか。

池田:「こういうことをやるべきだ」を持っている人ですね。エンジニアやマーケティングなどいろいろな職種がありますが、職種の枠を超えて、プロアクティブな意思を持っている人に来てもらえると組織が活性化します。そもそも、金融機関自体が顧客目線ではない部分もあると思うんです。多くの銀行や証券会社はその地域の一番いい場所に店舗を開いて、15時や15時30分に閉めます。金融機関の常識が世の中の非常識ということもあります。「ここが変だ」と危機感を持って行動でき、「こうすれば解決できる」というパッションがある人に来てほしいです。


池田 肇(いけだ・はじめ)

野村ホールディングス株式会社 執行役員
デジタル・カンパニー長兼営業部門マーケティング担当

1990年野村證券入社。営業、人事、投資銀行部門に勤務した後、グループ広報部長に。8年間のグルー
プ広報部長・担当役員時代に、広報、広告宣伝、ESG、金融経済教育、東京2020オリンピック・パラ
リンピック、社史編纂等に関わる。2019年4月より新設の未来共創カンパニーでカンパニー長を経て、
2022年から現職。

林 周仙(はやし・ちかのり)

野村ホールディングス株式会社 デジタル戦略部長

2004年野村證券入社。東名阪中心にウェルス・マネジメントビジネスの顧客対応・企画担当として、事業法人向けのビジネス企画と特に非上場会社向けビジネス開発・推進業務に従事。2018年金融イノベーション推進支援室長、2019年未来共創推進部長を経て、2022年から現職。

岩本 卓也(いわもと・たくや)

野村ホールディングス株式会社 デジタル戦略部 戦略企画課長

2013年Webシステム開発会社に入社し、ソリューション営業として経験を積んだ後、2015年にWebサービス企業に転職。新規事業の立ち上げ、大企業の新規事業開発やサービス成長支援に従事。2020年に野村證券に入社し、未来共創推進部にて新規事業開発案件のPMを担当し、2022年よりデジタル戦略部で戦略企画業務を担う。

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