当社の建築設備機材部で、営業事務として活躍する坂田佳菜(さかた・かな)さんにインタビューしました。
空いた時間にイラスト書いてます
ーー今日はインタビューに応じていただき、ありがとうございます......あれ?手帳になにやらキャラクターのイラストが描いてありますね。アニメか何かのですか?
いえ、私のオリジナルです。中学のころから手帳などにこういったキャラクターを書くのが癖になってまして。
ーーすごくかわいいですね!美術部や、もしかしたら美術系の大学に行っていたんですか?
ありがとうございます。美術部に所属したこともありませんし、大学は一般の四年制の大学です。こういったイラストは好きで続けているんですが、中学は友達が多かったので演劇部に入り、高校は父と姉がやっていたこともあって硬式テニス部にいました。
演劇は中学だけ、硬式テニスは高校だけで、結局今は個人的にやっていたイラストが残って続いていますね。せっかくだから、何かに生かせないかな?とは思っています。
コンビニの観察日記から、マーケティングに興味を持つ
ーー大学ではどんな活動をされていたんですか?
大学は経営学部でマーケティングのゼミに入りました。もともとコンビニの商品を眺めるのが好きだったんです。コンビニは毎週火曜日に新商品が入ってくるんですよね。どんな商品が入るかを観察して日記にまとめたりしていました。そこから商品開発、そしてマーケティングに興味が移っていったんです。
ゼミでは年に1回、実際にメーカーさんから出される新商品の製品開発のプレゼンテーションをしていました。某大手化粧品メーカーと連携して、シャンプーの新商品を考えました。市場調査からコンセプト、パッケージから販売広告戦略まで考えてプレゼンしたんですよ!
ーー本格的ですね!実際に採用されたんですか?
残念ながら、採用はされなかったんです。ただ、このときに出したパッケージ案が薄紫色だったんですが、あとで紫色のパッケージの製品が出たんですね。商品開発に携われたような気がして、ちょっと嬉しかったです。
ーーそうなると、当然就職活動は広告業界ということになりますよね?
いえ、まったく別の業種の、音楽・映像ソフトのレンタルや販売を手掛ける会社に就職しました。
商品開発への興味から、日経トレンディが毎年発表しているヒット商品ランキングは必ずチェックするようになり、次第にエンターテインメントに興味が移ってきたんです。その結果、「どんな仕事をするか」よりも、新しいもの、流行りのものに「面白いことができそう!」とノリで決めました(笑)
就職して順風満帆!と思いきや!?
ーーまさにキャリアウーマンを地でいく感じですね。その会社ではどうでしたか?
かなり頑張って仕事をしました。本社とフランチャイズ店舗との間に入り、店舗に対して運営方法を指導するコンサルティングのような仕事をしていました。店舗オーナーを集めて行う勉強会の講師になったり、入社1年目の仲間だけで百人単位の規模の会議体を運営したり。
ーー順風満帆を絵に描いたような働きっぷりですね。
世間で言う「人生のレール」になんとか乗れた!と思っていました。4年くらい経ったときのこと、会社が取り扱っている商品のマーチャンダイジング(※)部門へ異動の辞令が出ました。
※マーチャンダイジング・・・自社商品の販売方法等を戦略的に計画すること
ーーマーケティングに興味があった坂田さんとしては、腕の見せ所ですね!
それが、この異動が原因で私は「キャリアウーマン」への道から離れていくことになります。異動先の部署でコミュニケーションが取れなくなってしまったんです。
ーーコミュニケーションが取れない?どういうことですか。
配属された部署は、悪い意味で「各自が責任をもってやる」という雰囲気で、部署の先輩にも相談しづらい環境でした。ちょっとでも質問をしようものなら「質問で私の時間を取らないで欲しい」と返ってくるようなものだったんです。
それと、ちょっとしたことや、その人の価値基準でしかないようなことでも注意されました。「あなたのためを思って」ということだったのかもしれませんが、何を言っても詰められるので、私は会社でしゃべることができなくなってしまったんです。
ーー「コミュニケーションが取れない」とは、そんな状態だったんですね。
はい、何を話すのも怖くなってしまって・・・。会社に行くのがしんどくなってしまいました。
「人生のレールから外れた」
ーー会社で話すことができなくなってしまった坂田さんは、どうされたんですか。
私、学生の頃もズル休みってそれまで1回もしていなかったんです。それが、本当に無理になってしまい、会社の最寄り駅で降りられなくなってしまって。心療内科に通院するようになり、最終的には長期のお休みを取りました。
ふとしたきっかけで人生ってこうも変わるのかと思いました。私の姉が勉強もできてとても優秀なので、つい比べてしまい「私は人生のレールから外れてしまった」と考える毎日でした。
ーーつらい時期でしたね。
はい、半年くらい何もできませんでした。でも、人間って不思議なもので、時間が経つと少しずつ回復してくるんです。「自分って、何がしたいんだろう」「等身大の自分って、もしかしたら思っているのと違う?」と気が付き始めました。
そこで、演出家の蜷川幸雄さんがみている若手俳優育成プロジェクトのオーディションを受けたんです。
ーー!!!展開が急すぎて、頭が追いつかないんですが!
もともと演劇に興味があり、人前で何かをすることは嫌いじゃないって分かり始めたんです。そして何より、オーディションを受けるという行動を自分で立ち上げて、結果は落選だったんですが、やり終えた実感みたいなのが私に自信をつけてくれたんです。
あれから7年。ネミーにいる理由。
ーーその後、就職活動を始めてネミーに入社したんですね。
以前のキャリアウーマン志向は影を潜めて、会社勤めでコツコツやるような毎日を送りたいと思うようになり、縁あってネミーに入社して7年経ちました。
ーーマーケティングもエンタメも関係ないネミーになぜ7年も?
周囲の人たちとの関係性ですね。「人がいい」「自分の意見を言いやすい」というネミーの社風は、今の私の中では仕事環境としてはとても優先度が高いです。ネミーでは当たり前ですが、部長に直接意見を言えて、それを真摯に聞いてくれて、ダイレクトに日々の業務や経営に反映されることって、そうそうないんじゃないでしょうか。
ーーそういえば、ネミーの全体会議でも手を挙げて質問をされていましたね。
もともとは「人前に出るのは恥ずかしい」「差し出がましいようで遠慮すべきかも」という気持ちがありました。でも、日々の業務の自分なりの気づきがあって、それを周囲の人が聞いてくれる環境だと、次第に「そういうことを言ってもいいのかな?」と思うようになりました。
そうして落ち着いて安心して働けるようになると、自分の長所が見えてくるようになるんです。「私、人前で話すの苦じゃない」「ちょっと描いてみた絵の評判がいい」とか。会社にいけなかった時期は長所になんか気付く余裕すらありませんでした。
ーー自分を生かせる方向に進んでいっていますね!これからはどうしていきたいですか?
これからは、今培っている仕事のスキルはもちろんのこと、自分の得意なこと・長所を生かしたこともやっていきたいです。
ーーありがとうございました!辛い時期を乗り越えて前向きになった坂田さん、今後どうなっていくか楽しみです!