今日は、起業に至った思いや、やろうとしている事業に至った思いを記録しておきたいと思います。
所謂ポエムというやつです。
Googleで「ポエム」と入れるとSuggestで「黒歴史」と出てきますが、そもそも記録に残されないものは歴史にもならないので、敢えて目をつぶって書きたいと思います。
なぜ起業したか
起業のきっかけ自体は、共同創業者のCEOに誘われたことでした。
一緒にやってみようと思うまでに悩んだか、ですが、正直そんなに悩みませんでした。自分のやりたいことに合致していればやってみよう、というくらいでした。
深く考えなかった、というわけでもなく、前々から考えていたことがあったためです。
僕が学生時代にやっていたアルバイトや、新卒で入社した大企業は、
一定のタスクをやりながら一定の時間をやり過ごせば一定のお金をもらえて、もらえるお金はどうタスクをやったのかという過程に依存しない
という世界でした。
同一労働同一賃金というほどではないけど、その変動幅は少なくとも人生に影響を与えるようなものではありませんでした。
僕は新卒で大企業に入社し、転職先も、職種は大きく変わりましたがやっぱり大企業だったので、
少なくとも僕が走ってきた人生のレールの周りは、そういう世界にあふれていました。
で、これにずっと違和感がありました。
違和感の正体は、貧弱な僕の語彙ではなかなか良い言葉が浮かびませんが、今のところ生きてる感の欠如という言い方が近い気がしています。
先人が作り上げた資本主義経済のシステムはよくできていて、意識しないと、同一労働同一賃金の世界に取り込まれる。
でも本来は、自分の仕事にどれだけの価値があったか、に対して対価が支払われるべきで、とくに大企業で働いていると、自分のやったことの価値が対価に対して影響を与えた度合いが滅茶苦茶小さくなる。
起業すると、この「自分のやったことの価値が対価に対して影響を与えた度合い」が滅茶苦茶大きくなるので、下駄を履きまくっていた人生を送っていた人間にしてみれば、まあ最初はきつい思いをする。
でもしばらくすると、システムが出来上がっていない世界ではこっちの方が当たり前だし、少なくともこっちの方が「生きてる感」があるな、と納得感を得て、また頑張ろうと進む気持ちになるんだと想像しています。
というわけで、ずっと感じていた違和感を払拭するために、起業という道に進んでみることにしました。
先人が作り上げた経済システムの素晴らしさを実感することになるのか、自分のやったことの価値を社会に伝えることができドヤ顔しているのか、未来はどちらに転ぶかわかりませんが、
最後は、僕にとって一番大切な人である妻が後押ししてくれた、のが決定打でした。
何をやろうとしているか、なぜやろうとしているか
やろうとしている事業は、一言で言うと、
データサイエンティストと、データサイエンスを活用する人を繋ぐコミュニティプラットフォーム
です。
より具体的に言うと、
- データサイエンスコンペティション
- データサイエンティストが自分のモデルを戦わせて、最も良い性能のモデルをクライアント企業が手に入れ、データサイエンティストは名誉と賞金を手に入れる
- データサイエンスQA
- 孤独な戦いを強いられがちなデータサイエンティストや企業のAI事業開発担当者が、各々の専門知識・ドメイン知識をシェアして課題を解決する
- データサイエンティストの求人メディア
- 何かと多くを求められ、実は様々な専門分野の集合体であるデータサイエンティストが、適切な解像度のマッチングで次のキャリアを見つけられる
の3つをサービスとして考えています。
実はこれ、3年ほど前の前々職時代からやりたいと思っていたことでした。
数年前からAIやデータサイエンスが盛り上がっていますが、その盛り上がりが数年たった今でも継続しているのが凄くて、AlphaGoやAmazonGo、GANで生成したFakeNewsなど、目を疑うような事例も出てきています。
一方で思っていたのは、
「AI・データサイエンスの発展にキャッチアップしている人」と「AI・データサイエンスの発展に取り残されている人」の二極化が日に日に進んでいるのは?
ということでした。
実際、コンサルティングファームや投資銀行といった、とても良い大学を出た頭の良い人ばかりの環境でも、
テクノロジーを使えば簡単にできる・より良いものができるタスクを非効率な方法で解こうとし、結果生産性が異常に悪くなっている、という現場をいくつも見てきました。
このような状況はホワイトワーカーだけで起こっている話ではなくて、特に生産性の伸び悩む日本においては、全く珍しくない話だと思います。
そんな状況を変えるために、昨今は月並みな言葉ですが、
データサイエンスを民主化する、当たり前化する
事業をずっとやりたいと思っていました。
僕がIBMに転職し、データサイエンティストというそれまでとは全く異なるキャリアを志向したのも、
まずは自分の手でテクノロジーを扱えるようにならないと、有象無象の口だけAI専門家と同じで、何らデータサイエンスの民主化に貢献できない、という切迫感があったからです。
そのような思いがあった中、データサイエンスでこんな事業やってみない?とCEOのアイデアを聞き、一にも二にも同調した、という顛末で今に至っています。
今後
これからは思いを形にしていくステップですが、
ここ数週間本格稼働の準備をしている中で、今までは色んな人に支えてもらって初めて仕事ができていたんだな、と痛感するシーンが何度もあります。
今まで以上に、家族・友人・その他自分を支えてくださる方を大切にしながら、進んでいきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。