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ハイブリッドワーク導入の背景と考え方

Photo by Yasmina H on Unsplash

Musubi Labではオフィスワークとリモートワークを併用できるハイブリッドワーク制度を導入しています。

私自身、ごく稀にリモートワークを行うことがありますが、朝の時間はとても頭がクリアで、いつもなら移動に費やしている時間に多くの仕事を進めることができたり、集中して取り組むことができるメリットを感じています。

また、子育て世代の方が、リモートワークをうまく利用して両立をはかっている姿は、とても合理的で素晴らしいと感じます。私個人として、高いスキルや熱意を持ったしゅふの方がその能力を発揮して社会に貢献できる環境を当たり前のものとしていくことが日本の未来にとって不可欠だと考えている部分があり、元々ハイブリッドワークを導入したのもその考えからでした。

このようにリモートワークは多くのメリットを持つ制度であることは疑いようもありませんが、その活用において根底となる考え方やデメリットを理解しておかないと、諸刃の剣ともなります。

現実に、リモートワークの活用方法を誤ったがために、取り返しのつかない成長の遅れを取ってしまったり、役割を発揮できずに去っていくことになった人を何度か見てきました。

ここで断っておきますが、私は性悪説起点のルールは少なければ少ないほど良いと考えています。(前向きなルールは別です)

また、精神論的に何かを強制したりされることは好きではありません。

その上で、Musubi Labではオフィスワークを「推奨」しています。

表面的な捉え方をしてしまうと、それって現実的に強制なんじゃないの?と思ってしまう人もいるかと思いますので、そうではないことを説明していきます。

「仕事」というものは、大きく次の2つに分けられます。

  • 抽象度の低いタスク
  • 抽象度の高い課題解決

入社当時、多くの場合は抽象度の低いタスクを与えてもらって、こなすことから仕事が始まるものです。抽象度の低いタスクは、それを実践するために必要な情報が比較的はっきりしており、最低限の業務連絡だけでも進めることができます。チャットだけで情報を集められることも多く、リモートワークに向いている仕事とも言えるでしょう。

少しずつ仕事に慣れ、タスクを効率的にこなせるようになってくると周囲からの評価も上がってきます。リモートワークでもそれなりの充実感を得られるはずです。

所属している組織・立場によって、あるいは個人の仕事像として、ここまでで十分という価値観はあると思いますし、あって良いことだと思います。

しかしながら仕事を通じて成長することを望んでいたり、より発展的な仕事に取り組みたいと考えていたり、昇進やより良い報酬を得たいと思っている場合には、それだけでは十分ではないと感じる瞬間が訪れるものです。

主に不足していると考えられるそれは、まだきれいに言語化されていない(抽象的な)情報のインプットと、そこに対する考察、課題の言語化、対応策の実行というサイクルへのアプローチではないかと思います。

このステージに達した時、事実としてオフィスワークが有利なのです。リモートワークでは不可能という訳ではありません。当社内にも、ほぼフルリモートで抽象的な課題へのアプローチを見事にこなしている方もいらっしゃいます。

抽象的な課題の例として、人間の心情、対人関係、職場内外での潜在的なニーズ、固定観念や誤解によって気づけていない非効率などが挙げられます。

もう気づいた人もいらっしゃると思います。その場合はここから先は読み飛ばしていただいて良いかと思います。

世間の一般的な事実として、より抽象度の高い課題にアプローチできる人ほど、希少であり、価値が高いということがあります。

そして抽象度の高い課題へのアプローチができる人というのは、非言語情報の価値を理解し、断片的な情報から仮説・対策案を立て、人を巻き込み、実行することに長けている人です。

これをリモート中心で実践する場合、相互理解のための業務連絡以外のコミュニケーション、事業全体を状況を知ること、をどうやって担保していくかをその人自身が考えていく必要があります。

この点については、その組織で長く過ごすことによって、人間関係ができていたり、事業全体の勘所がわかっていたりすると、比較的やりやすくなったりもします。

新入社員の中でも、当初積極的にオフィスへ顔を出し、これらの取得に努めていた人は、その後のリモートワークとの付き合い方も上手な傾向があるように思います。

マネージャーの立場になると、チームパフォーマンスを向上させることが最大の目標となりますので、環境づくりや育成が大きなタスクとなり、より一層把握すべき非言語情報は増えるものです。

結局のところ組織は人の集合体なので、人のプロフィール、業務フローといった情報を知っているだけで、相手のことや事業全体を分かったような気持ちになるのは誤っていると言えます。

組織を構成する個人が刻々と変わる事業や人の状況を把握し、組織としてはそれを分かった上で安定したパフォーマンスを得られる仕組みを整えてくことが重要だと考えます。リモートワークを希望する人が多いのであれば、組織としてそれを支えていく仕組みを整えていくのも重要なことです。

まとめますと、リモートワークを活かせるかどうかは、そのディスアドバンテージと、自分自身のポジション・能力を正しく理解した上で活用しているかということになります。

オフィス勤務についても、「会社が推奨しているから出勤する」という理解レベルでは、素直に出社していることで受けられているメリットもある一方で、せっかく時間と体力を使って出社していることの恩恵を受けきれていない可能性もあるような気がします。

自分自身の能力把握というのは、特に社会人経験が少ない時期においては案外難しいものですし、それを見誤って楽な方を選んでしまうと、取り返しのつかない成長の遅れにつながる可能性もあります。

だから会社としてはオフィスワークを推奨としているのです。

私自身は、比較的直感型の人間だと思っているので、自分の立場と能力を考えた時に、通勤時間をかけても自分の身を会社に置くことが、自分自身にとって最も楽に役割をこなす方法であるという考え方で、可能な限り顔を出すようにしています。

誰かに言われたからではなく、それぞれが正しい理解を持って納得感のある形で、勤務場所を選ぶというのが最も大事なことですね!


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