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VUCA時代にもとめられるメンタルヘルスケア。はたらくをよくするⓇエコシステムをつくるために|執行役員CTOに就任した宍倉功一さんと荻原英人社長が対談しました。

(この記事は、2021年12月28日にピースマインド株式会社のnoteに掲載した記事を転載したものです。)


こんにちは。
ピースマインド広報の末木です。

2021年も残すところあと僅かとなりました。コロナ禍で世の中の変化が続き、ピースマインドのEAP相談窓口に寄せられる相談件数も50%以上増加するなど、メンタルヘルスの専門企業として、はたらく人と職場を支えるサポートに対する期待を感じた1年でした。

「はたらくをよくする®」を追求・体現し、はたらく人が心身共に健康に働くことができるように支援させていただくことを通じて、サステナブルないきいきとした職場を増やし、心豊かな社会づくりに貢献し続ける体制を強化するために、2021年は各部門でたくさんの新しいメンバーを迎えました。

2021年9月には、ピースマインドの技術責任者として、宍倉功一さんが執行役員CTOに就任しました。宍倉さんはピースマインド創業時のオンラインカウンセリングシステムを構築したエンジニア。ピースマインドのミッション・ビジョンに共感し、20年の時を経て再度ジョインした宍倉さんと荻原社長が、出会いから今回のジョイン、そして今後のビジョンについて対談しました。


宍倉功一プロフィール
ピースマインド株式会社 執行役員 CTO
学生時代よりベンチャーにて複数のサービスの立ち上げの開発を担当。
大学院卒業後はSI企業に就職し組み込み関連の部門に所属。その後、研究開発及びWeb受託開発を主に置いた企業に転職しWeb受託開発を担当。2006年に日本向けオフショア開発を目的とした子会社をベトナム・ハノイに設立したことをきっかけに現地法人の代表に就任。
2009年にSansan株式会社に入社。Eight事業の開発責任者として従事。
2021年9月よりピースマインド株式会社に入社。CTOとして全社の技術・開発を主導する。


出会いは90年代後半、学生起業家同士が夢みたこと

荻原:
宍倉さんとの出会いは、お互いにまだ大学生の時でしたね。
1998年にピースマインドでオンラインカウンセリングサイトのβ版を開始した後に、正式なサービスローンチに向けプロダクトを構築したいと考えた時に発注した会社が、宍倉さんが参画した開発会社でした。かれこれ20年以上前になりますね。

宍倉:
当時、僕は仲間と一緒に受託開発会社を立ち上げたばかりで、はじめてのオファーがピースマインドでした。僕にとって、まさに人生のファーストプロジェクトだったんです。自分の手で作るプロダクトは初めてだったので、それを世に出したいっていう気持ちでいっぱいでした。

荻原:
ピースマインド共同創業者の荻原国啓と私には、自分たちなりに「こういうサービスがいいに違いない」という原型が頭の中にはあったけれど、私たちはシステムに明るくなかったので、宍倉さんに構想を伝えて、丁寧にディスカッションを重ねた結果、思い描いていたシステムを構築してくれたことに感動しました。とても感謝しています。

宍倉:
開発が大変だった記憶はあります。あの時はお互いにシビアな話もしましたよね。(笑)
荻原さんたちは、メンタルヘルスの領域で世の中にどう貢献していくか、事業として成長させていくことでメンタルヘルスケアの価値をどう訴求していくか、20年以上前からずっと考えていて、メンタルヘルスの領域・カウンセリングの話・事業の話・・・いろいろしてもらったなぁ・・・と記憶に残っています。

荻原:
宍倉さん、キラキラした目で真剣に聞いてくれましたよね。(笑)

宍倉:
カウンセリングという領域、僕は荻原さんと出会って初めて知ったんです。おそらく、90年代後半の日本でオンラインカウンセリングの事業って初めてですよね?荻原さんの「この事業を日本に広げていきたい」という思いと、僕の「新しいプロダクトを作っていきたい」という気持ちが、「初めてのものを世の中に出す!」意気込みとして合致していたので、目がキラキラしてたんでしょうね(笑)。でも、それはお互い様ですよ!

荻原:
確かにインターネットもこれからって時代だったし、「世の中に必要だけれど今までなかった価値を届けたい」という気持ちはお互いに強く持っていましたよね。私が一番やりたかったのは、支援が必要なのに今までリーチできなかった人たちに、新しいソリューションを生み出してサポートの手を届けることでした。オンラインカウンセリングのユーザーから「これで助かりました」とか、「今まで相談できなかったことを話せました」というフィードバックをいただいて、インターネットというテクノロジーを使って必要な人たちにサポートの手を届けられるんだと感動しました。

宍倉:
カウンセラーとカウンセリングを受けたい人をつなげていく、人とITを掛け合わせていく試みを90年代にしていたのは、いま振り返ってみてもすごく大きなチャレンジだったと思いますね。ユーザーさんからの声は本当に嬉しかったですよね。

荻原:
当時、3年連続で居酒屋で年を越しながら、これからの事業の事を熱く語りあってましたよね。それなのに、宍倉さんが大学院を卒業するタイミングで、ピースマインドで正式に一緒にやっていこうと誘ったら、断られて大手企業に就職しちゃったんですよね(笑)

宍倉:
そうです、そうです(笑)。エンジニア目線で言うと、学生時代に学業とプロダクト開発を両方経験した結果、いいソフトウェアを作るために、一度大手のソフトウェア開発企業に入り、技術的に経験を積みたいと思ったんです。


20年の時を経て、CTOに就任!理由はミッション・ビジョンへの共感

荻原:
新卒で入社した大手企業を退職後、ずっとベンチャーでプロダクト開発の最前線をリードされてきましたね。

宍倉:
学生時代はウェブアプリケーション開発の経験を積んでいたんですけど、大学院を卒業して新卒で入った会社を退職した時、またいちからベンチャー企業でチャレンジしたいと思って、ウェブアプリケーションの受託開発の会社に入りました。
2000年後半には、現地法人の代表として、ベトナムのオフショア開発拠点の立ち上げをするなど開発以外の経験もすることができました。
その後、自社プロダクトの開発をしている企業に入って、新規事業の立ち上げを開発責任者として担当しました。そのあとVPoEとして、エンジニアの組織づくりを担当していました。

荻原:
そして長い時を経て、2021年9月からピースマインドにCTOとして、ようやくジョインしてくれたわけですね。(笑)
宍倉さんの経歴を改めて追っていくと、ベースがないものをいちから生み出すチャレンジに満ちていますね。ベトナムのオフショアなんて、当時はとても珍しかったですよね。

宍倉:
今でこそベトナムのオフショア開発は盛んですけど。僕のチャレンジしたころは今よりはるかに少ない時期でした。

荻原:
いつも最先端を追い続けている宍倉さんですが、はたらく場所を選ぶ上で重視していることはありますか?

宍倉:
ミッション・ビジョンへの共感ですね。そして、世の中を変えていくんだという思いを大切にしてきました。今回、再度ジョインしたのも、ピースマインドのビジョン『「はたらくをよくするエコシステム」を創り いきいきとした人と職場を増やす』に強く共感したことが背景にあります。

荻原:
なるほど。心強いですね。
宍倉さんは、エンジニアの組織づくりや経営も経験していますよね。エンジニアの方には、技術を突き詰めるとかプロダクト作りに特化する志向の方もいると思いますが、なぜエンジニアの組織を作ることに注力してきたのですか?

宍倉:
20年の経験がすべてだと思っています。自分が開発したサービスの価値を高めていくという意味では、エンジニア一人一人が専門性の中でチャレンジしているんですけど、エンジニアの成果はチームで出すものなんですよね。良いプロダクトを生み出すために、エンジニアのチームのあり方についていつも考えてきました。

荻原:
そのあたりは、海外での開発チームのマネジメント経験の影響もありますか?

宍倉:
先程、ベトナムの話をしましたが、企業文化の違いだけじゃなくて、海外と日本の様に、全く異なった文化間における差異なども含めて、たくさんの気づきがあったんです。
仕事でマネジメントに携わってきたので、チームメンバーや一緒に働く人の話を聴く機会が多かったのですが、やりがいを感じて働きたいと思っていて、個々の目標に向かってチャレンジしているんですよね。でも、それがうまくいく人もいれば、「不」に陥ってしまうような困難な状況になってしまう人もいるのを目の当たりにしてきました。そういった時、はたらく人同士の相互理解がうまくいかないことが障害となっていると思う事が多かったです。

荻原:
エンジニアの組織は、個を活かしチームで成果を出すことが基本だから、モチベーションの維持・向上や育成といった本質的なところに力を入れることが、事業成長に結びつくという考えですね。

宍倉:
そうですね。事業として結果が出ている状態が何よりもうれしいし、メンバーみんなでそこに喜びを感じられることが、会社の活動にとっても、はたらく人たち自身にとっても幸せなことだと思うんですよね。だから、一人ひとりの強みを発揮して、まさに個を活かしチームで成果を出すことが事業の成果を生む、そのエコシステムを意識してきました。

荻原:
ピースマインドでも、エンジニアの組織の「はたらくをよくするⓇ」をリードしてくれることを期待しています!

宍倉:
はい。メンバーと一緒にいろいろ挑戦していきたいと思っています。


VUCA時代にもとめられるメンタルヘルスケア。ピースマインドの知見とテクノロジーの掛け合わせで、はたらくをよくするⓇエコシステムをつくる


荻原:
ピースマインドの創業当時、メンタルヘルスのテーマはまだ一般的にはとても敷居が高かったと思います。20年以上経った現在、社会的にメンタルヘルスが日常のテーマになってきている感覚があります。メンタルヘルスの領域の専門家も資源も増えて、知見もすごく広がっています。コロナ禍で「はたらく人が抱える悩み解決やストレスのケアが必要だ」とニーズも高まっています。そこにアプローチするために必要なサービスを作ろうという動きが社会的にも出てきているものの、テクノロジーだけで抜本的に一瞬で解決できるソリューションを生みだすことは難しい領域です。複雑で機微な要素がいろいろあるがゆえに、はたらく人それぞれが抱える悩みの種類は多様で、企業が抱える課題となるとチームや組織をどう支援するかという要素にも広がります。

宍倉:
そうですね。専門家の知見・知識ありきの領域なので、テクノロジーだけで全て解決できるものではありませんが、支援できるところは少しずつ増やしていって、プロダクトとして届けられるようにしていきたいですね。

荻原:
ピースマインドは、はたらく人と組織に高い専門性を持って伴走支援することを志向してきています。ですので、テクノロジーやデータを活用して支援していく部分と、人間の扱う部分を効果的に両立させて、新しいものを生み出していくことが、今後の大きなチャレンジだと考えています。
現在、おかげさまで1000社以上の企業・団体とお取引があり、国内外さまざまな規模・業種のお客様からの声をいただいているので、これから社会に必要なソリューションをお客様からのフィードバックを取り入れながら、ピースマインドの知見とシステムを掛け合わせて開発・追及し、お客様に価値あるデータを提供して還元していきたいです。

宍倉:
「はたらくをよくする®」プラットフォームをいままさに開発中です。お客様に安全で最適なサービスを届けるとともに、継続的にプロダクトの改善をしていくためには、テクノロジーを支える強いエンジニアのチームが必要不可欠です。1つ1つの事業がミッションに基づいて世の中に価値を届けられるというところにちゃんと向き合えているのか、常に意識しながら開発チームを作っていきたいと思っています。
ピースマインドには専門家による知見が積み上げられているので、専門家の知見とシステムを連動させて、お客様によりよいソリューションを提供し続ける、はたらくをよくするⓇエコシステムを構築していきたいです。

最近よく考えるのですが、不調に陥ってしまった人のサポートは20年前からあったと思うんですけど、不を予防するっていう感覚は、この20年で進んでいるんですかね。変わったという実感があまりなくて・・・2015年からストレスチェックが義務化されて、企業が従業員のメンタルヘルスケアに向き合う体制ができたという意味では変わってきたと思います。だけど、一人一人が予防しようっていうセルフケアの目線で、気軽にEAPサービスを使ってカウンセリングを受けてみる・・・ところには、まだ企業や個人で温度差があるのかなと感じています。

荻原:
確かに、リソースは増えているし制度のバックアップもあるけれど、気軽に利用できるマインドが日本の社会に浸透しているかといったら、そうは言えない状況ですよね。ストレスチェック制度があることで、自分のいまのメンタルヘルスの状況がわかるようなサービスは出てきているけれど、もっと個人でストレスマネジメントができたり、調子が悪いから利用するのではなく、今の状況をよりよくする習慣として、メンタルヘルスケアが有効だという事を広めていく必要性を感じています。そういったことを訴求していくこともメンタルヘルスの専門企業である私たちのミッションの一つだと考えています。

宍倉:
そこにもチャレンジしていきたいですよね。

荻原:
ピースマインドには外資系のお客様もたくさんいらっしゃいます。グローバル企業は、メンタルヘルスケアに先進的に取り組み、あたり前に便利に利用してくださっていることが多いです。そういうグローバルからの知見と日本独自の視点を活かして、ピースマインド独自の位置づけて提言できることを引き続き発信していきたいです。


はたらくをよくするⓇとは?

荻原:
宍倉さんにとって、「はたらくをよくするⓇ」ってどんなことですか?

宍倉:
常に楽しく働けている状態だと思っています。楽しいっていう状態を言い換えると、全力出し切れていて、自分の強みが発揮できているっていう状況だと思っています。
チームの中ではメンバー間でいろいろな考えがあって、衝突もあるわけですよね。そういう意見の相違があった時にもチームとして乗り越えて、その中で一人一人がちゃんと自分の仕事の目標に対して達成できている状態をつくることが「はたらくをよくするⓇ」だと思います。

まずは自分も含めてシステム部のメンバー全員が「はたらくをよくするⓇ」を体現できるように、大切に進めていきたいと思っています。

荻原:
これからピースマインドのシステムやプロダクトづくりに興味のある人に向けて、ピースマインドに関わることの魅力ややりがいについてメッセージをお願いします。

宍倉:
ピースマインドには、メンタルヘルスの業界における専門家がたくさんいます。開発者の視点でも魅力的なのは、専門的な知識ですよね。そういう人たちの中に囲まれて仕事をするので、エンジニアとしては面白い環境なんです。専門家が数多くいるということは、社内にヒントがたくさん転がっているということ。それを拾い上げてプロダクトにつなげていけるチャンスが得られるのは面白いですよね。

また、20年培ってきたデータがあるので、しっかり活用して世にプロダクトをつくっていけることは、他社にない大きな魅力ですよね。

そして、社会貢献性がとても高い事業だということです。世の中の変化が大きいVUCA時代、この先どうなっていくかってなかなか読めないところもある中で、誰しも多かれ少なかれ不安は出てくると思います。そういった悩みや課題解決に貢献できるソリューションをエンジニアとして自分のテクノロジー・技術力で開発することは、とてもやりがいがある仕事です。

荻原:
コロナ禍となって、世の中、はたらく人を取り巻く環境は大きく変わりました。これからも変化が大きい不安定な時代だからこそ、はたらく人の本当に助けになることを追求していきたいです。今までのように悩む必要がなくなったり、より日常的に予防ができてコンディションよく仕事や生活を充実して送ることができるようになったり、はたらくがよくなることを、今までの実績や蓄積してきた専門性にテクノロジーを掛け合わせて、全く新しい価値を社会に届けていきたいと思いますね。

宍倉:
これからのステージは、その辺りへのチャレンジですよね。

荻原:
そうですね。一緒に「はたらくをよくするⓇ」エコシステムをつくっていきましょう!

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