信頼関係を基盤にした二代表制の起業。二人の代表が語るエンジニアリングとビジネスのシナジーとは

今回の記事では、スパイクスタジオの共同代表である、代表取締役CEO 黒柳 茂（くろやなぎ・しげる）と代表取締役COO 佐野 宏英（さの・ひろひで）にインタビューを行い、同社の創業にあたって二代表制を採用した背景について探ります。

プロフィール

黒柳 茂 | 代表取締役CEO 

早稲田大学理工学部卒業後、日本マイクロソフト株式会社、フェイスブックジャパンを経て、機械学習モデル構築、データプロダクト開発、データサイエンティスト及びデータエンジニアのマネジメントに従事。 2023年日本プロンプトエンジニアリング協会を設立、代表理事を務める。

佐野 宏英 | 代表取締役COO

SIerにてエンタープライズシステムの開発やインターネットサービス開発、プロデュースを手がける。2013年に動画広告配信のアップベイダー株式会社を創業。2015年に大手通信会社にM&Aにて売却、 同社執行役員に就任。大手企業との新規事業立ち上げやプロダクト開発に従事。

ー前回のインタビューでは、スパイクスタジオの創業背景・そして新たな市場を開拓する挑戦について聞きました。今回は二代表制での創業に至った背景について教えていただけますか？

黒柳：今回の起業にあたっては、新しく仲間を募るよりも、すでに信頼関係・友情関係がある人と創業をしたかったんです。

佐野：私も同様の考えでした。個人的に2回目の起業で、会社数でいうと3回目となる今回は、もっともっと大きな波の中で、大きなことを成し遂げたい、という思いがありました。

そして、面白いと感じることを本気でやるためには、気の合う仲間とやりたい。黒柳をはじめとした今のスパイクスタジオのメンバーは、なんでもやれそう・挑戦を楽しめそうと思えるメンバーが集まっています。

また、創業以前にチームの関係値が構築されており、人間関係がある上で創業した方が、スタートアップとしての成功確率が高いと言われています。

黒柳：佐野はエンジニア出身で、会社をバイアウトした経験もあります。開発者としてだけではなく、経営者としての経験値も高い。以前の会社では、600人規模の会社の執行役員としての大きな意思決定も経験しています。佐野の能力や経験は、私にないスキルセットです。一方の私は、エンタープライズのセールスや、データ分析を強みとしていて、私と佐野、二人の力が合わさった時に強いシナジーが生まれるのではと考えています。

佐野：僕はエンジニアリングをメイン領域に据えつつ、ビジネスもやる。黒柳はデータサイエンスの知見があり、生成AIを含む未来のテクノロジーにも詳しく精通している。この二人であれば、お互いの足りない部分をよいバランスで埋めて行くことが出来、相乗効果を生み出せるだろうなと思っていました。

人間性としても、僕は「The エンジニア」というタイプですが、黒柳は、人の心をつかむのが上手で、チームマネジメントという観点では、僕の足りないところを上手くやってもらえるだろうなと信頼感がありました。

ー二代表制で創業することで期待したシナジーや、お二人の役割について教えてください。

佐野：前回の記事でも触れたように、スパイクスタジオは多様なサービスを展開しており、初期段階から多岐にわたる業務を想定しています。具体的にはクライアント企業のための生成AIを使ったサービス・システム開発の受託・新しいプロダクトの探索・R&Dなど、これらの領域を2人で効率よく分担することが重要だと考えていました。

現在の役割分担として、黒柳が生成AIをつかったサービスの提案や、クライアント折衝を担当し、私は開発業務を担当しつつ、採用や会社運営、バックオフィス業務の手続きを管理しています。

また、企業運営において必要なルーティンも多くありますが、承認などの業務を各々の管掌領域に応じて分散させることで、業務を効率よく分担し、迅速な意思決定を可能としています。

黒柳：そうですね、もちろん、大事な意思決定は常に共有して、相談していますが、お互いの管掌領域については、リスペクトの上で任せているところも多いです。佐野と私では得意な分野が異なります。得意な分野においては、それぞれが意思決定し、そうでないところは相手に委ねる。意思決定の回数と精度が倍になっている体感があり、急速に変化する生成AIの領域においても、非常に効果的に対応できており、物事を迅速に進められていると感じています。

佐野：そうですね。もともと人間関係があるため、話し合いが必要なときもスムーズに進められています。

ー事業展開や企業運営の上で、特に目線を合わせて取り組んでいるポイントはありますか？

佐野：注力領域については、頻繁にコミュニケーションを取っていますね。スパイクスタジオでは多様なサービスを展開しており、付随する業務も多岐にわたります。そのため、すべての領域にリソースを注ぐのは難しいので、注力する領域と優先度の低い領域を明確にし、常に意識を合わせています。

今は「お客さまの現場で役に立った」というお声を積み重ねることが重要だと考えており、初年度の売上1億円を目標に掲げてきました。そしておかげさまで、その目標を大幅に達成することができました。

二人で目線を合わせ、それぞれの担当領域を信頼して任せることで、業務の仕組み化を進めています。必要なスキルを持った人材を戦略的に採用し、計画的に会社を運営しています。

ーありがとうございました！

スパイクスタジオでは、個々のスキルを活かしながら、チームで成果を生み出す環境を整えています。

少しでも興味をお持ちいただけましたら、ぜひカジュアル面談で気軽にお話ししながら、スパイクスタジオの雰囲気を感じてみてください。