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【スパイクスタジオ創業への思い】データサイエンティストとエンジニアが描く、生成AIビジネスの可能性

ー「AIの力で人と企業の可能性を解き放つ」「日本の労働生産性を10倍にする」

2023年12月に生成AI/LLM領域で創業したスパイクスタジオは、ミッションをこう掲げています。日本ではまだ、広く普及していない生成AI/LLM領域ですが、スパイクスタジオでは、生成AI/LLMこそが、「日本の労働生産性を10倍にする」ための大きな契機になると考えています。

今回のインタビューでは、代表取締役CEOである黒柳 茂(くろやなぎ・しげる)と代表取締役COOを務める佐野 宏英(さの・ひろひで)に、スパイクスタジオ創業に至るまでの経緯と背景について聞きました。


プロフィール

黒柳 茂 | 代表取締役CEO 

早稲田大学理工学部卒業後、日本マイクロソフト株式会社、フェイスブックジャパンを経て、機械学習モデル構築、データプロダクト開発、データサイエンティスト及びデータエンジニアのマネジメントに従事。 2023年日本プロンプトエンジニアリング協会を設立、代表理事を務める。


佐野 宏英 | 代表取締役COO

SIerにてエンタープライズシステムの開発やインターネットサービス開発、プロデュースを手がける。2013年に動画広告配信のアップベイダー株式会社を創業。2015年に大手通信会社にM&Aにて売却、 同社執行役員に就任。大手企業との新規事業立ち上げやプロダクト開発に従事。


ーまずはお二人の自己紹介と、生成AI技術との出会いについて教えてください。

黒柳 茂(以下、黒柳):私は、日本マイクロソフト株式会社、フェイスブックジャパンに7年勤めた後、日系のデータテックカンパニーでデータサイエンティスト・AIエンジニアのマネジメントなどを担当していました。

生成AIとの出会いは、2020年ごろに「画像生成AI」というトピックを知り、テキスト生成・画像生成・データ分析などを試す中で、明確に「自分の仕事も含め、多くの業務が生成AI/LLMによってパワーアップする」というビジョンが見えました。日々この技術に触れる中で、生成AI領域で事業展開していきたいという思いが芽生えていきました。


佐野 宏英(以下、佐野):私自身はずっとエンジニアとしてのキャリアを歩んできています。ファーストキャリアはいわゆるSIerで、大規模開発案件を担当。その後インターネット系企業に転職しWebサービスや、アプリなどの開発も担当するようになりました。

起業も経験しており、その際は、いわゆるガラケーからスマートフォンへのシフトの真っ只中で、同時に、​​YouTube流行の兆しや、テキストから動画へもシフトしているタイミングでした。その中で、スマホ向けの動画広告配信プラットフォームを提供する会社を起業し、その後、会社を大手通信キャリアに売却しました。

個人的な生成AIとの出会いは、2020年7月頃でしょうか。GPT-3(Generative Pre-trained Transformer 3)の発表を受け、日々生成AI技術に触れていました。今回の生成AIの盛り上がりは、以前のインターネット・スマホシフト・動画シフトなどと同じく、大きな社会の波になるだろうなと感じていました。この社会の波に携わっていけば、非常に大きなインパクトをもたらす事業ができるのでは、と考えるようになりました。


ー創業以前のお二人の関わりについても教えてください。

黒柳:私も佐野も、以前同じ会社に勤めており、二人ともデータマネジメントプラットフォームに携わっていました。カスタマーデータプラットフォームや分析機能の開発部署で、佐野がCPO(Chief Product Officer)、私がデータ領域のトップを務めていたのが出会いです。


佐野:仕事を通じて親しくなり、退職後も、プライベートで定期的に食事をしたり遊んだりして、継続的にコミュニケーションを取っていました。


ーなるほど、そこからスパイクスタジオの創業に至った経緯はどんなものだったのでしょうか?

黒柳:私も佐野も、2020年頃から個人的に生成AIという技術に触れ、この技術が大きな波を作り出す存在であることは肌で感じていました。

当時、私は別の会社を経営していましたが、エンジニア2名・リサーチャー2名という会社規模でした。生成AIというビッグウェーブで、日本をよりよい方向に導くために、より大きなリソースが必要だと考え、共同パートナーとして迎えて起業する決断をしました。


ー創業に至るまでの経緯について、当時感じていた課題などを含めて、教えてください。

黒柳:2023年の9月頃、佐野と話していて、創業を決意しました。二人とも、以前から日本国内の生産性が低いということを、大きな課題に感じていました。私は、外資企業に長く所属していたのですが、外資企業では生産性が低く、結果が出せないような人は解雇になりやすい。一方日本企業は、残業代をもらうために長く仕事しているような企業もあります。

しかし、生成AIを使うことで、労働生産性を高め、国として他国と遜色のない国力をもう一度取り戻すことができればいいなと考えていたところ、佐野も同じ課題感を持っていたんです。


佐野:日本では、少子化・労働力不足により直近の採用環境も厳しくなっており、どこの企業でも人手不足は課題になっています。もっと人的リソースがあればビジネスが伸びる素地はあるのに、なかなか成長できないような会社も増えています。少子化については、長期的な問題であるため、10-20年の単位での解決は難しい側面もありますが、生成AIの仕組みは、働き方を大きく変えられるチャンスなのではと感じています。私も、黒柳も、小さい子供がいるので、日本の未来を考えた時に、より良い社会にしていきたいという思いも共通していて、スパイクスタジオの創業を決意しました。


ーお互いを共同創業者として迎えた背景についてもぜひ教えてください。

黒柳:今回の起業にあたっては、新しく仲間を募るよりも、すでに信頼関係・友情関係がある人と創業をしたかったんです。


佐野:私も同様の考えでした。個人的に2回目の起業で、会社数でいうと3回目となる今回は、もっともっと大きな波の中で、大きなことを成し遂げたい、という思いがありました。

そして、面白いと感じることを本気でやるためには、気の合う仲間とやりたい。黒柳をはじめとした今のスパイクスタジオのメンバーは、なんでもやれそう・挑戦を楽しめそうと思えるメンバーが集まっています。

また、創業以前にチームの関係値が構築されており、人間関係がある上で創業した方が、スタートアップとしての成功確率が高いと言われています。


黒柳:佐野はエンジニア出身で、会社をバイアウトした経験もあります。開発者としてだけではなく、経営者としての経験値も高い。以前の会社では、600人規模の会社の執行役員としての大きな意思決定も経験しています。佐野の能力や経験は、私にないスキルセットです。一方の私は、エンタープライズのセールスや、データ分析を強みとしていて、私と佐野、二人の力が合わさった時に強いシナジーが生まれるのではと考えています。


佐野:僕はエンジニアリングをメイン領域に据えつつ、ビジネスもやる。黒柳はデータサイエンスの知見があり、生成AIを含む未来のテクノロジーにも詳しく精通している。この二人であれば、お互いの足りない部分をよいバランスで埋めて行くことが出来、相乗効果を生み出せるだろうなと思っていました。

人間性としても、僕は「The エンジニア」というタイプですが、黒柳は、人の心をつかむのが上手で、チームマネジメントという観点では、僕の足りないところを上手くやってもらえるだろうなと信頼感がありました。


ー続いては、スパイクスタジオ共同代表の2人が、スパイクスタジオを通じて、新しい市場を開拓する挑戦についてのインタビューをお届けします。



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