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『効率の追求』ではなく『飲食店らしさの追求』@いやさか物語

飲食店らしさとは…。

『まだハンディターミナル使ってないのですか?』

『今の時代はセルフオーダーシステムですよ?』

『ミスがなくなりますよ。』

『効率が格段に上がって生産性が向上しますよ』


働き方改革が飲食業界でも進む中、年々この様なセールスが私どもに対してもどんどん増えています。しかし答えは私どもの答えはひとつです。

『導入しません』です。

ハンディターミナルを現場に採用し、オーダーを取るという行為は非常に合理的且、とても生産性が高くなるものです。また、傾向や分析などPOSとの連動で様々な効果を総合的に生み出します。でも私どもは

導入しないのです。

効率の追求の陰で

ースタッフが対話するのはお客さまではなく端末

お客さまからご注文をいただいた場合、串揚げいやさかの場合は付箋に書いていきます。水で塗れていたり、ボールペンが書きにくいなど、マイナス面が多く存在しますが付箋やメモだと自然とスタッフの顔が上がります。
端末で注文を受けていると、どうしても該当項目を探したり、細かな部門分けを行わなくてはいけないということもあり、どうしても顔が下がってしまい、スタッフが注視するのは端末の画面となってしまいます。つまり、対話しているのはお客さまではなく端末なのです。
私どもはスタッフが端末の画面を注視して店内に『ピッ!ピッ!』という端末の音が響き渡るお店より、お客さまの顔を見ながら『かしこまりました。』『申し訳ございません。』『ありがとうございます!』の声が聞こえるお店を目指したいのです。

ーヒューマンエラー(人的ミス)が無くなる

ヒューマンエラーが無くなる。一見、良いこと尽くめのように思えます。
私(代表)が学生の頃、飲食店でのアルバイトは常に人気が高く、親が進めるアルバイトとしても飲食店は人気が高かったものです。『飲食店でのバイトは良い社会勉強になる。飲食店という環境は世の中の縮図のようなもの。その経験は人を成長させる。』と皆さん口をそろえて言っていたものです。
さて、ハンディターミナルを使ったり、セルフオーダーシステムを導入することで確かにミスはなくなります。しかし❝ミスが無くなる❞ということはどういったものでしょうか。。。
飲食店の現場からどんどんミスが無くなっていきます。スタッフとお客さまの会話は合理的なものとなり、無機質な時間が増えていくのでしょう。
『失敗は成功の母』
オーダーミスがあれば、『すみません。』の言葉と共に、その時々の状況やお客さまに合わせて様々な対応を臨機応変に行います。その❝ミスへの対応❞が、ご迷惑をお掛けしてしまったお客さまと仲良くなったり、お店のファンになっていただく瞬間(チャンス)でもあります。
私どもは合理的作業や生産性より、私どものお店に携わる全てのスタッフの成長を優先します。



時代錯誤なチャレンジ

ー進む働き方改革と人材不足

とはいえ、これからの日本をみていくと、益々人材不足が進み、働き方改革と共に『生産性の向上』が声高に叫ばれ、加速的に求められていくのでしょう。そんな時代に合わせて革新的にイノベーションを繰り返すことは、事業を継続させていくには不可避なものであり、会社の責任でもあります。
正に『生産性の向上の為にシステムを導入する』という事は、正しいことで正解であり、誰もが疑うことのない答えなのでしょう。
生産性と効率を最優先に求められる大手チェーン店にとってみればこの流れに抗うことはできないでしょう。そしてシステムやテクノロジーが普及することにより、導入コストも安くなることで、個人店にもその流れがくるでしょう。
日本中の飲食店が画一的に『生産性と合理的で効率の良いお店』へと変化してくことでしょう。

ー時代の流れへの逆行

そうなのです。私どもの『飲食店らしさの追求』というものはとても時代錯誤なのです。しかし、『効率の追求』の陰で、失っていくものこそが飲食店がにとってとても大事に考えています。
飲食店がただの『食事という行為』を行うためだけの場所とならないように、時代錯誤な探求とチャレンジを続けていきます。


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