この4月から、育児・介護に関する法律が段階的に改正されます。特に、ウォンテッドリーを見ている20代~40代の方には、身近なテーマではないでしょうか。
法改正のポイントを確認すると、派遣サービスを提供しているハーツネクストにとっては厳しい側面もあります。しかし、この転換点を前向きに捉え、プラスのきっかけにしていきたいと考えています。私自身、現在育児の真っ最中です。子どもを産んでも「どうにかやっていけるかも!」と思える仕組みが整っていくことは、非常に望ましいと感じます。
社会のシステムが大きく変わる中で、人材派遣の役割も進化していく必要があります。
ハーツネクストとしての取り組み
生産労働人口の減少により、企業は今まで以上に人材確保に時間・手間・費用をかけるようになります。特に、中小企業にとっては自社での採用が難しく、人材サービスの活用が不可欠となります。
私たちは、単なる派遣ではなく、企業の採用活動を積極的にサポートし、求職者とのマッチングを強化することで、企業と求職者双方のエンゲージメント向上を目指します。企業の身近な相談役として、新しい情報の提供や問題解決にも取り組んでいきます。
多様な働き方を支える人材サービス
現代では、ライフスタイルやキャリアに対する希望が多様化しています。特定の企業の勤務形態に縛られるのではなく、自分に合った働き方を選びたいと考える人も増えています。人材サービスを活用することで、ライフステージに応じた柔軟な働き方が可能になります。
個人的に感じること
今回の改正では、「3歳未満の子を養育する労働者に対し、事業主はテレワークの導入を努力義務とする」という項目があります。しかし、実際には小学校4年生未満の子どもを持つ家庭でもテレワークの必要性は高いと感じます。
保育園時代は手厚いサポートがある一方で、小学校入学後は保護者の関与が増え、送迎や学校行事、急な発熱時の対応など、親の負担が大きくなります。微熱程度で学校に行けない場合、テレワークをしながら子どもを見守れる環境があると助かる家庭は多いのではないでしょうか。
また、「育児休業取得状況の公表義務の拡大(2025年4月施行)」については、取得日数の公表も重要だと考えます。私自身、双子を出産した際、一人での育児は非常に過酷でした。もう一人大人がいることの重要性を強く実感しました。今後、家族の形が多様化する中で、育児支援の制度がより実態に即したものになることを期待しています。
夫の育児と派遣の活用
私自身、3人の子どもを1歳から保育園に預け、仕事復帰することができました。それは、夫の協力があったからこそです。
夫は私が双子を出産したとき、無職でした。しかし、人材派遣会社を通じて派遣スタッフとして働き始め、派遣元と派遣先の理解のもと、フレックス勤務を利用して育児と仕事を両立しました。その結果、信頼関係が築かれ、現在は派遣先の正社員として働いています。
家事や育児は性別で区切るものではありません。男性の育児休業取得率や取得日数を増やすためには、女性も同様に働くことが重要です。男女ともに育児と仕事を両立する環境が整うことで、男性の育児参画が当たり前の社会になるはずです。
ここ10年で、父親の送迎や学校行事への参加は確実に増えました。これが数値として反映され、さらなる推進につながることを期待しています。
目次
ハーツネクストとしての取り組み
多様な働き方を支える人材サービス
個人的に感じること
夫の育児と派遣の活用
改正項目まとめ
1. 柔軟な働き方を実現するための措置等の義務化(2025年10月1日施行)
2. 所定外労働の制限(残業免除)の対象拡大(2025年4月1日施行)
3. 育児のためのテレワーク導入の努力義務化(2025年4月1日施行)
4. 子の看護休暇の見直し(2025年4月1日施行)
5. 育児休業取得状況の公表義務の拡大(2025年4月1日施行)
6. 仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮の義務化(2025年10月1日施行)
7. 育児休業取得等に関する状況把握・数値目標設定の義務付け(2025年4月1日施行)
改正項目まとめ
1. 柔軟な働き方を実現するための措置等の義務化(2025年10月1日施行)
3歳以上小学校就学前の子を養育する労働者に対し、事業主は以下の措置から2つ以上を選択して導入することが義務付けられます。労働者は、事業主が講じた措置の中から1つを選択して利用できます。
- 始業時刻等の変更
- テレワーク(10日/月)
- 保育施設の設置運営等
- 新たな休暇の付与(10日/年)
- 短時間勤務制度
2. 所定外労働の制限(残業免除)の対象拡大(2025年4月1日施行)
これまで3歳未満の子を養育する労働者が対象だった所定外労働の制限(残業免除)が、小学校就学前の子を養育する労働者にまで拡大されます。
3. 育児のためのテレワーク導入の努力義務化(2025年4月1日施行)
3歳未満の子を養育する労働者がテレワークを選択できるよう、事業主に導入の努力義務が課されます。
4. 子の看護休暇の見直し(2025年4月1日施行)
- 名称変更: 「子の看護休暇」から「子の看護等休暇」へ
- 対象範囲の拡大: 対象となる子の年齢が小学校就学の始期に達するまでから、小学校3年生修了までに拡大
- 取得事由の追加: 感染症に伴う学級閉鎖等、入園(入学)式、卒園式への参加が新たに取得事由として追加
また、労使協定により除外できる労働者の範囲が見直され、週の所定労働日数が2日以下の労働者のみが除外対象となります。
5. 育児休業取得状況の公表義務の拡大(2025年4月1日施行)
従業員数300人を超える企業に、男性の育児休業等の取得状況を公表することが義務付けられます。これまでは従業員数1,000人超の企業が対象でしたが、対象範囲が拡大されます。
6. 仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮の義務化(2025年10月1日施行)
妊娠・出産の申出時や子が3歳になる前に、事業主は労働者の仕事と育児の両立に関する意向を個別に聴取し、配慮することが義務付けられます。
7. 育児休業取得等に関する状況把握・数値目標設定の義務付け(2025年4月1日施行)
従業員数100人を超える企業は、一般事業主行動計画策定時に育児休業取得状況や労働時間の状況を把握し、数値目標を設定することが義務付けられます。従業員数100人以下の企業については努力義務となります。