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寝たきり高齢者旅行記①

この方とは城陽市で出会った。足腰が立てず、寝たきり状態。座らせてあげると車椅子は座れる。長年付き合って、いろいろ過去の事を聞き出し故郷は青森だと知った。青森に帰郷したいと言われる。

多分、聞き流す事業所が多いのだろうが、きらっと介護支援センターは違った。

時間をかけて、本当に青森に行きたいのか、幾度となく聞き続けたが、答えは変わらなかった。本当に行きたい、帰りたい気持ちを汲み取った。

しかし、とはいうものの始めるにも生活保護。本当に行けるのか疑問だった。しかし、社会がこの方の気持ちを後押しした。新型コロナウィルスのまん延に伴って、生活困窮者には再三として給付金が支給された。支給されたお金は寝たきり生活のため、出掛ける所もなく、飲みに行くわけでもなく、貯まり続けた。それで、行くための旅費が捻出できそうになった。

行く日程も決まり、京都から青森までどうやって移動すべきか?本人さんは良かったことに大きな病気は無かった。動けないだけで急変しそうな病気は無かった。体力の事も考えて飛行機で行くこととした。飛行場までは車で行き、飛行機で青森へ。そこからは車椅子対応のレンタカー。飛行機は事前に車椅子が必要と連絡、予約する必要があるとのことで支援カウンターに電話した。飛行機は言っといて頂けたら人から機材から全部準備します!日本の公共交通機関はすごいな。と思った。あとはレンタカー。これも車椅子対応となるとどこでもあるわけではなかった。複数社連絡してやっと予約が取れた。

泊まるホテルをどうしよう?そんな問題の壁に立ちはだかった。介護用のベッドのあるホテル。そんなホテル見当たらない。介護対応のホテルもあったが、ベッドは普通のホテルだった。そんな時、思い出した!知り合いが青森で介護施設を行っておられた。京都から帰京の為に青森に行くので2泊だけ泊めてくれないか?日中はうちらが面倒みるので、夜間だけお願いできれば。即答で快諾してもらえた。そんな良い事をしているなんて!断れるわけないでしょう!!


準備ができた事、行く日程も本人に伝えた。まだ、行くまで1か月も先なのに毎日いつになったら行けるのか?そんなことをずっとヘルパーに訴えた。ちゃんと用意している。そう言ってなだめ続けた。利用しているデイサービスでも話題になった。楽しみに行っておいで!そんな声も多数もらった。そんな声も重ねるうちに本当に行きたいのだと確信に変わっていった。

せっかく帰るのでお墓参りをしたい。お墓の場所はわからないが、行って景色を見たらわかる。そう言われたがそんなので行ってわからんではかわいそうなので、調べられる部分は承諾を得て調べた。結果、親の名前や昔の本籍地くらいしかわからなかったが、ヒントにはなった。後は本人の記憶次第。不安だが青森に行って青森弁を聞いて、空気を吸うだけでもいいか。そう思っていくことにした。

また、問題が。旅行カバンが無い。そんなに出かける事も少ない方だったのでカバンがない。3日分の着替えなど荷物はある。そんなことをきらっとの事務所で話していると、ある職員がうちに眠っているカバンがある。それをあげます!カバンも確保でき準備は整いました。


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