Webメディアやマーケティング関連のインターンを探していると「SEO」という言葉が出てくることがあります。
SEOとは「Search Engine Optimization」(検索エンジン最適化)の略で、とあるキーワードで検索したときに自社のコンテンツが上位表示されることを目指す仕組みのことです。
しかし「実際どんなことをするの?」「普通の編集者とどんなところが違うの?」という点について調べてみても、なかなかイメージがつかないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は香水・香りのメディア「カラリアマガジン」(株式会社High Link)の編集部でインターンをしている柴田さんに、実際の業務内容や入社前後のギャップ、SEOインターンをすることのメリット・デメリットをインタビューしてみました。
【柴田さんの略歴】2021年10月から株式会社High Linkのカラリアマガジン編集者としてジョイン。もうすぐインターン開始から1年。自身も記事編集やリライトに取り組みつつ、チームメンバーの進捗管理や、SEO施策の提案などをしてきた。
メディア運営・SEOってどんな業務内容?
――メディア運営・SEO業務に携わる編集者はどんな業務をするのですか?
柴田:SEOの目的は、とあるキーワードで検索したときに自社のコンテンツが上位表示されている状態を目指すことです。
たとえばカラリアマガジンは香水メディアなので、「香水 おすすめ」や「香水 人気」などのキーワードで記事を作ることがあります。
具体的な業務内容としては、
- キーワード選定
- ユーザーニーズの分析
- 構成書の作成
- ライティング・検収
- 振り返り
などがあります。
――とくに大切なのはどの業務ですか?
柴田:どれも大事な業務ですが、とくに大切なのは「ユーザーニーズの分析」と「振り返り」の2つです。はじめに「ユーザーニーズの分析」について話します。
当然ですが検索キーワードごとにユーザーニーズが異なります。
- 「香水 おすすめ」と検索する人はどんなことを求めているんだろう?
- 「香水 付け方」と検索する人は一度も香水をつけたことがないのかな?
とかを分析して、そのニーズを満たせるコンテンツを作ることが大切です。
そのためには実際にキーワードで検索してみて、検索結果画面を見てみることが多いです。
たとえば「マニア向けの香水10選」みたいな記事が多いなら、“認知度は低いけれど有識者からの評価が高い香水”を知りたいというユーザーニーズが大きいと考えられます。
――「振り返り」はどういうことをしますか?
柴田:SEOでは成果がひと目で分かります。ユーザーニーズを満たせる有益な記事が作れたのであれば、実際に上位表示されるからです。またPV数などでも成果を確認できます。
しかし逆に言えば、いつまで経っても公開した記事が上位表示されないこともあるのです。
そんなとき「どこがユーザーニーズとマッチしていなかったんだろう」とか「もっと有益な記事にするにはどんな内容にリライトすればよいだろう」とかを振り返ることが大切になります。
PDCAをうまく回していくには振り返りは欠かせません。出てきた改善点は当記事だけでなく、これから公開する記事の改善にも役立ちます。
――コンテンツ作成のほかはどういう業務がありますか?
柴田:私の場合はチームメンバーの進捗確認やライターさんとのやり取りも業務内容に含まれます。
出勤したらまずはライターさんからの納品報告などを確認したり、進捗状況が芳しくないメンバーがいたら声がけをしたりするところから1日が始まる感じです。
あと、これまでは私が記事の改善案をまとめたり、メディア運営の施策を考えたりしていました。
――具体的にはどんな施策を考えたのですか?
柴田:私が入社した当初は、各編集者が好き好きにライティングをしていたので、きちんと成果につなげるためにはフロー改善をしたほうがよいと感じていました。
上位記事を見て一覧表の作り方を参考にしたり、マーカーがついている方が読みやすいのでマニュアルに追加したり。みんなが一定以上の成果を出すにはどうしたらいいか、仕組み化することが直近の課題でした。
――成果につながった施策はありましたか?
柴田:いくつかの記事は上位表示されて、大きくPV数を伸ばしました。自分でおこなった施策に成果が現れた瞬間はとても嬉しかったです。成果が目に見えてわかりやすいのはSEO業務の特徴のひとつですね。
一方で、今思うとまだまだ改善の余地があるなと思います。当時はSEOやコンテンツ作成についての知識をインプットする量も少なく、根拠や仮説があまり立てられていないまま実行に移していたからです。
またチーム全体で自由度が高すぎたせいでサイト内重複が起こったり、梅雨に公開する予定だった記事が夏になってから公開されたりと、問題だらけでした。
でも失敗から学べることもたくさんあるので、裁量権をもっていろいろ経験できたのはかなり自分にとってプラスになったと思います。
SEOインターンをやってよかったと思うこと・メリットは?
――メディア運営・SEOインターンを通して感じたメリットはありますか?
柴田:「深い思考をする機会が増えた」こととか、あとは「メンバーをまとめる経験ができた」ことがメリットだと感じます!
――深い思考をする機会とは?
柴田:SEO編集者の業務を「PDCA」になぞらえて考えたときに、ユーザーニーズの仮説を立てて(Plan)、構成書や記事を作成して(Do)、成果が出ているか確認して(Check)、改善点を次に活かしていく(Action)というサイクルになります。
これって普通に大学に通っているだけだと身につかないスキルだと思うんです。
私は大学では経済・経営・マーケティングなどを勉強していますが、座学だけだとある意味「机上の空論」になってしまいます。
でも実際にSEO編集者として働くなかで、仮説や知識を実行に移せること、アウトプットできることは、座学以上に自分のための勉強になると感じました。
――たしかに自分で手を動かすと身につきますよね
柴田:そうだと思います。とくにSEOは「Webマーケティング」の基礎的な考え方がたくさん詰まっているので、マーケティングについて詳しくなれるのは嬉しいです。
ただ、初めから「SEOをやろう」っていう人って少ない気がしていて、もともとブログとかをやっていて「もっと読んでもらいたい」と感じた人がSEOにたどり着く、とかが自然な流れだと思うんです。
そういう点では、あまりSEOに関するスキルを持っている人がいないと思うから、それを身につけられた自信につながるとも思っています。
――メンバーをまとめる経験ができたこともメリット?
柴田:私のなかで、とくにインターンをして良かったと思うのが「メンバーをまとめる経験」ができたことですね。
いつになるかは分からないけど、就職したらいずれは自分のチームを持ったり、チームメンバーとコミュニケーションを取ったりする機会が出てくるじゃないですか。
今の段階でチームをまとめることの大変さと、それの改善にむけて試行錯誤できたのはいい機会だと思います。
とくにメディア運営は1人で作れる記事の量にも限りがあるので、チーム内でどれだけコミュニケーションを取れるかが大事だと思うんです。みんなの進捗とか、ライターさんの進捗とかをうまくコントロールしていかないと回らなくなってしまうので。
社員に混じってチームを率いていくというのは、サークルや部活とくらべて責任の質が違う気もしますが、そのぶん充実感や達成感も得られました。
SEOインターンで難しいこと・デメリットは?
――逆にSEOインターンをやっていて難しかったことやデメリットはありますか?
柴田:しいて言えば「会社や組織体制によっては業務が面白くないかもしれない」ことかなと思います。
今はいろいろと体制が変わったんですが、私が入った当初は「言われたことを淡々とこなす」ような業務が多くて、少しつまらなく感じていました。
具体的に言うと、ライターさんが書いた記事をひたすら校閲するだけだったり、表記ルールの変更に応じてひたすら記事をチェックするだけだったり……。
さっき言ったようなPDCA的な業務内容とはかけ離れていました。
でもメディア運営に力を入れ始める体制になってからは、自分で施策を考えていくことが増えて、責任感も裁量権も大きくなっていきました。悩むことも増えたけど、このときからだんだんと仕事が面白く感じるようになって。
――もしも機械的な業務だけだと、つまらないままだった?
柴田:そうだと思います。自分で立てた仮説をもとに実行したことが成果になる瞬間が、やっぱりSEOインターンをしていていちばん面白かった瞬間です。
だから同じような業務内容をしている会社でも、インターン生にどれくらい「考える機会」が与えられているかによって、働く面白さが全然ちがうんだろうなと思います。
――「自分の頭で考えて実行する」ことこそがSEOインターンの面白さということですね
柴田:そうですね。逆に言えば、本人にやる気がないとどこまでも悪循環してしまうとも思います。自分自身でも意識していることですが、「自分で進捗・成果のモチベーションを維持する」ことが大切かなと。
SEOの施策はうまくいくことばかりではありません。成果がまったく出なかったときもありました。そのときに虚無感というか、無駄になってしまった感があったんですよね。
あと記事を改善してもすぐ結果が出るわけではないので、その間のモチベ維持が難しいときがあります。私の場合はもともとマーケティングに興味があったのでなんとか乗り切ってきました。
どんな人がメディア運営・SEOに向いてると思う?
――ここまでの内容を踏まえつつ、どんな人ならSEOインターンをするのに向いていると思いますか?
柴田:いくつかあるんですけど、
- 普段から考えることが好きな人
- 作業とか思考とかに没頭するのが好きな人
- Webメディア運営とかマーケティングとかに興味がある人
- チーム内でのコミュニケーションが苦じゃない人
みたいな人がSEOインターンに向いていると思います。
――考えることが好きな人、没頭するのが好きな人
やっぱり何よりも大事なのは、考えることが好きかどうかじゃないですかね。もちろん記事作成マニュアルとかありますけど、SEOインターンはただマニュアル通り・機械的に実行する作業ではないです。
検索キーワードごとに個別最適化したコンテンツ作成するうえで、ユーザーニーズを分析するのが重要なので、考えることが好きな人が向いていると思います。
――Webメディア運営とかマーケティングとかに興味がある人
業務内容とやりたいことがある程度一致していないと、インプットすることに対しても業務に対しても積極的になれないかもしれません。
成果が出ないと苦しいし悩むものですが、少しでもマーケティングやメディア運営に興味があれば、前向きに頑張れるのではないでしょうか。
あくまでニーズ分析とか需要にマッチしたコンテンツを作成する仕事で、自分の好き勝手に記事を書くことはないので、そういう点が自分に合っているかどうかも大切なポイントです。
――チーム内でのコミュニケーションが苦じゃない人
SEOインターンは個人主義的な仕事だと思われるかもしれません。もちろん記事を作るときには、1人で仮説立てからディレクションまでする業務です。
でも記事をたくさん作ってたくさん改善していくには、個の力だけじゃなくチームとしての力が試されると思います。1人で10記事作れたとしても、10人で100記事作っているチームにはどうしても勝てないです。
極端に外交的である必要はないと思いますが、チーム内でのコミュニケーションを苦に感じない人のほうが楽しく仕事ができると思います。
カラリアマガジンではメディア運営・SEOインターンを募集中!
今回はカラリアマガジン編集部でインターンをしている柴田さんに、SEOインターンの業務内容や、インターンをとおして感じたメリット・デメリットをインタビューしました。
Webマーケティングやメディア編集者に少しでも興味が湧いたという方は、ぜひカラリアマガジンのSEOインターンに応募してみませんか?
カラリアマガジンは月間100万PVほどのメディアで、香水・香りジャンルを中心にこれからも規模拡大を目指していきたいと考えています。
一緒にメディアを大きくしていきたいという方、いちからWebマーケティングやSEOを学んでいきたいという方はぜひお話してみましょう!