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サラリーマンへの出戻りはアリ?無し?リスキリングのための脱フリーランス戦略

100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスのざき山です。

今日も複業メディア「ウィズパラ」で取り上げたテーマ「サラリーマンへの出戻りはアリ?無し?リスキリングのための脱フリーランス戦略」についてお話していきます。(元記事:https://wizpara.com/2832/)

先日(2024年12月21日)、日本経済新聞のニュースで「フリーランス、会社員への転職5年で3倍」というニュースが流れました。

組織に属さずに働くフリーランスから会社員への転職が増えている。
人材大手のリクルートとパーソルキャリアでは、2024年4~9月の仲介人数がそれぞれ5年前の3倍近くに達した。
フリーランスは増えたが競争も激しく、「会社員回帰」が進んでいるとみられる。

「いったん会社員に戻ってスキルアップしたかった」。

今年、フリーランスから営業職社員に転じた30代男性は理由をこう説明する。ノウハウを獲得した後・・・つづく

今、フリーランスから会社員として再就職する人が大幅に増加しています。

理想を追い求めようやく念願のフリーランスとして独立したものの、理想はそう甘くはなかったということなのでしょうか。

今、多くのフリーランスたちに何が起きているのか背景をみていきたいと思います。

多くのフリーランスが会社員に回帰している背景

フリーランスが増えすぎたことによる揺り戻し

日本でフリーランスの増加が顕著になり始めたのは、2000年代後半から2010年代にかけてです。

また2020年以降、新型コロナウイルス感染症の影響でリモートワークが一般化し、会社に属さない働き方への注目がさらに高まりました。

インターネットビジネスが拡大しているため、Web系フリーランスに舞い込む仕事も増加していたため、しばらくは業界全体が拡大し潤っていたのですが・・。

ここにきて風向きが急激に変わった印象があります。

いままではWebサイトを作成したり、ショッピングサイトを構築したりするのに、Web制作のスキルを持ったフリーランスに仕事を依頼するのが第一選択肢でしたが、テクノロジーが進歩するにしたがって、Web制作のスキルがなくてもWebやインターネットをフル活用できるようになってきました。

たとえば広報の手段の選択肢がひろがりSNSなどを活用することによって、高い費用を払ってWebサイトを制作する必要が無くなったり・・そもそもWebサイトの制作も誰でも簡単に無料で構築することができるようになったり。

増えすぎたフリーランスに対して、パイ(仕事)の増加が釣り合っていなければ当然、それを奪い合うフリーランス同士の競争が激しくなり、うまく適応できなかった者は、再就職・転職などのジョブチェンジを余儀なくされているわけです。

働き方改革での企業組織待遇改善による会社員の魅力増加

あとは、最近、ブラック労働を強いるブラック企業への世間の目、風当たりが強くなり、国もこういった不条理な就労環境を是正しようと動いているため、日本全体として企業組織の労働環境が改善されている傾向があります。

いわゆる働き方改革の推進というやつです。

今まで多くのブラック企業に苦しめられた経験から、フリーランスとして独立したいというフリーランス志望者が多くなっていたわけですが・・・
多くの企業が雇用条件・就労環境を是正しはじめているとしたら、フリーランスで活動していた人もまた会社員として働いてもいいなと考えることはごく自然な流れと言えます。

日本は少子高齢化が加速しているため、人手不足が顕著でありブラックな労働環境を放置していれば、人はどんどん辞めていき、新たな人材を集めるのも難しくなっていることが、この流れを加速させているでしょう。

今の日本は人材があぶれているところと、人手不足でにっちもさっちもいかないところと、業界によってかなり人材の数のミスマッチが起きている状況と言えます。

日本全体は人手不足なのに、フリーランス業界は人余りというわけです。

さっさとフリーランスに見切りをつけて会社員に回帰することは、今の状況だけみれば、非常に賢い選択と言えます。

フリーランスの加齢からくる将来への不安

わたくしザキヤマも、もうすぐ46歳を迎えようとしています。

40代前半くらいまでは体力の衰えなど感じていませんでしたが、ここ数年でかなり体力と気力の衰えを自覚するようになってきました。

日本の会社でも終身雇用制度は崩壊し、ジョブ型採用の企業が増えてきているとはいえ、それでもよほどのことがないかぎり定年まで仕事が保障されているという日本の会社はやはり歳をとっていくにしたがってありがたみを感じると思います。

フリーランスは加齢により力(体力・頭の回転・気力・健康)が衰えれば、ダイレクトに収入にも影響が出ます。

こと健康に爆弾を抱えてしまえば、その瞬間に収入が途絶えてしまうという状況に陥りかねません。
(今では、そういった事態に備えた各種保険商品も登場してきていますが・・)

日本の会社も年功序列制度が徐々になくなってきているとはいえ、それでも、歳をとるにつれ徐々に出世して収入が増えるという会社の方が圧倒的多数でしょう。

フリーランスが将来の不安からサラリーマンに戻ろうとすることにも非常に理解できます。

AI台頭で多くのフリーランスから仕事が奪われ始めている

あとはやはりChatGPTのような高機能のAIの台頭が、多くのWeb系フリーランスやホワイトカラー労働者から職を奪っているという現実があります。

AIが得意な分野の作業は、クォリティ的にも生産性的にも人間はAIには勝てないので、仕事を奪い合うこと自体不毛でしょう。

AIが性質上苦手な分野のフィールドにジョブチェンジする方が合理的です。

もしくはAIを駆使する側に回るかです。

それまで報酬が高い傾向にあったホワイトカラーワーカーやクリエイターがAIに仕事を奪われたり報酬が下がったりする一方で、ブルーカラーワーカーは今空前の人手不足で報酬が高騰しているという・・・まさに諸行無常、時代の流れは読めません。

大企業は好景気や人手不足で魅力的な求人案件が増えている

日本は失われた30年と呼ばれるほど長い事デフレに苦しんできましたが、ここにきて大きくインフレに転換しています。

財政や社会の構造上、大きく利上げすることもできず、今後もインフレが進むことが予想されます。

インフレは収入が増加しない層の人たちには大きな負担となりますが、社会全体にとってみれば、特に大企業には売り上げ・利益を拡大する追い風となるでしょう。

現に大企業は空前の好決算ラッシュで、株式市場はバブル期の最高値を更新するほどの勢いです。

末端も含め、日本全体に恩恵があるかは疑問符がつくところではありますが、恩恵を受けている企業などは人手不足で求人条件も相当良い条件を提示して人を集めています。

情報収集をして自己投資を怠っていない人にとっては、優良企業への再就職にてキャリアアップを狙えるタイミングと言えるでしょう。

個人(フリーランス)でいることの最大のリスク・・・スキルの時代遅れ

わたしはこれまでフリーランスの働き方の素晴らしさを発信してきましたが、フリーランスで活動し続けることは至難の業であることも同時に発信してきました。

フリーランスになることは簡単ですが、フリーランスで活動をしつづけることは本当に難しい事なのです。

フリーランスで活動していると、じぶんのスキルが停滞し時代から取り残されることがあります。

浦島太郎状態となってしまうのです。

日々の仕事に終われリスキリングを怠っていると、ある日、ふとしたタイミングでWeb業界がいつの間にかテクノロジーが大きく進歩していることに気づき愕然とすることになります。

制作会社に所属し多くの仲間と情報交換したり、競合他社と競い合ったりしていると自然とリスキリングされたりするのですが、フリーランスだと仕事がひとりで完結することも多く、浦島太郎状態になりやすいのです。

時代の変化早すぎ問題・・・転職・再就職・ジョブチェンジを予め想定して生きていく

日ごろの業務をさばきつつリスキリングのために費用と労力をかけつづけられるフリーランスがどれだけいるか・・。

また仕事を選ぶ際も、自分のスキルが磨けるような難易度の高い仕事を意図的に選び、スキルが陳腐化しないように心がける・・そんなフリーランスがどれだけいるか・・。

スキルが陳腐化しないように立ち回るというのは非常に大変なことなのです。

とくに若いうちは情熱も体力もありあまるほどありますから大丈夫ですが、だんだんそれも衰えていくわけなので・・。

であれば自分のスキルを磨くという意味での転職・再就職・ジョブチェンジを人生のうちに定期的に実施することをあらかじめ想定しておくという戦略が求められるわけです。

日本では一つの会社で居続け出世競争に勝つことが成功のロールモデルとされているような風潮がありましたが、そんなモデルは時代遅れです。

圧倒的な時代の流れ、変化のスピードの前には自分も時には業界・職種を変えてジョブチェンジする、スキルを身に付けなおすなど、変化し続けなくては生き残ることは難しいでしょう。

終身雇用が崩壊したことは悪い事ではない

世間では終身雇用が崩壊したことが、日本の衰退、まるでこの世の終わりのような風にとらえられている節があるが、けしてそんなことはありません。

終身雇用が崩壊したことにより、人材の流動性が促進されて社会全体にメリットが大きいという見方もできます。

積極的に転職やジョブチェンジをする層や、再就職を狙うフリーランスにとってはチャンスが大きくなったと言えます。

今までの終身雇用・年功序列型の企業がほとんどの日本では転職をすればするほど、条件が悪くなるといった状況の人がほとんどでしたが、転職・ジョブチェンジが当たり前の世の中になれば、欧米のように転職でキャリアアップを狙いやすくなるでしょう。

身に付けたスキルは5年で無用の長物になる

スキルを身に付け念願のフリーランスとして独立したその日から、スキルの陳腐化が進むと考えて間違いありません。

やはり制作会社やマーケティング会社などに身を置いていればどんどん新しいスキルが半強制的に身についていきますが、フリーランスだとよほど高いモチベーションを持ってリスキリングに努めないと、スキルが進歩せず現状維持のままとなり、わずか数年で稼ぐことができない状態になりかねません。

じぶんがフリーランスとして独立した時に獲得していたスキルの大半が、今では無用の長物、何の役にもたたないスキルになりさがっています。

リスキリングのための再就職

そしてフリーランスは日々の業務をこなすのに精一杯で、新しい知識を身に付けるための学びや新しいスキルの獲得のために時間や労力・お金をかけることは非常に大変です。

そこで、フリーランスを続けるために一時的にリスキリングのための再就職を選択するという戦略が脚光をあびています。

やはりある程度、組織化されたWeb制作会社やWebマーケティング会社には、新しいテクノロジーや手法に対応した難しい要件の案件が舞い込みますので、こういった組織に身を置くことで強制的にリスキリングを行うわけです。

そしてまたフリーで活躍できると判断できればフリーランスとして再独立する・・・このように自ら変化し続けなくては、この変化の激しいWeb業界では生き残っていけないでしょう。

フリーランスを続けるためにあえて一時的にフリーランスから離れるという戦略です。

戦略を立てず、やみくもにジョブチェンジしても詰む

ただ単にフリーランスとして稼げなくなったからやむなく、就職できるところに再就職したという受け身の姿勢では、おそらくじり貧の展開が待っているでしょう。

再就職する企業で身に付けられるスキルは何なのか?

待遇・条件は?

自己研鑽や複業をするための自由な時間は確保できるか、そもそも副業は認められているか?

業界自体が斜陽産業ではないか?

今までの自分のスキルや経験が無駄にならない仕事か?

などなど

自分のキャリアを慎重に設計して行動しなければ、ただその日働きをする日々に転落してしまいます。

有給休暇・福利厚生が手厚いホワイト企業は最強

フリーランスをしていて自由な働き方を謳歌していても、やはり人生長いと何が起こるかわかりません。

事故や病気、プライベートや仕事上のトラブルなどに見舞われると一瞬で生活が破綻しかねないのが個人で活動するフリーランスの危うさです。

こういった危機的状況が垣間見えるときに、ホワイト企業の魅力に羨望のまなざしを向けてしまいます。

やはり最強はホワイト大企業・・・。

再就職できるものなら、いつでも再就職しても良いと思います。

それでもまたいつかフリーランスに

と、これまでフリーランスから企業に再就職する理由・戦略を挙げてきました。

じぶんはこれまでフリーランスという働き方の素晴らしさを伝えてきましたし、これからも発信し続けますが、やはり激動の時代に力の弱い個人の力では時に人生の荒波に飲み込まれそうになります。

フリーランスになっても再就職という選択肢を完全に排除せずに、ときに再就職というカードを使い、時代をうまく渡っていくことが求められます。

そしてまたいつか理想の働き方を追求したフリーランスとして再デビューすれば良いわけです。

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