100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスの山崎レモンサワーです。
複業メディア「ウィズパラ」で取り上げたテーマ「ECサイトはWordPressで?ECサイトをWordPressで構築するメリット・デメリットとは」について、話していきたいと思います。(元記事:https://wizpara.com/2286/)
Web制作系のフリーランスの方は、ECサイト制作の依頼が来た時に、なんのプラットフォームを用いてECサイトを制作されますか?
ECサイト構築する手段にはあまりに多くの選択肢があるので、Web制作者であれば依頼を受けるたびに何のプラットフォームを利用すべきか悩みがちです。
制作費用やランディングコストなどの予算や、集客をプラットフォームに頼るか自力でアクセスをかき集められるかなど、条件によって向き・不向きがあるので、それらをもとに勘案して、いくつかの適したプラットフォームにしぼることになります。
今日はECサイト(ショッピングサイト)の構築方法の選択肢のなかで、WordpressベースでECサイト(ショッピングサイト)を構築するティップスやメリット・デメリットに焦点をあてて話していきたいと思います。
WordPressベースでECサイトを構築するメリット
高いデザイン汎用性
ECサイトの機能を提供するプラットフォームは実に多くの選択肢があり、それぞれ実に多種多様な仕様や機能になっており、毎回Web制作者を悩ませる要因となっています。
その点、ECサイト以外の案件では、多くの案件でCMSとしてWordpressを導入する事から、ほぼすべてのWeb制作者にとってWordpressは、非常に使い込まれ慣れ親しんだツールであると言えます。
WordPressのカスタマイズ汎用性は非常に高く、デザイン面では、ほぼどのような表現も可能であり、クライアントのイメージを忠実に表現することはさして難しい事ではありません。
これまでは、ECサイトに必須の機能である
①カートシステム
②決済システム
③管理システム
④セキュリティシステム
⑤マーケティング機能
⑥カスタマーサポート機能
これらの機能を、Wordpress本体で提供することは出来なかったため、ECサイト構築時のツールとしてWordpressを採用することはありませんでしたが、後述するテーマやプラグインによって、ECサイトに必要な機能をWordpress上で補完することができるようになったため、WordpressはECサイト構築時の選択肢として、急浮上してきています。
コンテンツマーケティングとの連携
WordPressといえば、慣れ親しんだ管理画面から、投稿者が気軽に記事を投稿できるのも魅力ですよね。
魅力的な記事(コンテンツ)を集めたメディアを醸成し、サイトを分離させることなく、そのメディア内で物販する事ができるECサイトとしての機能もあわせもつことができれば、非常に強力でユニークな運用を行う事が可能です。
いちいちショッピングサイトに離脱させることなく、記事内で、商品をカートに入れるなんて使いかたも可能になる訳です。
SEO施策の講じやすさ
楽天やAmazon、Yahooストアなどのモールで出店したサイトも、カラーミーやショップサーブなどのASPを利用して作成したショッピングサイトも、ある程度、プラットフォームの仕様に制限され、自由な構造でサイトを構築することができません。
特にモールを利用したショッピングサイトの仕様制限は年々強化され、サイトごとにまったく構造の差が無いようになってきています。
これはSEOの内部的な施策を打とうとしても、やりようがなく、結局はモールやASPの広告をうつことによってしか露出を上げる手段がなくなることを意味しています。
その点、Wordpressではサイトをいかなる構造で作ることも自由自在です。
その他、SEO施策を講じるSEOマーケター御用達の便利なプラグインが豊富に揃っています。
通常のWebサイト同様、GoogleAnalyticsやGoogleSearchConsoleなども活用できるので、SEO施策を行うマーケターにとってはECサイト構築はWordpress一択といえるでしょう。
プラットフォームごとの制約・仕様制限がない
前項であげましたが、楽天やAmazon、Yahooストアなどのモールや、カラーミーやショップサーブなどのASPなどで、お店を出店する場合、ショッピングサイトはそれぞれのプラットフォームの仕様制限の範囲内で作成する必要があります。
とくにモールの場合、制限の条件が非常に厳しく、ショップによって差異を付けるのが難しく、デザイン面ではバナーのクォリティで勝負するしかないと言っても過言ではありません。
また、個別の商品ページ内も、写真のサイズ、商品写真への広告文言などへの禁止事項、写真掲載枚数の上限、商品説明分テキスト数の上限、マークアップ不可などなど、かなり禁止事項が多いのが印象です。
それに比べて、Wordpressは法律さえ逸脱しなければ、制限事項や禁止事項は無い訳ですから、自由自在に制作・表現することが可能です。
低コストでの制作・運用
モールやASPを利用すると、システム利用費用が発生し、基本的には広告費を払わないと大した露出が得られないので、広告費を含めるとかなりのランディング費用が発生します。
それに比べ、WordpressはWordpressの利用自体が無料なのと、ECサイト構築に必要なプラグインやテーマなどが有料の場合、多少のコストはかかるものの、モールやASPに比べると、月々のランディング費用はかなり安く抑える事ができます。
制作費用に関しても、サイトを作成するツール・プラットフォームとしてWeb制作者が慣れているのは、圧倒的にWordpressであるケースが多く、工数を安く抑えられる傾向にあります。
また過去に制作したサイトの中に、再利用可能なコードなども蓄積されているため、工数が少なくなるのです。
豊富なプラグインと豊富なテーマをサイト運営に活用できる
WordPressの最大の利点は、その圧倒的な利用者数の多さから、多くのテーマやプラグインが開発されており、その大部分を無償で利用する事ができる点です。
制作工程で超絶はかどるプラグインから、定期バックアップや環境復元のプラグイン、SNS連携をしてくれるプラグイン、強力なアクセス解析機能を提供してくれるプラグイン、開発をせずともインストールするだけでECサイトが完成するテーマなどたくさん揃っています。
後述でおもにECサイトを構築するのにもっともメジャーなプラグインとテーマをご紹介いたします。
WordPressベースでECサイトを構築するデメリット
セキュリティ面を自ら気にする必要がある
WordPressでECサイトを構築する際にもっとも気をもむのがセキュリティ面です。
モールやASPが提供するプラットフォームは、セキュリティ面が安定しており、何かあってもプラットフォームを提供する企業側が責任をとってくれます。
致命的なセキュリティホールがあれば、それこそ企業にとって致命的ダメージとなりますので、日々、セキュリティ面の向上に努めてくれているわけです。
逆にWordpressであれば、自らがセキュリティ面で責任を負わなければなりません。
サポートが受けられない
これも、モールやASPの利用であれば、なにか問題が発生したときに、プラットフォームを提供する企業のサポートに頼ることができますが、Wordpressではサポートセンターが存在する訳ではないので、技術的に解決できないトラブルが生じた時に、ショッピングサイトの運営がとん挫してしまうリスクがあります。
プラグインの更新が止まるリスク
WordPressでサイトを制作する場合、自らが一からすべてを制作する必要はありません。
複数のプラグインを利用する事でサイトを完成させます。
ただ、提供されているプラグインの中には、サポートが止まり、更新されずにそのままになるケースがあります。
そうなると、新しいセキュリティホールやバグが見つかった時に、それらの問題に対応することができず、実質、そのプラグインを使用することができなくなるというリスクが存在しています。
どうやってWordpressでECサイトを構築する?
前項で、WordpressベースでECサイトを構築する際のデメリット・懸念点をあげましたが、それでも、メリットを考慮するとWordpressでECサイトを構築する意義は大きいと言えます。
デメリット面をあらかじめ把握し、想定外のことが起きないよう、事前に準備を怠らなければ良い訳です。
では、実際にWordpressでECサイトを構築する際に、必須とも呼べるプラグインやテーマをご紹介していきます。
ECサイト構築用プラグイン
Welcart
「Welcart」は、世界でトップクラスのシェアを誇るWordPress専用のショッピングカート機能を提供するプラグインです。
国内のECプラグインにおいてもシェアはトップクラスで、現在では16,000以上のサイトで稼働実績を誇ります。
さらにWelcartはオープンソースソフトウェアのプラグインのため、無料でインストールすることが可能です。
簡単に下記のようなショッピングサイトに必要な機能群を導入することができます。
■ショッピングカートや決済
■商品や受注の管理
■お客さま情報の管理
拡張性・汎用性も高く、より高度なECサイトにカスタマイズすることも可能です。
国産のプラグインなので日本語に対応している点も嬉しいですよね。
WooCommerce
「WooCommerce」は、WordPressにECサイトとしての機能を付加するためのプラグインです。
WordPressを運営するAutomattic社が2015年に買収し、WordPressをECサイトとして利用するニーズに応えるために、積極的な開発が進められています。
今現在、全世界の上位100万サイトを対象にその20%以上のサイトがWooCommerceで構築されています。
日本でも既に5,000近いサイトが構築されている実績があります。
WordpressのECサイト用プラグインでは、世界No.1シェアというやつですね。
単純なオンラインショップから、会員サイト、予約販売サイト、マーケットプレイスまで、幅広くネットショップの構築が可能です。
信頼性も高く、操作性もWordPressユーザーにとって非常に使いやすく、既存サイトへの導入も比較的簡単に行えます。
ECサイト構築用テーマ
Ankle(TCD)
WordPressテーマ「Ankle(アンクル)」はWooCommerce専用のデザインテンプレートで、初心者でもかんたんにネットショップが作成できます。
19,800円(税込)
EGO.(TCD)
EGO.はショッピングカート「WooCommerce・Welcart」対応のECサイト向けWordPressテーマです。
39,800円(税込)
GLAMOUR(TCD)
GLAMOURは大型プラットフォームと一線を画す自社ECマガジンを構築できる、プラグイン「Welcart」に対応したWordPressテーマです。
39,800円(税込)
ICONIC(TCD)
ICONICは高品質なECサイトを簡単に構築できる、日本語ショッピングカートプラグイン「Welcart」に対応したWordPressテーマです。
39,800円(税込)
まとめ
どうでしたでしょうか?
これらのプラグインやテーマを利用する事で、Wordpressベースでも簡単にECサイトを構築できるようになっています。
モールやASPの制約・制限を受けることなく、マージンも抜かれることなく、一点物のショッピングサイトが持てるのです。
テンションが上がりますよね。