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今やらないといけないのに先延ばししてしまう行動 ← コレ、本能かもしれません。

『先送りは生物学的に正しい』と聞いて、「仕事で日頃耳にする事と違うな。」と違和感があるかもしません。ミーティングで提案や意見がでない状況や、自ら積極的にタスクを取りにいかない状況、社内でもよく目にする状況です。それらの行動が本能だとしたら?

今回は「先送り」について考えてみましょう。

「先送り」戦略について

宮竹貴久教授は動物行動学や進化生物学の権威であり、『「先送り」は生物学的に正しい 究極の生き残る技術』という著書を出版されています。生物の行動や生存戦略に関する重要な研究結果を読む事ができます。

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宮竹教授の研究によると、生物学的な「先送り」行動は、例えば天敵から攻撃を避けるために進化した戦略としています。

具体的には、「動くことを先送り」して、危機を察知した時に動かずにじっとしている、フリーズすることで、注意を他の動き回る個体に向けさせる行動の事です。結果、動かない個体は生存する確立を上げる事が可能になります。

「動く」は推奨される

「動く」タイプ、積極的に仕事を引き取り行動に移す社員は、責任感が強く、チームを引っ張る力を持っています。

このような社員は、仕事の進捗が早く、プロジェクトの進行がスムーズになります。さらに、彼らの行動は他の社員にも良い影響を与えます。

また、問題が発生した際に迅速に対応し、解決策を見つける力が強いとされます。これら行動の傾向は、一般的に会社で推奨されるものであり、「動ける」社員としても注目されます。

「動かない」は損をする?

一方「動かない」タイプ、一見すると消極的に見える社員ですが、トラブルや不確定な状況を避ける傾向が強く、観察力に優れているタイプと言えます。

別の言い方として「慎重」であると言えます。彼らは状況を冷静に見極め、最適なタイミングで行動することを得意としています。これにより、無駄なリスクを取らず、長期的な視野で行動を決定することができます。

但し「動かない」社員は、慎重であると同時に、消極的に見えることがあり、場合によってはリーダーシップが不足していると見なされることがあります。

一般的に、例えばリーダーやマネージャーが「先送り」することは、「責任から逃れる行動」、「役割に対する理解不足」とされてしまう可能性は高いのではないでしょうか。

「動かない」タイプには二種類ある

本能で完全にフリーズしてしまって動けなくなる「本能的に先送り」するタイプなのか、慎重に行動するために「戦略的に先送り」するタイプなのかを識別する事は重要です。

戦略的に先送りをしているタイプは、状況を冷静に見極め、最適なタイミングで行動を起こすために一時的に発言や行動を控えます。長期的な視野を持ち、無駄なリスクを避けることで、組織の利益を最大化しようとしています。

例えば、急ぎのプロジェクトに対して即答せず、十分な情報を収集し、分析した上で最良の判断を下すことができるでしょう。そうした社員は、「持ち帰って検討させて頂きます。」や、「何が最適なのか考えましょう。」こういった表現をしばしば使います。

どちらが良いというわけでもなく

一方で、「本能的に先送り」をしている社員は、目立たないように行動を取る傾向が見られます。

例えば、各部門間での打ち合わせで、自分の部署の仕事にもかかわらず「沈黙」する、言われるまで手を挙げずアサインされるまで「待つ」ような行動は、責任を回避するために単に行動を放棄し、一般的には利己的な行動と受け取られる可能性が高いといえます。

とはいえ、組織内では様々なタイプが共存し、それぞれが組織に適応するが重要です。積極的な社員が牽引し、戦略的な社員が長期的なリスクを回避することで、組織はより柔軟で強固なものとなります。

その両者の多くで安定した企業文化を形成し、受け皿となって人の本能的な部分を受容する。結果、組織全体、また会社の生存力が向上すると考えます。

ここまで読んで下さってありがとうございます。


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