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(前編)社長交代で何もかもが「新しく」なった。会社の改革の潮目に居合わせた労務担当の「ワタシ」だから言える,松井証券のビフォーアフター【役職:プロフェッショナル / 土橋 美也子】

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(後編)こんなに変えていいんだ:私がやるのは「攻め」の現場改善。時代の波に乗り遅れない「変化し続ける松井証券の労務,人事」を支える秘訣とは?【役職:プロフェッショナル / 土橋 美也子】 | 松井証券株式会社
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■ 社長交代ですべてが変わった。肌身で感じた変化の予兆

―司会:本日はプロフェッショナルという役職に就いて、労務面のプロジェクトリーダーをされている土橋さんのインタビューです。記念すべき第1回目。よろしくお願いいたします!早速ですが、土橋さんは入社何年目ですか?

はい、よろしくお願いします!2000年12月入社なので23年目ですね。こうして数えると非常に長い間働いているな~と感じますね(笑)。

―司会:23年!それはとても長いですね。当社の様々な歴史を見てきたのかなと思いますので、ぜひ様々教えてください。この会社に入って、どのタイミングで「会社が大きく変わったな」と感じましたか?やはり2020年の社長交代でしょうか?

そうですね。大きく変わったと感じたのは、やはり社長交代したときだと思います。今までは「~社長、~部長」と全社的に役職で呼ぶのが当たり前でした。現社長の「和里田」は、外資で働いてきた歴も長く、フラットなコミュニケーションを望むこともあり「今後は役職呼びはやめましょう!私のことも和里田さんと呼んでください」との全社的な発表があったときはカルチャーショックを受けましたね。とはいえ「本当に”さん”付けで呼んでいいのかな・・・?」という感覚があって(笑)。

まずは周囲の社員の様子を見ていたのですけども、オフィスのいたるところから、和里田のこともそうですし、役職を持っている人間のことも「~さん」と呼ぶ声がちらほら聞こえてきて「あ!本当に”さん”付けで呼んでいいんだ!」と思い、私も”さん”付けで呼ぶようになりました。

「あぁ、何かが大きく変わるんだ」という予兆を確かに感じた瞬間でしたね。これをお読みいただいた方々の中には「そんな普通なこと」と思われるかもしれませんが、以前は「典型的な日系企業」という風土,文化が存在していましたので「全員を”さん”付けで呼びましょう」ということは私たちにとっては大きな変化だったんです。

■ 人事総務部の顧客スコープは全社員。漫然と仕事をしていた日々が一変した

―司会:そうだったんですね!その他にも「社長交代にともない、変わった点・変わる予感がした点」などありましたか?

土橋:私は人事総務部の労務担当として働いています。管理部門なので「会社が安定的に動くように・ミスのないように」ということに注力してきました。部署としても「コストと安定的なオペレ-ション」を求めていたので、私自身もそれは意識して働いていました。

しかし、社長交代のタイミングで自部署の役員も変わり、今後については「コストと安定性に優位性を置かない」という説明を受けました。さらに「お客様のスコープ設定」という話があり、人事総務部門は「全社員」をお客様と設定しようという話がありました。

―司会:お客様の設定、大事ですね。曖昧さをなくすことで、よりミッションにコミットしやすくなるように思います。

土橋:そうですね。当社は社長交代前までは、このような話もなく、自分自身も周囲も漫然と仕事をしてしまっていた側面はあるので、新しい感覚でした。「誰がお客様なのか?」という明言があったことで、おのずと意識して働くようにもなったと思いますし、評価制度の一環で「目標設定」を全社的にやっていますが、人事総務部門としての顧客のスコープ設定が明確化されたことで、個人目標も具体的に立てられるようになりました。正直それまでは経営目標が現場におりてこないまま日常業務をこなしていく感じでしたね。

■ 経営目標が共有されることの大切さとは。私たちが求めていたのは”現場の納得感

―司会:仕事の実務面での変化はありましたか?

土橋:はい、ありましたね。例えば、今まではルーティンの仕事が多かったですが、(私の場合は)イレギュラーの仕事が増えました。例えば、経営陣の刷新に伴い、人事制度も新しくすることになりましたし、新たな試みにチャレンジする機会が増えました。

前述の通り、今までは経営目標が現場におりてこないので「これをやりましょう」と結果だけが現場に伝わって、言われたことをやっているという意識でしたが、社長が新しくなったタイミング以降は「どういった経営目標があって、どのような経営サイドの考えがあって、現場はこれにコミットしていくのか」という詳細な説明が都度ありました。まずは経営目標がこれで、そこから考えるとこれをやる必要があって~という具合です。

「方針・目標・業務」が全て紐づいて現場にもおりてくる。これは非常に重要で「現場の納得感」に繋がります。「あぁ、私たちは、ここに向かって働いていくのだ」と腹落ちして走れるかどうかは、自分のパフォーマンスやエンゲージメントと直結していると感じます。恐らく他の社員もそうなのではないでしょうか。このタイミングで「生産性や効率性」という点もすごく意識するようになりましたね。それはきっと、経営サイドによる明確な目標や趣旨説明が行われたことで、自分の意識が変わったのだと思います。


( ↑皇居を一望できるオフィスからの眺望と土橋さん )

―司会:なんだかとても大きな変化ですね!会社が大きく変わる瞬間に居合わせられるチャンスはそうないので、とっても貴重な体験でしたね。

土橋:そうですね。私が所属の「人事総務部」というよりも会社全体的に「会社を良くしていこう!働きやすい環境にしていこう!色々改善していこう!」という非常にチャレンジングな姿勢や意識がいたるところで見て取れました。2020年時点で約20年在籍していた私にとって、これはとてつもなく大きな変化でした。

―司会:大きな変化に対する戸惑いはありましたか?

土橋:風土,文化がよりフラットでチャレンジングなものに変化することは自分にとっては良いことだったので、そこまで大きな戸惑いはありませんでしたが、すぐに前述のような「意識改革」ができたわけではありませんでした。経営サイドの言っていることは「言葉として」理解はしていたものの、漫然としていたというか、今まで「小さな業務改善」はしていたものの「業務改革していこう」という意識がなかったので。

(顧客意識を高めることや、経営目標から逆算して行動するなど...)ついていけていない自覚というか、自分事として主体的にとらえきれなかった状態はあったと思います。実は「組織,会社をよりよく変化させたいな」って主体的に考えられるようになったのは新体制になってしばらく経ってからでした(笑)。

■ 意識が全社員へ「浸透」することの難しさ。度重なる経営サイドからの説明

―司会:しばらく経って、そういうマインドになれたのは理由があったのでしょうか?

土橋:はい。上層部からの1回の説明だけで終わっていたら「へぇ~、そうなんだ」と思って、あまり意識が変わらなかったと思うんですけど、経営サイドおよび上司が何度も何度も説明の機会を設けて働きかけてくれたことで、だんだん意識として浸透していったと思います。これは私だけではなく全社員に徐々に浸透していったと感じています。

社長・役員がメインとなって生配信をする「全社集会」というのがあるのですが、全社員へ向けてのメッセージ発信の場なんですよね。それがスタートしたのも2020年以降です。今までは年に1回、年始に訓示があり、それ以外はほとんどなかったので、経営サイドが何を考えているのか?自分は何を目標にすればいいのか?私たちがわかるすべはありませんでした。

―司会:「会社としてどこに向かおうとしているのか?」を社員が知ることってすごく大事ですよね。会社としての目標から逆算して自分の目標を立ててアクションしていくことは、"やりがい"にも繋がるのでとても大事だと思います。

土橋:いまは定期的に「全社集会」や、部内でも上司によるメッセージを伝える場が設けられていたり、エンゲージメント調査も全社的に行っています。「プロフェッショナル」という役職について労務を管理している身としても、一社員としても「いまみんなが何を考えているか?」「会社がどういう状態にあるか?」が可視化されて把握しやすくなり、現場サイドもそれに応じて戦略を練れるようになりました。

当部の部長も少なくとも半期に1度は、経営目標やそれに伴う自部署の目標とアクション内容を詳細に説明してくれるので、今も納得感は継続しています。(▼後編へ)

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( ↑2022年にオープンした当社フリースペースは明るい雰囲気です)

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