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超高齢社会の先端を走る日本は世界から何を求められているか

先月のストーリーでも発表させていただきましたが、公益財団法人日本国際交流センター(JCIE)ならびに東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)が創設し表彰する「アジア健康長寿イノベーション賞2024(HAPI)」にて、弊社はテクノロジー&イノベーション部門の大賞を受賞しました。この受賞は私にとって非常に大きい喜びであり、これまでの活動が報われた瞬間でした。

私は父親の在宅介護をきっかけに13年前に介護業界に転職しましたが、はじめから起業への意思は強く、サラリーマンをやりながら知見とネットワークを築き、3年で独立をしました。その後、出身地である長野県から東京へと拠点を変え、2019年に広島県の大崎下島で会社を設立します。医療保険や介護保険制度に対する見方は色々とありますが、日本のように誰でも医療サービスや介護サービスを受けられる環境は、先進国には見られますが、国ごとに大きな差があるのが現状です。

さて、今回の受賞で強く感じたことがあります。それは、日本が他の国々に対してお手本となるような世界観を示さなければならないということです。日本は、世界のどの国も経験したことのない超高齢社会を先頭で突き進んでいることから、良いプロダクトやサービスはたくさんあります。しかし、「高齢者だらけの世の中でも、こうやったらみんな幸せになれるんだよ」という世界観はまだまだ示せてないように思えます。

高度経済成長期には、「追いつけ、追い越せ」の掛け声のもと、欧米の技術やノウハウを導入・応用して経済成長を達成しました。しかしながら、超高齢社会においては日本が先頭にいることから各国が日本の行く末を注視しています。つまり、日本がリーダーシップを取れる領域であり、もっともっと超高齢社会における在るべき姿を示していくべきなのです。

先日、審査員の方から「日本からこんな提案が欲しかったんだ」という声があがっていたと事務局の方から教えていただきました。私たちの国はいつも東京から物事が移り変わります。私がいつも見ているのは、その真逆にある僻地と呼ばれるような島からの景色です。医療や介護資源が乏しい場所ではあるのですが、そこからアジアの国々に向けて超高齢社会における一つの在るべき姿を提案し、それが評価されたことは、私たちにとって大きな大きな自信になったことは間違いありません。


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