大規模盛土造成地の調査業務のご紹介

こんにちは！昨年に引き続き、冬の寒さに当っても私の園芸熱は冷めることなく、最近はサボテンを種から栽培（実生）している入来院です。現在、南米サボテン（コピアポア属、エリオシケ属）を中心に数百粒播種して日々観察しております。興味のある方は是非お話しましょう！

＜はじめに＞
大規模盛土造成地が必ずしも危険、という趣旨の記事ではございませんのでご留意ください。

▰ 大規模盛土造成地とは
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さて、皆様は2021年7月に起きた『熱海市伊豆山土石流災害』をご存じでしょうか。多大な被害を出したこの災害の原因が“違法な”盛土であったとして、各種メディアに取り上げられたため、記憶に新しい方が多いかと思います。

今回ご紹介するのは、そういった盛土に係る事業『大規模盛土造成地の調査』についてです。

『大規模盛土造成地』の身近な例を出しますと、ジブリ映画『耳をすませば』で主人公の月島雫が住んでいた多摩ニュータウンがその一つです（作中歌『コンクリートロード』の「山を切り、谷を埋め」という歌詞はまさに盛土を表現しています）。また、平成狸合戦ぽんぽこの舞台も同じです。例えが古かったでしょうか・・・。元々は高度成長期に住まいの場所が平地から郊外の丘陵地や台地へと広がっていったことに起因しており、現在も人々の暮らしと密接に関わっています。

盛土の種類は大きく分けて２種類あります。

▰ 大規模盛土造成地を調査する理由
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前述の熱海の災害以外にも、兵庫県南部地震（阪神淡路大震災）や新潟中越地震、東北太平洋沖地震（東日本大震災）等、大きな地震の際には盛土の全体、または一部が崩壊する被害が毎回発生していることから、当社はこの事業に積極的に取り組んでまいりました。

【盛土の滑動崩落メカニズム】
■通常時　　： 盛土が滑りだそうとする力に対し、抵抗する力が大きい為安定している
■地震発生時： 滑りだそうとする力に地震力が加わり、盛土部分が滑り落ちる（活動崩落）

滑り台に例えると、滑り台斜面に座っている状態（図①）で、後ろから誰かに押してもらう（図②）ことで滑り落ちる（図③）、といった具合です。

▰ 『大規模盛土造成地の調査』事業フェーズ
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当該事業フェーズは大きく分けると以下の通りです。

① 第一次スクリーニング
　・大規模盛土造成地の位置や規模を把握する。

② マップ作成
　・住民への理解を深めるために地図を作成・公表する。

③ 第二次スクリーニング計画
　・現地調査（擁壁やのり面の構造の調査、変状がないか、地下水が漏れ出していないかの調査）。
　・現地調査の結果から、どの地点で第二次スクリーニング（地盤調査）を行うか決定する。
　・必要に応じて学識経験者（大学教授等）の助言を得る。

④ 第二次スクリーニング
　・コアを採取する「ボーリング調査」や「室内土質試験」を行い、地盤状態を詳細に調査する。
　・地盤の安定計算を行い、崩壊や変形が懸念される場合は対策工事等を助言する。

ボーリング調査

⑤区域指定・勧告
　・区域指定の提案を行う。※勧告は行政が行います。

⑥滑動崩落防止工事
　・対策工法の検討を行う。※施工は工事業者が行います。

対策工事イメージ　※「我が家の宅地安全マニュアル（活動崩落編）」（国土交通省）より引用

①②を地理空間情報部門（航空測量・GIS等地理調査）が行い、③～⑥をコンサルタント部門（地質）が担当するため、両方の技術者を保有している当社であれば、一社で完結できる、という強みがあります。

▰ 『大規模盛土造成地の調査』の今後
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これまで、『宅地造成規制法』という法の下、宅地の盛土のみが規制対象となっていましたが、冒頭の熱海市違法盛土の件を踏まえ、危険な盛土等については種類問わず全国一律の基準で包括的規制を行えるようにするため、2023年5月より『宅地造成及び特定盛土等規制法』が施行されました。
調査対象が広がったことで、当該『大規模盛土造成地の調査』事業においては今後ますます需要が増える見込みです。

▰ この業務に向いている人
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・地図や地質に興味があり、防災の観点から社会貢献したい人
・様々な調査結果から論理的な結論を導き出せる人
・多種多様なステークホルダーとコミュニケーションを円滑にとれる人

▰まとめ
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１．大規模盛土造成地は全国各地に存在する
２．大規模盛土造成地は震災等災害時に崩落の危険性がある地域も存在する
３．危険な個所をいち早く特定し、対策を打つことで災害を減らすことができる
４．法律改正によって、これから更に需要が増える見込みである

以上、大規模盛土造成地の調査についてのストーリーでした。

ご興味のある方は是非、当社インターンや採用選考にご応募ください。