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「龍が如く」で世界の頂点を目指す。セガ第1事業部が魅せるこだわりに迫る

2005年に第一作が発売され、コアなファンを獲得してきた「龍が如く」シリーズ。日本の街並みをリアルに再現した本シリーズは、海外でも絶大な人気を誇っており、ゲームで日本文化を学んでから来日する海外ファンも少なくありません。

そんな「龍が如く」シリーズを開発しているのがセガ第1事業部。これまで18年間でシリーズ全20作を開発してきました。

今回は事業部長の横山昌義氏に加え、デザインセクションの部長である深川大輔氏、プログラムセクションの部長である伊東豊氏にインタビューを実施。ゲーム作りへのこだわりと第1事業部のビジョンについて聞きました。

「龍が如く」ファンの方はもちろん、ゲーム業界で世界No.1を目指している方はぜひ御覧ください。

リアルに再現された日本の街並みが世界で評価される「龍が如く」シリーズ

―まずはみなさんの経歴を聞かせてください

横山:私は1999年に新卒入社して、プランナーとしてコンシューマーゲームの企画の仕事を20年以上続けてきました。「龍が如く」シリーズには初期作から携わっており、シリーズのほとんどの作品の開発に関わっています。

深川:私は2011年にデザイナーとして中途入社しました。入社と同時に「龍が如く」の制作チームに入って、それからずっとシリーズの開発に携わっています。

伊東:私は1996年に新卒で入社しました。当初は「バーチャファイター」をはじめとするアーケードゲームを開発する部署にいたのですが、組織再編のタイミングでコンシューマーゲームを作る部署に移ることに。入社当初からプログラマーをしており、ゲームエンジンの開発などにも携わってきました。

―第1事業部についても聞かせてもらえますか。

横山:第1事業部は「龍が如く」を中心にコンシューマーゲームを開発しているセクションです。その特徴は、最先端の技術を常に追い求めているところ。「龍が如く」はセガの中でも最もハイエンドなタイトルのため、最新技術が好きな人が多いです。

そんな第1事業部のミッションは「龍が如く」のIPを育てること。そのため、開発だけにとどまらず、ブランディングやプロモーションも自分たちで行っており、特にグローバルでの知名度を上げるための取り組みにも力を入れています。

職種の壁が少ないというのもこの事業部の特徴です。例えば企画のメンバーがプログラマーの部長に企画内容について相談をしにいったりすることも多いです。1つのタイトルに様々な職種が意見を出しながら、全員で作り上げています。

―海外で販売するために、どのような工夫をしているのでしょうか。

横山:海外で販売するためとは言え、シリーズのコンセプトなどは変えていません。ただし、ゲームの世界観を壊さないように正しく翻訳したり、その国の宗教やカルチャーに合わせて問題にならないよう配慮しています。

また、当初は日本の声優さんの台詞に現地の言葉で字幕を当てていたのですが、現在は海外でオーディションを行い海外の声優さんに吹き替えしてもらっています。そのため、顔の動きも現地の言葉に合わせて動くよう調整しながら、現地でも受け入れやすい工夫をしています。

―「龍が如く」では歌舞伎町や道頓堀など日本の街並みを再現していますが、海外でも面白いと思ってもらえるんですね。

横山:日本の街がリアルに再現されているのが、逆に海外の人にウケているようです。シリーズを始めた当初は海外で発売するつもりはなかったのですが、予想以上に海外での反響が大きく8年ほど前から海外展開を始めました。それが今や海外での売上が全体の7割を占めるまでになっています。

国内のどこの観光地もインバウンドの観光客で溢れかえっているように、日本の街を楽しみたいという外国人の方は少なくありません。ゲームで日本について勉強してから来日するという方もいるようで、私たちが思っていた以上に海外で評価されたようです。

ユーザーの期待を超え続けるゲーム作りへのこだわり

―「龍が如く」を開発する上でのこだわりを聞かせてください。

横山:「面白いゲームを作る」以外のこだわりを持たないことです。通常、シリーズものってゲームジャンルは変わりませんよね。しかし、「龍が如く」はRPGやアクションなどジャンルも変われば、時代背景すらも変わります。新選組をモデルにしたり、ゾンビものをやったりと、もうめちゃくちゃです。

世の中に求められるものを作っていくだけなので、シリーズものだとしても同じものを作っていこうという気はサラサラありません。そのため「このジャンルを作りたい」という方より、ジャンルにこだわらず「とにかく面白いものを作りたい」というモチベーションを持った方にこそ合った事業部だと思います。

―プランナーとしてのこだわりはありますか?

横山:「龍が如く」のプランナーには「なぜ面白いか伝えること」を大事にしてもらっています。プランナーは設計書を作ってプログラマーに作ってもらうのが仕事ですが、私たちの設計書の作り方は業界の常識と少し違います。

通常、ゲームの設計書は具体的な数値までプログラマーに指示しなければなりませんが、私たちは細かい数字はほとんど気にしません。なぜなら、私たちのプログラマーは、自分たちで考え、より適した数値に直してくれるからです。

細かい数値よりも大事なのは「何を表現したいのか、なぜそれが面白いのか」というコンセプトをしっかり伝えること。そのためプランナーには、専門的なスキルや知識を求めていません。どうしたらゲームが面白くなるか考え抜き、チームに共有することだけを意識してもらっています。

―デザイナーやプログラマーはプランナーの意図を汲み取ってゲームを作っていくのですね。

深川:プランナーが考えた面白さを表現するのは、プログラマーやデザイナーの仕事です。だからこそ「龍が如く」のデザイナーは、言われたことをやるだけの方には向いていません。設計書に書いてあることをしっかり咀嚼し、自分なりにデザインに落とし込む力が求められるのです。

どんな天才だって、一人で面白いゲームを作り続けられるわけではありません。チーム全員が同じ視点でゲームを面白くしていくからこそ、毎回ユーザーの期待を超えるゲームを作り出せているのだと思います。

職種に関係なく、全員がゲームを面白くしようとしているので、意見が対立することも珍しくありません。そういう議論を繰り返しながらゲームを面白くしていける方は、第1事業部での仕事を楽しめると思います。

―デザイナーの観点から、「龍が如く」シリーズを作るこだわりを聞かせてください。

深川:リアルを追求しながらも、シリーズのオリジナリティをしっかり出せるようこだわっています。たとえば、「龍が如く」はリアルな街並みが売りの一つですが、本物と同じものをただ再現すればいいというわけではありません。リアリティを失わずに、いかにゲームの世界観を体現するオリジナリティを生み出せるか、いつも悩んでいます。

また、キャラクターには実際の芸能人の方を3Dスキャンして再現することがありますが、ここでもオリジナリティを出すことを忘れないようにしています。ゲームの中でリアリティとオリジナリティの両立を追求したい方にとっては、これ以上ない仕事だと思いますね。

―プログラマーとしてのこだわりはいかがですか?

伊東:常に最適な技術やツールを使うよう心がけています。深川が言ったように、「龍が如く」シリーズはいかにリアルな街並みを表現するかが求められており、それには最新技術が欠かせません。

常に新しい技術を探し、試すようにしています。私たちは社内でゲームエンジンを作っていますが、それに固執せず、社外のエンジンも試しながら常に最適なものを探っているのです。そのため、新人研修では3つのエンジンについて使い方を教えており、どんなタイトルであっても最適なエンジンでゲーム開発ができる体制を整えています。

「龍が如く」ファンはこれまでのキャリアを問わず応募してほしい

―どのような方と一緒に働きたいか聞かせてください。

横山:「龍が如く」を愛している人です。ゲーム作りは決して楽しいだけの仕事ではありません。むしろ、達成感を得られるのはリリースした瞬間だけで、開発期間中は辛いことの連続です。

力の限りを尽くしてゲームを作って、それでもユーザーに満足してもらえなければSNSなどで容赦のないご意見をいただきます。私なんてプロデューサーとして名前も出しているので、名指しで批判されることも珍しくありません。

それでもゲームを作り続けられるのは「龍が如く」が好きだから、会社が好きだからです。仕事が大変でも、より面白いゲームを作りたいというモチベーションの方と働きたいですね。

大変な仕事ですが、IPが好きだから頑張れますし、その熱意が成果に繋がるんですね。才能は人に見つけてもらうものだと思っているので、「龍が如く」が好きな方にお会いしたいですね。

―深川さんが一緒に働きたい方も教えてください。

深川:常に変化を求めている方です。私も前職は全く別の業種の営業で、今とは全く違う仕事をしていました。前の仕事を辞めたのは変化がなかったからです。毎日ルーティン通りに行動してノルマを達成するだけの仕事に物足りなさを感じて、今の仕事を選びました。

今は同じ仕事を2度することはありません。同じものを作るにしても、必ず以前より良いものを作らなければなりませんから。新しいことに挑戦するから自分が成長できて、成長するから新しいことに挑戦できるので、仕事に飽きることはありませんね。

だからこそ変化を求めて自発的に動ける方と一緒に働きたいと思っています。

―伊東さんはいかがですか。

伊東:最新の技術を常に研究している方、吸収力がある方です。最新技術に興味があるならゲーム業界出身者じゃなくても構いません。業界経験者ばかり求めるゲーム業界では、これは珍しいと思っています。

なぜ、私たちが業界経験を求めていないのか。それは、スキルの高いプログラマーであれば、ゲーム業界で通用するレベルに育てる自信があるからです。しっかり教育にコストをかけているので、すぐに辞めずに長く働いてくれる方に入社してほしいですね。

―最後に第1事業部に興味を持った方にメッセージをお願いします。

横山:何より「龍が如く」のファンには、話を聞きに来てもらいたいですね。たとえば、現在中国のローカライズを担当しているのは学生時代から「龍が如く」のファンだった中国出身のメンバーです。「龍が如く」が好きで日本の大学に入って、新卒で入社してくれました。

長年「龍が如く」を遊んできているからこそ、その知識が仕事にも生きているんですね。たとえばセリフを中国語に訳すときも、ただ翻訳しただけでは中国語ネイティブの方からすると「ヤクザが丁寧な言葉ですごんでいる」という奇妙なシーンになってしまいます。

しかし、彼はヤクザが話すであろう言葉に翻訳してくれるので、より忠実にゲームの世界観を表現できるのです。そのようにゲームを長年遊んできたからこその知識やノウハウがゲーム作りにも生きるので、ぜひファンの方は応募してほしいと思っています。

深川:世界最高峰のゲームを作りたい方はぜひ応募してください。世界一になるまでに乗り越える壁はありますが、チーム全員が世界一をとれると信じてゲームを作っています。ゲーム業界未経験の方も大歓迎なので、少しでも興味のある方はぜひ話を聞きに来てください。

伊東:やる気満々の方も、やっていけるか不安に思っている方もウェルカムなので、安心して話を聞きに来てほしいですね。

横山:直接ユーザーと繋がれるのが第1事業部の面白さだと思います。定期的に生配信を行ったり、SNSも自分たちで運営しており、ユーザーの声に直接触れる機会も少なくありません。

通常、ゲーム会社のビジネスは販売店やプラットフォーマ-とばかり付き合うBtoBです。しかし、第1事業部ならBtoC企業のように直接ユーザーにPRできます。リアルのファンイベント、YouTube、SNSなどを使い、グローバルに情報を発信しているので、世界中のファンと繋がれるのです。

単にゲームを作るだけでなく、ゲームを楽しんでもらうまでの企画も楽しめる方はぜひ第1事業部に応募してください。

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