2018年より始まったオルビスのリブランディング。そんな進化のタイミングで、ブランドの顔となる商品の企画を任されたのは20代の若手社員でした。
第二創業期を迎え、新しいオルビスを代表する商品の企画というミッションを担当した2人。
今回は、「ORBIS U」の企画担当・鈴木奈々絵と「DEFENCERA」の企画担当・杉本豊明に、オルビスでの裁量ある働き方、やりがいについて話してもらいました。
仕事は人々の「笑顔」を生み出す商品を作ること
ーーお二人はオルビスへ2013年新卒入社の同期で、入社7年目ということですが、入社を決められた理由はありましたか?
鈴木:わたしは就職活動時、「人の笑顔を引き出す仕事をしたい」という思いを大切にしていました。 そこで化粧品という分野に限らず、企画職での仕事をしようと決めていて。そんなとき、オルビスでは1年目から企画の仕事ができることを知り、さらにオルビスの魅力を感じていって入社しようと思ったのがきっかけです。
杉本:僕は「人の健康に貢献する」を軸に就職活動をしていました。もともと、健康は自分の中で大切なキーワードで、健康に貢献するには薬と思い、薬学部に進学したんです。
その大学時代、自分の人生を振り返ったとき、良いことがあったり、肌の調子がよかったりするとふと笑顔になって良いモチベーションになれていることに気づき、「人が健康に過ごすためには笑顔であることが大切」だと実感するようになりました。そんな「健康のために必要な笑顔を作ること」を考えたとき、化粧品がイメージできました。
また、働いている人たちの雰囲気は決め手として大きかったですね。誠実さや人の良さを入社前の選考過程でも感じました。
鈴木:それ、私もわかります...!オルビスでは選考のステップからも就活生を大切にしてくれていると感じられました。 私らしさを活かして働きたいという思いもあったので、ちゃんと自分のことを見てくれていると感じられたのは、ここで働きたいという思いに繋がったと思います。
ーーそんなお二人ですが、当初描いていたキャリアは実現されていますか?
鈴木:私は実現できていると思います。
杉本:僕もですね。
鈴木:商品企画一筋で6年間仕事をさせていただく中で入社当時に意識していたたくさんの笑顔に出会うことができました。使い心地がよかったと直接フィードバックをいただく機会もあり、嬉しいコメントは、本当に「企画者冥利に尽きるなぁ」と実感しています。
杉本:僕も企画職を希望して1年目から商品企画部の配属になりました。「オルビスは若手から裁量がある仕事があります」とは言われていて心の準備はできていたものの、想像以上で驚いたのを覚えています。
ーー驚いたとは?そして、若手からの裁量とは具体的にはどのようなことだったんですか?
杉本:1年目の9月に商品企画部に配属された時、実は配属された時点で企画を担当する新商品が3つもあったんです。翌月には社長プレゼンがきまっていてスピード感がありました。
鈴木: 私も1年目で担当商品を持ったときベテランで一回り以上歳の離れた お取引先様に配属直後からクライアントという立場で的確な指示を出さなければならないのは大変でした。やっていかなきゃいけない部分は、ちょっと無理しながらでも追いついていく、と頑張っている中で自信がついてきましたね。
先ほどもお伝えしたリブランディングの要である新ORBIS Uの企画を始めたのも、実は入社して3年目なんです。当初は「私なんかにこの企画を任せて大丈夫...?」と不安になりながらも、リスクを負いつつ裁量ある仕事を任せて全力でサポートしてくれるのは、オルビスの良いところだと思っています。
杉本:若手のうちから決まった業務だけでなくチャレンジさせてくれて、フォローもしっかりしてくれるのが有難いですよね。
ーー鈴木さん、新オルビスユーの企画、3年目のときだったんですね!お二人が責任を持って担当されてきたお仕事のひとつに、オルビスの第二創業期を支える「ORBIS U」・「DEFENCERA」の企画があると思いますが、この重大プロジェクトを任された時の心境はいかがでしたか?
鈴木:私の場合は、先ほどもお伝えしたとおり3年目の時上司に呼ばれ「オルビスは今こそブランドを更に進化させる必要がある」という話をされると同時に、商品のリニューアル の話からではなく「オルビススキンケアの提供価値を再定義せよ」というお題を頂いたんです。
そして「オイルカット、酵素活性に続く第三世代を築く商品を」ということでオルビスの象徴商品であるORBIS Uの企画の担当を任されました。
正直、不安もありましたがそれ以上に嬉しい気持ちがありましたね。負けず嫌いだったので、期待を裏切りたくないという思いもありました。上司の話を聞いた時に「会社の進化を担う覚悟を持つ必要がある 」ということを感じ、これまでの「商品企画」という役割の枠を超えて 、影響力を与えられる商品や価値を生み出そう と決意しました。
杉本:私はちょうど2017年10月ごろで、入社5年目でした。オルビスが市場においてガチンコで戦う商品を作ってみたいと思っていたとき DEFENCERAを担当してほしい、とのお話を頂きました。このプロジェクトは通常の商品開発フローと異なる部分が多く、チャレンジする市場も難易度の高い少し特殊な企画でした。
さらに、日本ではじめてトクホとして肌に効果があることが認められて発売する商品だったので、それを担当するという責任も重大で。
でも、「新規のお客様に届けるブランドの基幹商品を作ること」はもちろん、「この世にまだどの企業も提供していない価値のある商品を通じて、新しい市場を創造する」という最大のミッションは、自分でもやりたいと思っていたことができると感じ、本当にワクワクしました。
商品をこれからの「顔」としてブランド浸透させていく
ーー「DEFENCERA」のミッション、壮大ですね!!ものづくりにとどまらず、「新しい市場を創造する」というミッションに私までわくわくします!お二人ともかなり若手から市場にインパクトのある会社の顔になる商品を企画していますよね。プレッシャーはありませんでしたか?
杉本:ないといったら嘘になりますが、それ以上に没頭していました。プレッシャーを感じる間もないまま、目の前のことに集中していたのであっという間でしたね。
鈴木:私は、実はとてもプレッシャーを感じていました(笑)
特に最終的に処方を決定するなど判断 を伴う部分では、「本当にこれで世の中に受け入れられる だろうか」と不安がよぎりましたが、妥協を許さず、迷いがなくなるまで検討しつくすことで、 プレッシャーを乗り越えていました。
ーー商品を企画していく上で大切にしていたことはありますか?
鈴木:商品自体もそうですが、それよりも上位の「これからのオルビスの基幹ブランドを作る」という大きな目的をいつも意識していました。
オルビスというブランド自体を進化させる役割を担う象徴商品 だったため、創業当初から大切にしてきた「肌本来の力を最大限に引き出すこと」を、「変化」ではなく「進化」という形で新たな価値を創造することを大切に考えてきました。
だからこそ、創業当初の思いに何度も立ち返り、メンバーとも何度も何度も相談して商品を創りあげてきました。
杉本:DEFENCERAでは、「新しい市場を創造する」という壮大なミッションがありましたので、既存の企画フローでなく、新しい発想と挑戦が必要と感じて大切にしていました。
DEFENCERA以前に発売されたオルビスのインナーケア商品は、既にオルビスでお買い物をしてくださっているお客様に対し、さらにファンになってもらうための商品という位置づけが強いものでした。
これに対してDEFENCERAは、”まだオルビスを使ったことがない人”にアプローチしていく商品。とにかく徹底したマーケット視点で、商品企画に臨みました。
ーーおそらく大変なことも沢山ありましたよね。どんなことが一番大変でしたか?
鈴木:ORBIS Uを基幹商品として、この商品で戦っていけるという自信と決意を関係者全員に心から感じていただくことに苦労しました。
これまでのオルビスは通販ビジネスの戦い方をしていたので、象徴商品でブランドビジネスをやっていくという経験がなく 、まずは社内、それから社外の取引先や関係する方々にブランドビジネスで戦えるほどの商品力がある、ということを納得していただかなくては なりません。
自分の足で東西の美容部員の勉強会にお邪魔したり 海外の現地法人を周り、いかに想いのこもった商品か、のべ1500名以上の方々に伝えて回りました。
杉本:浸透という意味では、僕もまず社内のメンバーに「この商品がいかに素晴らしいのか」を伝えるところに苦労しました。
オルビスでは、DEFENCERAのようなインナーケアカテゴリーの商品で、市場に対して本気で勝負していく経験がありませんでした。そんな未経験の領域への挑戦を全社一丸となって力強く推し進めていくには、社員全員が1人の消費者として欲しくてたまらなくなるほどの魅力を感じてもらうことが必須だと考えていました。
そのために、引き込むようなインパクトや聞いて理解するのでなく体感してもらえるような伝え方を徹底して考えましたね。
私たちにとってオルビスは安心して刺激と成長を得られる場所
ーー商品を発売した時の心境はどうでしたか?それぞれベストコスメの受賞といったハッピーニュースはもちろん、売上や出荷数でも過去類を見ないほどの実績を更新しているとか!
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※新ORBIS Uシリーズ:
美容誌やファッション誌が選ぶベストコスメで、オルビス至上最多の36冠(2019年7月5日時点)を達成。
※DEFENCERA:
美容誌 MAQUIA ベストコスメ2019上半期 飲むコスメ部門第1位 受賞(2019年7月5日時点)
美容誌 美的 美容賢者が選ぶ2019上半期ベストコスメ インナーケア部門第1位 受賞(2019年7月5日時点)
美容誌 VoCE 月間ランキング2019年3月期 サプリ・フード部門第1位 受賞
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鈴木:ベストコスメ受賞のニュースはとても嬉しかったです。市場でも評価をいただけて本当にうれしかったのですが、やっと終わったという感覚は全くなく、むしろこれがスタートだと感じました。
「一生懸命育ててきた我が子が、やっと大学受験に受かり、将来の夢を実現させるスタートラインに立った !」みたいな気持ちに近いです。
ORBIS Uを一生続く価値として、新しいお客様に届けていかなければ、と新たに決意を固めています。
また、いままでは、商品を育成していく文化が正直弱かった側面もあると思うんです。
常にORBIS Uという商品に纏わる新たなニュース を発信し、届けていくことが、ブランドを構築していく中で何十年も続けていかなければならないことです。まずは2020年に向けて、どう育てていくか考えています。
杉本:まさに同じですね。ベストコスメの受賞や市場から反響をいただくことなど、こんなに嬉しいことはないと思っています。
ただ僕も鈴木が言ったとおりだなと思っています。まさに今は「大切な試合の本番前」といった気持ちですね。やっと皆さんにお披露目できて、ここからお客様に伝わらなければいくら良い商品でも存在していないのと一緒です。
これまで頑張って備えてきたことをもとに、まだまだこれから!という思いが強いです。
――なるほど。まだスタートラインなのですね。この企画の経験を通じてどのようなことを感じましたか?
杉本:今回のDEFENCERAの企画では、「この商品で、肌の変化をきっかけに1人の女性の人生をも変えることができた」エピソードを目の当たりにし・・・「自分はこういう仕事がしたかったんだ」と心が震えました。
新しいチャレンジができたことで、最初にお話した自分のビジョンが明確になる感覚も得られ、改めていい経験をさせてもらえたなと思っています。
鈴木:この新ORBIS Uの企画を担当してから、これまで以上に部署間のコミュニケーションが増え、より大きな枠で物事を考える機会が増えました。
その経験をしたので、もっと他部署や周りの人々を巻き込んでブランドを進化させる機動力的な存在になりたいと思うようになりました。 今後は化粧品を作るという枠に留まらず、様々な価値を掛け合わせ、周囲の人々を「あっ!」と驚かせる仕事がしたいですね。
ーー熱い気持ちがひしひしと伝わってきます。ありがとうございました。最後にお二人にとってオルビスとはどんな存在ですか?
杉本:僕にとっては「人生のスパイス」のような感じです。これだけの経験をこの規模、スピードでやらせてもらえる会社ってなかなかないと思うんです。
ブランドの変革期なので根本のやり方の部分から考えていくことができる。とても本質的な仕事を任せてもらえていると感じます
チャレンジできる体制で、自分の情報・スキルをアップデートしていけるので、刺激を受けて他にはないスピード感で貴重な経験をさせてもらっています。
鈴木:私にとっては達成感・幸福感というご褒美を約束してくれる試練の場だと思います。
もちろん自分で試練を乗り越えていかなければならないけれど、その先には自分の思い描く以上にたくさんの人の笑顔や幸福感というご褒美が待っているんです。
プレッシャーを感じる大変さもありますが、達成感はやみつきになりますね。裏ではそっと支えてくれるけれど、基本は自由に放り出してくれる。愛のムチをしっかりとくれる場所だと思います。
オルビスでは今、鈴木や杉本のような若手メンバーの意志が混じり合い、新しいフェーズへと移り変ろうとしています。商品に対して「肌本来の力を信じ、その力を最大限に引き出すこと」を大切にしているように、オルビス社員の一人ひとりが自分らしさ、個を活かし、オルビスらしさを生み出しているのです。
【プロフィール】
鈴木 奈々絵(すずき ななえ) 商品企画部 商品企画Iグループ
2013年新卒入社 入社時より化粧品企画担当。 メイク担当、スキンケア担当を経て、現在はメイクユニットのリーダーを務める。 2018年10月に発売された、リブランディングの象徴プロダクトである新オルビスユーの企画・開発を担当。
新オルビスユー:シリーズ累計112万個突破(18年10月1日~19年1月7日の販売実績)
杉本 豊明(すぎもと ひろあき) 商品企画部 商品企画Ⅱグループ
2013年新卒入社。 入社より一貫してインナーケア商品の食品・栄養補助食品企画・開発を担当。
日本初の肌トクホであるDEFENCERAの担当ほか、現在は、ブランドを代表する新たなスキンケア商品を担当するなど、グループをリードしている。
DEFENCERA:発売5ヵ月で40万個突破※オルビス総売上(2019年1月1日~2019年5月31日)