早稲田建築みらいびと応援コンペって?
10月中旬、TOOLBOX代表の荒川(早稲田大学OB)のもとに、とあるコンペの情報が届きました。その名も「早稲田建築みらいびと応援コンペ」。早稲田建築の未来を担う人材を募り、卒業生が母校・後輩を支援するという目的のもと、早稲田大学建築学部のOBOGの方々がクラス会の一環として企画したものです。
私自身は早稲田大学の卒業生ではないため、最初は他人ごとのように受け止めていたんです。ところが「採用や育成に繋がるんじゃない?」という荒川の一言に一念発起!
コンペメンバーとしてがむしゃらに向き合う日々がスタートしました。
採用や育成につながるメンバー選び
さて、参加するとなったらまずは一緒に取り組む仲間を集めなければなりません。採用や育成につなげるためにどのようなメンバーを選べば良いのかを考え抜いた結果、白羽の矢が立ったのは商品開発マネージャーと、2022年4月に新卒として入社予定の学生二名!
新卒の二人にとっては、入社前にtoolboxについて知ってもらう良い機会。是非一緒に参加して欲しいと口説いて、快諾してもらいました。
新卒の二人にも参加してもらった「ガレージセール」の当日、キックオフミーティングを設けて、どのような内容にするかブレストしていきます。
コンペのお題は「建築を拡張するプロジェクトを考える」。新卒チームは、突然のお題に頭を悩ませたに違いありません。けれども、二人ともこれまでの経験をもとに意欲的に意見を述べてくれて、これからtoolboxに入るんだという意気込みを感じることができました。4月からの二人の活躍が楽しみに思える、そんな時間となりました。
「家づくりを豊かに」を軸にテーマを選定
ミーティングを経て、私たちが紆余曲折ありながらたどり着いたのは、「建築家によってつくられたプロダクトを市場に再流通させるためのWEBサイトを立ち上げる」という提案です。
建築家の方々は住空間を生み出すのと同時に、空間をより良くするプロダクトも生み出しています。けれども、そのプロダクトはある人のためだけにつくられたものであり、その他大勢の人々が出会うことはありません。
せっかくの素晴らしいプロダクトが生み出されているにも関わらず、それが特定の場所でしか活躍しないのはもったいない。そのプロダクトを広く流通させることで、家づくりの豊かさが向上するのではないかと考えました。
実は、toolboxでは既に「木製室内窓」という建築家の方がデザインした商品を販売しています。この商品も最初は特定の誰かのためにつくられたものでしたが、今ではたくさんの人に購入していただき、事例をいただくまでに至っています。
このような広がりのある商品を増やしたい。けれども、なかなか出会えない。その状況を打開すべく、WEBサイトを立ち上げ、多くの人からプロダクトを募る、これが私たちの考える「建築の拡張」であるとしました。
話し合いの過程では、今回のテーマに沿ったtoolboxらしい提案とは何か、私たちだから投げかけられる問いや答えとは何なのかを、深く考えさせられました。
こちらはコンペに提出した、サイトイメージです。
一次に通過したい一心で、できる限り手を尽くしました。
ワクワクの一次審査から緊張の最終審査へ
企画が決まってからは、早速応募に向けた資料の作り込みが始まります。早稲田大学の慣れないフォーマットに苦戦しながらも、新卒チームの力を借りてなんとか完成まで持って行きました。何かに没頭するのは、苦しいけれどすごく楽しい。学生と一緒に、まるで自分も学生時代に戻ったかのような時間を過ごしました。
そんな甲斐もあってか、まずは一次審査を通過。目指す「入賞」に着実に近づいている実感に、心が躍ります。
最終審査では実際に早稲田大学に赴き、代表の荒川がプレゼンテーションをしました。ほかのチームの企画にもユニークなものが多く、早稲田大学の層の厚さを実感させられます。また、審査員の方々も著名な方ばかり...なんだか一気に弱腰になる私たち。
そんななか、ついに結果発表のときがやってきました。
5人の審査員の投票数によって、最優秀賞が決まります。講評が飛び交いながらの審査に手に汗を握り、なかなかtoolboxに票が入らない、劣勢か?と思う瞬間が続きます...!
しかし、後半に怒涛の票を獲得し、気がつけば「最優秀賞」!!!
嬉しさと驚きで、呆然としてしまいました!
早稲田OBの荒川がチームを代表して、表彰台に。
賞をもらう経験などなかなかないため、見入ってしまいました。
「仕事」じゃないプロジェクトから得られるもの
実はこのコンペプロジェクトは、3週間程度の短い期間で行われたものでした。怒涛の時間でしたが、最優秀賞を受賞し、新卒の二人とのリレーションシップも密に取ることができ、関わったメンバーそれぞれに学び得ることがあったと思います。
「仕事」はもちろん大事ですが、「仕事」を内包する世界を少し違う角度から眺めてじっくり考える時間は、発見や驚きに満ちています。終わってみれば、時々こんな時間があってもいいのかも!と思うほど、学生の時のような情熱を持って取り組めたプロジェクトとなりました。メンバーの皆さん、お疲れさまでした!