多死社会の影
人口の多い大阪では、亡くなっても親族の引き取り手がない、御遺体となった人々が沢山います。
葬儀社は病院や警察に毎日、引き取り手のない方々を迎えに向かっています。
親族が誰も来ない理由は人それぞれ。
景気が良い時代に大阪に出てきて、田舎との連絡が途絶えて縁が途切れた人。
生前、身内の人に迷惑ばかりかけて死亡の連絡が来ても拒否される人。
どんな人であれ、そのまま病院や警察に安置し続けることはできません。誰かが荼毘に付せなければならないのです。
毎日どこかで
大阪市では引き取り手のない遺骨がふえています。
2021年は2767柱、2022年は3149柱、2023年には3500柱以上だったとも。
毎日どこかの葬儀社で、誰も来ないお葬儀がひっそりと行われています。
当社にも役所や警察・病院から身寄りがない御遺体の引き取りの依頼がきています。
身寄りがない方に対しても、礼をつくす
お一人お一人、日本古来の仏衣をお着せするのです。
手甲、脚絆をつけ、数珠を手に持たせて、六文銭が入った袋を首からかけて、あの世への旅支度をします。そして、家族がいないからと言って安い棺を使わず、最後は布張りの棺へ納棺します。
出棺前には、僧侶にきてもらいお経をもらいます。
参列者が誰もいない葬儀になります。
誰もいないからといって『火葬すればいい』という訳にはなりません。同じ人として送るからには。
葬儀はインフラ
私は葬儀というのはガスや水道、道路工事などのインフラ事業同様の必要性があると思います。
誰か担う必要があるのです。身内がいなくても、誰かが送らなければならない。
手持ちのお金がなくても誰かが段取りを進めなくてはなりません。
残念ながら、人は亡くなった瞬間から、身体の状態が変化していきます。
どうしようもない事実です。
葬儀社はいつ何時でも対応できるようにスタンバイしています。
高いホスピタリティーを持ちながら。
日頃からの準備が何よりも大切です。
信頼できる仲間と一緒に。
社会貢献としてもこの事業があるのです。