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ECコンサルティングサービスへの思い(後編:ビジネスモデル〜Why we do)

Photo by Meina Yin on Unsplash

■ビジネスモデルと食品メーカー

我々のビジネスモデルについては、楽天市場の戦略策定から施策実行、それらのPDCAまで一気通貫で行い、月額30万円+売上歩合10%を頂戴しています。施策実行は重要なのですが、戦略に紐づいた施策でないと実行する意味がありません。『戦術の失敗は戦略で取り返せるが戦略の失敗は戦術で取り返せない』です。戦略を定め、それに沿った施策を実行したいとの思いから、この領域でサービスを提供しています。

月額30万円はホームページ制作もするので最低限の稼働費とお考えください。これは売上が伸びていくと割合は非常に小さくなります。10%は主にコンサルフィーだとお考えください。この歩合の設定があるからこそ、売上を伸ばすためにより多く稼働しようとするモチベーションが沸きます。因みに歩合がない場合はもらえる金額が同じなので、いかに効率的に回すか。がモチベーションとなり売上は伸び悩みます。

楽天市場出店の際の事業構造(経費構造)は原価40%、広告費15%、物流費15%、弊社代行歩合(施策実行等)10%、楽天出店歩合10%、で営業利益が10%残ります。営業利益10%残る事業構築を楽天市場に限って言えば、ほぼ全自動で我々が実行します。売上を伸ばしていきたいと考えている企業は相性が良いです。我々のサービスを使って年商2000万円くらいがペイライン。年商1億円くらいでしっかり利益が出る。といった水準となります。それくらいの売上を楽天市場で作っていきたい企業が相性良いです。

逆に言うとこの利益構造に乗らない企業はこのサービスとは相性が良くないです。例えば原価が50%を超えている等です。過去の例で行くと相性が良いのは主に食品メーカーと消費財(健康食品系)メーカーです。かつ売上を伸ばしたいという熱意を強く持っている企業。商品原価やリピート性を鑑みて上記事業構造に乗りやすいのだと思います。食品メーカーと消費財(健康食品系)メーカーの差でいくと、食品メーカーの方が着実に伸びます。消費財(健康食品系)メーカーは当たり外れが多いものの当たれば急激に伸びます。ジャンルごとのEC化率を見てもらっても、食品は毎年着実に伸びつつ、現在でも伸びしろがある水準なので、今後のECへの未来は明るいといえるでしょう。


■なぜこのサービスを提供するのか?

私は2006年に慶應義塾大学経済学部を卒業し、すぐにECに特化したホームページ制作会社を創業し、ECの黎明期から業界に入りました。

2014年に勝ち残る企業に必要なビジネスの“原理原則”を学ぶため、シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップなど、グローバル・エクセレント・カンパニー6 社で社長職を3 社、副社長職を1 社経験された、新将志先生が塾長をしている、新志塾に参加しました。

そこでは会社経営を行うにあたって、リーダーが何をすべきか、という原理原則を体系的に学びました。

新先生が強調されていた教えの1つに戦略と戦術という考えがあり、『リーダーは戦略を自分で定めるもの、戦術は部下に考えさせて把握していれば良い。』というものでした。『戦術の失敗は戦略で取り返せるが、戦略の失敗は戦術で取り返せない』という言葉があることを教わりました。戦略というのは『何をするか?』、戦術というのは『どうするか?』です。

私は趣味の1つに読書があり、年間100冊程度は本を読むのですが、その中でも歴史の本が好きです。

新先生の理論を踏まえて歴史の本を読んでいると、自分なりの発見がありました。特に戦国時代などで成功したリーダーは戦略眼が優れているということに。例えば織田信長は、桶狭間の戦いこそ、少ない兵力で大きな兵力に立ち向かいましたが、それ以外は常に大きな兵力で少ない兵力と戦っています。また、そうなるように数年間時間をかけて、持って行っています。また、桶狭間の戦いに関しても、局地的には兵力差で優っているので、実はこれも勝つべくして勝っています。マーケティング戦略的にいけば、市場全体では負けているので、セグメントを切って勝つポイントを探しています。

斎藤道三と同盟を組んで、今川義元と戦い、次は徳川家康と組んで斎藤道三と戦い、といった具合に、常に自分が優位なポジションで戦うために何をするか=戦略を考えています。

さて、ECにおける戦略と戦術ですが、ECはまだまだ未熟な業界です。楽天市場が創業25年程度ということを考えても若い業界というのがお分かりいただけると思います。

私はこの業界に大学卒業して以来ずっと、17年程度身をおいていますが、こういった若い業界というのは戦術が目新しいものが多いため、業界に特化した情報網を持っていないと、なかなか万人には把握が難しいのではと思います。

そうなった時にどうなるかと言うと、戦術が目立つので、ECサイトの運営者も、我々のようなコンサルティング企業も、戦略よりも戦術を重要視して、話すことになるのだと思います。

結果としてEC業界で戦略の話をする人には、私はほとんど会ったことがありません。ランディングページの改善、広告運用、SNS運用、メルマガ発行、ナビゲーションの改善、こういった手段は声高に言われるし、ソリューションとして提供できる支援企業も多いです。ですが、戦略・戦術論でいくと、これらは全て戦術の話となります。

戦術をブラッシュアップしていくのは良いとして、戦略の話はどうなるのかというと、ほとんど考慮されていません。

『戦術の失敗は戦略で取り返せるが、戦略の失敗は戦術で取り返せない』の言葉通り、いくら良い戦術を考えて取り入れても、戦略が失敗していれば勝つことはできません。

実際にEC運営を行っている大部分の企業が売上が伸びない、もしくは多少伸びても赤字という状況に陥っています。多少頑張っている企業はページもしっかり整えていますし、広告にお金もかけている。戦術はしっかりしているのです。でも戦略がないから負けている。

ごく一部上手くいっている企業だけが戦略のことを分かっているのです。

当社はこのEC業界の状況を改善したく、2014年から戦略に特化したコンサルティングを行っています。

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