こんにちは、株式会社wellday(旧Boulder)で採用・広報をしている坂本月緒セシルユエシューです。
私たちは従業員の体験をつくることを理念にしたHRTechのスタートアップです。
今回はCTO(最高技術責任者)を務める、中村圭宏さんにインタビューをしました。
中村さんの経歴とお仕事への考えは、よりユーザーに直接価値を届けられる環境で仕事をしたい方にとって参考になるかもしれません。
プロフィール:
名前 中村圭宏 Nakamura Yoshihiro
出身大学 東京工業大学院
ジョイン:2019年 06月〜現在
好きな食べもの:COMP、BASE FOOD
理論と実践の交差点に飛び込む。研究室を出て事業会社への入社を決めた理由。
まず、中村さんがBoulder(ボルダー)に入る前の経歴を教えてください。
私は機械学習の研究で博士号を取得し、大学院を卒業しました。
その後、リクルートにデータサイエンティストとして入社しました。
研究から就職を選択をしたのは、大学院での学び通じて気がついた、研究と実務との大きな違いからでした。
なるほど、何が違うのでしょうか。
両者では直接与えられる影響の大きさが違うなと思ったのです。。
研究は往々にして論文が最終アウトプットで、直接的に影響を与える人数はその論文を読んだり引用したりした数百人から数千人ぐらいが限界です。一方、事業では、直接届けられるインパクトは比較にならないほど大きくすることが可能です。特に私は工学の研究をしていたので、技術は人に使われて役に立たなければ意味がないと思っているので、間接的にしか影響を与えれない研究ではなく、直接的に影響を与えられる事業会社への就職を選びました。
それでリクルートへ転職されたんですね!
リクルートではどんな価値を出されたのですか?
リクルートに入ってすぐの頃に、旅行系の新規事業で業務支援のチャットボットを創っていました。宿に対する問い合わせをチャットで AI が自動対応するというものです。このサービスではこの AI 自動応答の性能がサービスの価値に大きく影響を与えており、これを如何に上げるかということが課題でした。 従来、人力で行っていた作業に技術で介入することで如何にコストを抑えつつ AI の性能を上げるかを考えました。
例えば、チャットボットで受け取る質問にはばらつきがあるんですよ。「お風呂何時から?」と、「12時は露天風呂空いてますか?」では、どちらもお風呂の営業時間を聞いていますよね。でも機械はそのままだと判別出来ないので人間が教えて学習させなければならないのです。このラベリングの作業は凄くコストがかかるのですが、ここを疎かにすると AI の性能が上がりません。AI の性能はモデルの善し悪しもそうですが、如何に質の良いデータを集めるかも肝なのです。
その作業をうまく人間と AI が協業できるプロセスに落とし込み半自動化することで、人間の負担を減らしつつ AI の性能を向上させたことができました。これにより数千宿に導入され、大きなインパクトが出せたなと自負しています。
結果、その実績を認めていただきフォーラム(FORUM)*という全社賞を頂きました。
*リクルートグループ横断で行われるイノベーションに対する社内表彰式。
企業からの評価を待つのではなく、顧客に価値を届けるための仕事がしたい。
そう決意した時の最適解が代表しかいないスタートアップのBoulder(ボルダー)でした。
そんな活躍をされている中で、なぜ環境を変えたのですか?
人の役に立つことがしたくて大きな会社に入りましたが、顧客から遠いなと感じ始めました。新鮮さ自体が失われていったのもあるかもしれません。やりたいことを出来ているかは確信が持てず、働いた先にある目的を考え直そうと思いました。
違和感が大きくなるなかで、もしかしたら評価を受ける相手が違うのかもしれないと考えました。
評価を受ける相手ですか?
大きな企業は仕組み上どうしても、人事考課というものがあるじゃないですか。。
ひとつの評価基準がないとバラバラになるので、そういうシステムがあるのですけれども、沢山の人をまとめ上げるのに必要な、「評価」が私にとっての違和感でした。
上長や会社から評価されるために働くのではなく、価値を届けている顧客から評価を受けるべきなのではないか。私に大手からスタートアップへと環境を変えさせたのはこの考えでした。
組織も事業も未完成な規模だからこそ、ダイレクトに自分の生んだ価値が評価される。
喜びも大きいですが、その分痛みも直接跳ね返ってきます。
良くも悪くもそんな環境で自分を試したかったんです。
どのようにBoulder(ボルダー)に入ったのでしょうか?
実は起業も試みていたのですが、自分の専門的スキル以外の経験がなく会社の経営については何も知らないということに気がつきました。
そんな時間を過ごす中で、代表の牟田さんからは事業の相談に乗る機会がありました。
この「Well」の構想についての実現可能性に関して議論しました。
働く人に寄り添うHRプロダクトは、できそうだと、そして社会的な価値もあると感じました。 自身の技術を活かして、しかも社会的に価値を出せると思った事業、Boulder(ボルダー)との出会いがジョインするきっかけでした。
ジョインしてからの変化はありますか?
クライアントへ直接価値を出すカスタマーサクセス業務や、プロダクトのコア開発を担いました。実際にこれらの結果が、自分にダイレクトに跳ね返る感触はひりひりするものがありました。
ですのでこの環境からは、技術を学ぶというよりかは、ソフトスキルに変化があったように感じます。小さなスタートアップではメンバーの成長そのものが事業の成長です。
私自身もスピード感を持って成長していたのではないでしょうか。
顧客に価値を届けるために、これから必要とされる技術力とは?
中村さんは今後どうありたいでしょうか?
事業上でのコアバリューを差別化し、サービスに繋がるものを作っていきたいと思います。
開発の重心が UX とデータ解析にあるのは弊社のコアバリューを明確に表している気がします。
今後はアプリケーション開発のコモディティ化に伴い、UX(顧客体験)の追求と新たなテクノロジー、弊社の場合はデータ解析と AI、が競合優位性に繋がると思います。そんな流れがある中で、10人前後の組織で CPO (最高プロダクト責任者)と CTO (最高技術責任者) がそれぞれいる体制なのは珍しいかもしれませんが、今後主流になっていくかもしれません。。
技術は手段で、課題解決や価値提供ができなければ価値がありません。PMF(Product Market Fit)もまだ見えていないもどかしさの中ではありますが、クライアントの課題を解決したいと強く思います。
幸いにも弊社はα版からのクライアントとタッグを組めています。
ユーザーに寄り添いながら検証を重ねられる、この環境を活かし価値を創りだしていきたいです。
Boulder(ボルダー)では、メンバーとカジュアルに話すオンライン・ランチを開催しています。
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