地域おこし協力隊とは何か、どのような活動をしているのか気になりますよね。地域おこし協力隊とは、エネルギーある若者に過疎化の進んでいる地域へ積極的に移住してもらい、地方の活性化を促すことを狙いとした制度です。活動内容としては農業や福祉、観光や情報化の促進などがあり、活動の種類は多岐にわたります。2009年から始まったこの制度は国からの補助を受けられることもあり、年々参加する人が増え、今では全国で5,000人以上の人が協力隊として全国で活躍されています。この記事では地域おこし協力隊の概要についてご紹介していきます。
目次
①地域おこし協力隊とはどのような制度?
②地域おこし協力隊ができた背景は?
③地域おこし協力隊の具体的な活動内容とは?
④地域おこし協力隊になるにはどのようにすればいいの?
⑤まとめ
①地域おこし協力隊とはどのような制度?
地域おこし協力隊は、地方の過疎化問題を解決するための制度として2009年に開始されました。具体的には、都心部に住む若い人材に高齢化が進む地域へ移住してもらい、地域の活性化のための活動に貢献してもらうことが狙いです。就業支援はもちろん起業支援も受けることができるため、国のサポートを受けながら地方で新たな事業を始めることも可能です。地域おこし協力隊の活動はおおむね1年〜3年と決められていますが、活動先で定住する人も多く、地方暮らしを夢見る若者にとって有効な手段の一つとなっています。
②地域おこし協力隊ができた背景は?
地域おこし協力隊の制度が始まった背景としては、地方の過疎化と高齢化による地域力の弱体化が危惧されたことにあります。かつては地方で生まれ地方で一生をとげる人も多くいましたが、情報化社会の進展により都市部に出ていく若者が増え、65歳以上が人口の50%を超える「限界集落」が全国各地で見られるようになりました。特に地方の山間地域や山村地域に多く、全国の限界集落の数は1万を超えるとも言われています。地域の過疎化が進むとどのような影響が出るかと言うと、まず単純に若い働き手の数が減ってしまいます。そして、人口流出が進むため空き家の増加や老朽化した住宅が増え、山の獣や害虫による被害も多くなります。また、影響は過疎化が進む地域内だけでなく都市部へも影響してくるのです。理由としては、都心部は地方の農産物の輸送先でもあるからです。地方が活性化していなければ、都心で新鮮な食材を手にすることや、都心から離れた地域の食事を楽しめないかも知れないということです。そのような背景から、地方創生に取り組むことの重要性の認識が進み、地域おこし協力隊の制度が始まったのです。
③地域おこし協力隊の具体的な活動内容とは?
地域おこし協力隊の具体的な活動としては、主に以下に示すような種類の活動があり、自分の目的に合わせて活動方法を選ぶことができます。活動期間としては1〜3年間が目安となっており、活動期間中はお給料や活動経費が支給され、活動前には初めての人でもスムーズに参加できるよう事前研修が用意されていることもあります。
農林水産・・・現地で獲れた農産物の販売、地産地消のための取り組み
環境・・・道路清掃、水源整備
医療福祉・・・見守りサービス、移動補助
観光・・・地域PR、訪問者サポート
教育・・・学校での交流活動
情報・・・IT化活動
行事・・・伝統行事の活性化活動
スポーツ・・・健康活動の普及
空き家・・・空き家の活用
その他・・・消防団への参加、施設運営の補助
また、活動終了後の起業を目指す人も半数近くいるため、活動後の就労支援や起業支援制度も利用することができます。さまざまなサポートを受けながら地方移住に挑戦できることが、地域おこし協力隊のメリットと言えるかも知れません。
④地域おこし協力隊になるにはどのようにすればいいの?
地域おこし協力隊になるための具体的なステップは以下の4つです。
地域を選ぶ・・・自治体ごとの募集をまとめたポータルサイトから気になる地域を選びます。
応募する・・・募集要項などを確認し、指定の方法で応募します。
面接・・・条件面が合致すれば自治体との面接が実施されます。
活動開始・・・採用が決まれば自治体に住民票を移し、地域活性化活動の開始です。
見知らぬ土地での初めての活動になるかと思われますので、下見をする、協力隊経験者から話を聞くなどして、具体的な活動イメージを持つようにしましょう。
⑤まとめ
地域おこし協力隊についてご紹介しました。思いのほか活動できる地域が豊富で活動の種類もさまざまなのだな、という印象を受けたのではないでしょうか。地域創生という制度の狙いが前提としてありますが、気になる地域・面白そうだなと思える活動を探してみるなど、あまり気負わずはじめは気軽にリサーチしてみるのが良いかも知れません。