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【美術倉庫、導入事例vol.1】保管配送業務をプロに任せて、アートの展示・販売に集中!(Gallery Seek・塩野秀樹さん)

「Gallery Seek」は、2020年に前身の画廊からプライマリー部門として独立したギャラリーです。少人数体制で、銀座に居を構えるギャラリーでの展示をはじめ、アートフェアや百貨店の催事などで、プライマリー作家の作品を紹介しています。その活動にはbetween the artsが提供する「美術倉庫」の存在が大きな力となっているようです。「美術倉庫」導入のきっかけや導入後の変化について、オーナーの塩野秀樹さんに伺いました。

■少人数で年間40回の展覧会を企画

ー詳しい活動状況と業務体制を教えてください。

アートフェアや百貨店会場の催事などは、国内で年間20回程度行っており、技術やベースがある程度しっかりした上でコンセプトを持っている作家さんを中心に紹介しています。昨年は名古屋・神戸・福岡・金沢などに行きました。秋はいくつかの展示が重なり、繁忙期ですね。コロナ禍で行けていませんでしたが、今年は海外の展覧会にも2回ほど出展予定です。

銀座では、小スペースのギャラリーを活かして統一したテーマが見えやすいような展示を心がけており、こちらも外部での展示同様、年間20回ほど実施しています。ギャラリーは、事務やWeb担当のスタッフと私の2人で回し、あとはセールス部門のスタッフと、青森県十和田市のギャラリーにスタッフが1人います。私は全体に関わりつつ、特に作家と展示場所の選定は他の人には任せられないところなので自分がやっています。


ギャラリー経営は細かな付帯業務が多いので、費用対効果を検討して、見合うサービスがあればなるべく外注しています。事務周りのシステムは簡単なカスタマイズ程度ですが外注サービスを使い、倉庫での管理や発送業務は「美術倉庫」を使うことを選びました。

【美術倉庫について】
https://lp.bijutsusoko.jp/services/


ー「美術倉庫」を導入しようと思ったきっかけを教えてください。

以前使っていたのは、保管サービスのみの倉庫でした。作品の受け取りや発送、搬入搬出など全て自分たちでやらないといけない。倉庫内では電気も使えない、Wi-Fiもつながらない、飲食もできないので、1日がかりでいつ来るかわからない荷物を倉庫で待つというような状況では、人件費的にも作業効率的にもあまり良くなく、代替サービスを探していました。

そんな時に福岡のアートフェアで代表の大城さんとたまたま色々お話をする中で「美術倉庫」のことを知り、スペース貸しと違って1作品・1ヶ月から預けることができ、配送までワンストップでアート作品専門のハンドラーの方々に対応してもらえるサービスに興味を持ったんです。

当時「美術倉庫」は個人向けのサービスのみでしたので、まずは顧客として登録しました。その後ギャラリー向けサービスが始まったので、多分うちがサービス開始当初から利用していると思います。

■保管・配送・管理のアウトソーシングで、展覧会運営に集中

ー弊社のサービスを使ってみて、いかがですか。

現在「美術倉庫」には400点ほど預けています。保管・配送という面では、会期の前後に誰かが受け取りに行かなくてもよくなったので非常に楽になりましたし、その分、空いたリソースで展示の回数を増やすことができました。たとえば大阪での展示が終わったあと、1週間後に名古屋であるというような時に、間の週にも無駄なく動けることになり、展覧会運営だけを考えればよくなりました。

また、倉庫内の作品がどの棚に何があるか。いつ出していつ戻ってきたか。リスト上は戻ってきているが実はこの作品はまだ戻ってきていないというようなリアルな管理がきちんとされるようになりました。

お客様によっては差し箱や黄袋を用意してから送って欲しいというところもありますので、オプションとしてそれらに対応してもらえるのも評価ポイントが高いですね。

ー社内スタッフに変化はありましたか。

搬入搬出という付帯業務がなくなりましたから、余剰時間が生まれ、お客様とのコンタクトの密度を濃くできるようになり、人的ミスの発生リスクも抑えられたと思います。

■突発的な状況にも柔軟に対応。販売機会を逃さない

改めてありがたいなあと感じるのは、突発的な状況に対処してくれることです。たとえば、地方の展覧会で作品が完売してしまい、すぐに倉庫に保管してる代わりの作品に掛け替えたいが、私もスタッフもすでに会場にはいっており、取りに戻れない……そんなときでも連絡すれば送ってくれるので、販売機会を損失せずにすみました。

また、地方での出張時に作品をギャラリーに届けたいと急に言われたときも、スタッフが不在なので対応できない。今までなら、作品受け取りは会期が終わったあとだったのですが、「美術倉庫」に連絡すれば私達が全国どこにいても対応をしてくれるので無駄なく案件が進められるようになりました。

ー仮に弊社サービスを使わないとしたら、派遣スタッフなどを雇う選択だったのでしょうか?

そうですね。ただ誰でもできる仕事ではないので、アート作品を扱ったことがない人を雇うわけにはいかない。そうなると採用だったり、教育だったりそれなりに考えないといけない。育成までのコストを考えると、やはり外注がベストという結論ですね。

■見えない人件費が浮いて、3割コストダウン

ー「美術倉庫」は、作品1点単位での利用となりますが、スペース貸しの倉庫と比べてコスト的にはいかがですか?また全体的にコストダウンはできたのでしょうか?

保管のコストそのものは、スペース貸しの倉庫とあまり変わりません。でも、その分の見えない人件費(搬入・搬出・検品・梱包など)は確実に浮いているので、全体ではざっくり3割ぐらいコストダウンがされたという印象があります。

ー利益率はいかがでしょうか?

はっきりした数字はまだ出ていませんが、展覧会の回数がそれまでより約10回増えてセールスタイミングが増えたので、昨年よりは利益率が3割ほどアップしたと思います。

■もっとアートを身近に。オープンに楽しもう

ー今後、弊社に求めるサービスなどありますか?

海外発送をするときの税関回りの事務サポートサービスと、宣材カットとして使えるクオリティの高い撮影サービスがあればありがたいです。そのふたつができると全部「美術倉庫」で完結できます!(笑)。

ー日本人はアートの鑑賞者数では全然世界トップクラスにもかかわらず、購入という行為にまでなかなか進まないですね。何かよいアイデアはないでしょうか。

「自分でもアート作品を持ちたい」とか「持った方がプラスになる」というメッセージを、第3者がもっと日常的に発信してくると変わってくるのではないかと感じています。

そのためには、オフィスへのアートの導入を企業に働きかけていく仕組みがあるといいですね。オフィスで常にアートを観ることで、アートが身近になってくるかなと思います。実際ある企業では、アートを社内に飾っていたら、社員たちもアートを買うようになったという事例があったそうです。

また、アートを所持している方が、どんどんオープンに見せられるような仕組みがもっとあるといいのかもしれませんね。

ーそういう流れ素敵です。本日はどうもありがとうございました。

【Gallery Seekでの展示会情報】

2023/04/25 -2023/05/03 五月女佳織日本画展-箔と百花織-

2023/06/24 -2023/07/02 原田武金属造形展

2023/07/22 -2023/07/30 岡崎実央個展

https://galleryseek.jp/exhibition/

協力:Gallery Seek

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