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なにをやっているのか

がんの三大治療法の一つである放射線治療は、患者負担が極めて少ないということで超高齢化社会のがん治療法として重要性はますます増加してきています。その放射線治療の最先端な治療法として強度変調放射線治療 (IMRT)が近年普及してきて、治療成績は手術と同等となってきます。こんな優れた放射線治療法ですが、大きな課題が二つあります:①経験による治療成績の低下、②医療スタッフの過重労働。この課題のため、IMRTが多くの患者さんで実施できず救える患者さんが発生してしまっています。そこで、我々は、これらの課題をAIで解決する放射線治療支援サービス「AIVOT(アイボット)」を開発・事業化し、世界と競える国内メーカを目指しています。本サービスは、腫瘍や正常組織の輪郭抽出、治療計画立案、安全性検証を全自動で行い、従来6時間かかっていた業務時間を20分に短縮し、高品質で安全な放射線治療計画を提供できます。

なぜやるのか

毎年100万人が新たに「がん」と診断されており、放射線治療の患者数が増えています。これに伴い、医療従事者の課題も膨大かつ煩雑になっています。その中で、さらに放射線治療の治療効果が高い最先端の放射線治療として、強度変調放射線治療 (intensity modulated radiation therapy: IMRT)が近年普及してきています。 IMRTとは、専用のコンピュータを用いて、がん腫瘍のみに集中して放射線を照射する低侵襲な治療法です。腫瘍の周辺にある正常な組織への照射を抑えられるため、副作用を減らし根治性を向上させることができます。 【がん治療 × AI 新たな挑戦】 アイラトのメンバーは、現場でこのIMRTを実際に計画する医療従事者であり、IMRTが優れた治療法であることは日々実感しています。そのIMRTの効果を示す一例として、東北大学病院での臨床データ(2000年から2017年)からは、頭頚部癌の5年局所制御率が、従来の放射線治療では67.7%に対してIMRTでは95.2%と驚くべき治療成績向上を実現しています(1). 一方で、米国では2002年の調査では既に73.2%の放射線腫瘍医がIMRTを使用しているという報告があり、欧米では既にIMRTは広く普及した治療法となっています(2). 一方で、日本放射線腫瘍学会からの報告では、国内ではそもそも全癌に対する放射線治療適応割合は23.7%に留まっており、IMRTを実施している施設(年間20症例以上施行した施設)の割合も39%とまだ十分IMRTが実施されていない状況となっています(3)。この原因として、IMRTの導入・運用にあたっては従来の放射線治療以上に精度の高い放射線治療技術が要求され、その治療計画や安全性検証が非常に複雑になってきているという問題があげられる(4)。もう少し、この課題を具体化すると以下になります。 ・治療計画者のスキルレベルによって治療計画の品質に差が出てしまい、IMRTの十分活用できていない ・治療計画に費やす時間が長く、人材不足が発生(過重労働) プロジェクトの内容 アイラトのメンバーはIMRTを患者さんに提供する医療業務を医療機関で行う中で、より多くの癌患者さんにIMRTをより高い品質で届けるには“次にできることは何か?”を日々模索してきました。そんな日常の臨床業務の疑問を抱える中で出会ったのが、AI技術でした。AI技術を用いて治療計画作成を支援できるサービスを社会実装できれば、この問題を根本から解決できるのではないかと考えました。それで、アイラトの基盤となる技術を開発した東北大学放射線治療科医学物理グループでは、10年前に放射線治療に特化した放射線治療AIの開発を開始して、やっと臨床現場で活用できるレベルのプロトタイプ機の開発にたどり着きました。そこで我々はこの素晴らしい技術を社会実装し、多くのがん患者を救いたいと思いアイラトの事業を進めております。 ■今後の展望■ 医療業界は保守的であり、DX化がまだまだ進んでいません。そこで私たちは患者や医療従事者のために、常識を変えたいと考えています。 現状のシステムは、windowsベースで構築し、AIはPythonで実装しています。今後はSaaSに移行していくことも検討しています。

どうやっているのか

■共に働くメンバー■ 約6名のメンバーで活動しています。メンバーのバックグラウンドは医療従事者(医学物理士)や医学物理研究者、エンジニアやマーケター、元セールス担当などさまざま。活気に満ち溢れ、仕事熱心な方々が集まっています。スタートアップならではのスピード感ある職場で、情熱的なメンバーと共に成長していきましょう。 ■職場の雰囲気■ プライベート・仕事の調和を図るようなメンバーが揃っています。また年齢・入社年数問わず、フラットに意見交換ができる環境で、一定の距離感を保ちながら仲良く仕事できる環境です。 2024年1月に資金調達を実施し、この資金をもとにさらに事業を加速させるフェーズです! https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000119113.html 直近では、宮城県主催のDXコンテストで優勝し、注目の東北大学発医療AIスタートアップです! https://news.ntv.co.jp/n/mmt/category/society/mm08e7866372444d21b98faf5ede3d2ff6 https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20240209/6000026556.html