コレクシアの春本と申します。
現在私はリサーチャーとしてコレクシアで働いていますが、リサーチャーになりたいと思ったのは「世の中の色んなことを知りたい」とか「自分の知らない世界を見てみたい」と思ったからです。
ただ、一方で実際に業務を行う中で思っているのは、リサーチャーという仕事は「新しい自分を知ることが出来る仕事である」ということです。
それを感じた体験を踏まえて、自己紹介をさせていただければと思います。
このまえ、先輩社員のNさんと大阪出張に行くことがあり、その際に会社の人向けにそれぞれ1つずつ、計2つのお土産を買いました。
1つは「和三盆が入った岩おこし」で、もう1つは「通天閣の形をしたチョコレート」。
※画像① 左:和三盆のおこし 右:通天閣の形をしたチョコレート
これを遊び心で「どちらがチョイスしたお土産でしょうか?」とクイズを出したところ、半々くらいで回答が分かれました。
自分が買ったのは「通天閣の形をしたチョコレート」だったのですが、後でそのことを種明かししたところ、後輩のNさんから次のようなことを言われました。
回想ハジメ
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Nさん:「なんでこれを買ったんですか?」
自分:「いや~なんか形が可愛かったから?」
Nさん:「へぇ、でも春本さんっぽくないですよね。これまで買ってきてもらってたお土産とか、結構しっかりした和菓子とかちょっと高めのものだったので、意外だと思いました」
自分:「確かに・・・」
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回想オワリ
この会話を通して気付いた点が、次の2つです。
①自分が商品を購入する時には「これが良いな」と思って買ったのだが、Nさんから「なぜこれを買ったのか」を聞かれると上手く答えられなかったこと
②洞察力鋭いNさんに「購入するお土産の変化」を指摘されたが、自分では全くそのことに気づいていなかったこと
特に②については、これまで購入してきたお土産が「有名な京都の和菓子」や「地域限定の抹茶が入ったお菓子」など、どちらかというと「ちょっと高めで味をこだわったもの」であったのに対して、今回購入したのが「味よりもデザインに特長のあるもの」だったので、指摘された後で「確かに自分でも意外なチョイスをしたな」と言われて初めて感じました。
この他の人から指摘された自分の変化に対して「これは何らかの検証をせねば」と思い、考えるヒントとしたのが「カスタマージャーニー分析」です。
(※詳しくは弊社HP「カスタマージャーニーNAVI」をご確認ください)
カスタマージャーニー分析とは「生活者が何かを購入・利用する理由等について、購入する時だけのことではなく、その前後の文脈や背景を踏まえて理解しよう」という試みであり、端的に言えば「点ではなく線=ストーリーで生活者を理解する」というものです。
上記の考え方を踏まえて「これまでの行動を踏まえて、自分自身を分析してみよう!」と考え、ここ最近の買い物などを思い出した結果、以下のような結論が導き出されました。
①自分自身の「何かを購入する時の基準」が、自分でも気付かないうちに「実用的なもの」から「デザイン的に面白いもの」に変わっていた
②そのきっかけは「東急ハンズの展示イベント」であった
まず、「最近自分が購入したもの」を一通り思い出してみると、共通点として「実用的というよりも、デザイン的に特長があるもの」であることに気づきました。
例えば、「陸上競技用タイマーを模した時計」・「菱形で構成された皮のペン立て」・「猫がデザインされたマグカップ」など、実用性を考えるなら別にその形でなくても良いものばかりです。
※画像② 左:陸上競技用タイマーを模した時計(再現性と着目点が面白い) 右:菱形で構成された皮のペン立て(全体的な形が変わっていてかわいい)
※画像③ 猫がデザインされたマグカップ(いつもは向こう側を向いている猫が、温かい飲み物を入れると色が変わってこっちを向いてくれるのがちょっと嬉しい)
昔の自分であれば、どちらかというと「実用的なもの」を選んでいたと思うのですが直近購入したのはそれに反するものばかりで、こうやって振り返ってみて初めて「自分自身の変化」に気付きました。
では、「このような変化があったきっかけはなんだったのか?」と考えた結果思い浮かんだのが、「東急ハンズの展示イベント」であり、その時に買った「人の形をしたキーホルダー」でした。
その展示イベントは確か「日常にデザインを」のようなテーマで、日本各地のデザイナーが作った商品が展示されていたもので、その時に面白いと思って購入したのが、「人の形をしたキーホルダー」でした。
※画像④ 人の形をしたキーホルダー(持ち歩く時は左側の画像だが、別パーツが家の形になっていて、帰宅して組み合わせて「I'm home」になって保管場所にできる)
それまでは金属製のリングだけのシンプルなキーホルダーを使用していたのですが、このキーホルダーは「家の形」をした別パーツがあり、毎日帰宅するとその別パーツにはめ込む仕組みになっています。
単純な形だけではなく、「人型のキーホルダーを、家の形をしたパーツにはめる」ということが面白いと思って購入したんだと思います。
購入してからは毎日帰宅すると冷蔵庫に取り付けたパーツにキーホルダーをはめるのが日課になっていて、なにかデザイン的に面白いもの・変わったものを使うことで日常生活をちょっと楽しいものになると感じていて、そのことが何かを購入する時の態度に影響していたのだと思います。
上記のように「購入した時のこと」だけではなく、「それ以前の購入体験」などを踏まえて考えると、自分が気付かないうちに何かを選ぶ基準が「実用的なもの」から「デザイン的に面白いもので、日常をちょっと楽しくしてくれるもの」に変化していて、そのきっかけは東急ハンズでの自分の体験にあった、ということなんだと気づきました。
そのため、お土産を選ぶ時にもほぼ無意識のうちに「デザインや見た目がちょっと面白いもの」を探した結果、「通天閣の形をしたチョコレート」を選んだのだと。
このことは自分では自覚していなかったことで、Nさんからの「意外でした」の指摘がなければ自分でもよくわからないままだったと思います。
以上のように自分自身の体験を考えていると、「人々の行動」というものは捉えるのが本当に難しいものだと感じる一方で、だからこそそれを理解しようとするリサーチャーの仕事は面白いんだろうと思いました。
また、リサーチャーとしての仕事や体験を行っていると、「他の人はこうだけど、自分自身はどうだろう?」「調査内容を自分にあてはめたらどう理解できるだろうか?」ということを感じることが多く、そのことは「新しい自分を知るきっかけ」になっています。
例えば、今まで全く興味のなかった「ギャンブル」に関する仕事に関わるようになり、実際に自分でもやってみたりするのですが、「ここは面白いけど、ここは自分に合わないな」などリサーチャーになっていなければ感じることのなかったことを経験しています。
色々な業界の色んな課題に直面する中で、「自分はどう感じるだろう?」という視点で仕事をすることも、リサーチャーとしての面白さなのではと思っています。
「自己紹介」というお題をいただいたにも関わらず「ほとんど自己紹介になっていない・・・」とここまで書いてきてやっと気付いたのですが、リサーチャーという仕事の楽しさについて少しでも知ってもらうことができれば嬉しいです。
「世の中のことも知りたいけど、新しい自分の一面にも気付きたい」や「色んなことを経験して自分を変えていきたい」と思っている方であれば、コレクシアという会社はまさにピッタリだと思うので、そういう方と一緒に働くことができればと思います。
長くなりましたが、お付き合いありがとうございました。