はじめに
こんにちは、BULB株式会社の足立です。この記事では、弊社プロダクトAutoFloorの開発中の機能を紹介します。
今回紹介する内容は、過去の記事【AutoFloorについて オフィス間取り図自動VR化 / オフィス家具自動レイアウト】の「オフィス間取り図自動VR化」の一機能です。
AutoFloorとは
弊社ではオフィス向けのVRプロダクトを開発しています。企業がオフィスに入居検討していたり引っ越しを検討している時などに現地に行かずにブラウザだけあればクラウドで内覧を行えるというサービスです。最近は不動産領域でも多数のVRプロダクトが導入されていますが、大きく分けて実写とCGの2種類があります。実写は360度写真を撮影してつなぎ合わせてGoogle Street Viewのように見せる方法で、既に一般的に普及しています。
我々はCGのアプローチをとっており、CGならではの表現やプロダクトの価値を追求しています。CGの領域は旧来の建築領域ではBIMと呼ばれるアプローチで設計図面の3D表現などが発達中ですが、弊社ではそれと別のアプローチでより一般的にユーザの手に届く安価で広く配布するプロダクトを設計しています。
現在の機能としては大きく分けて図面のVR化と、家具の自動レイアウトという二つのラインナップを開発中です。この記事では、家具の自動レイアウトのために、まず図面から家具を検出するところを紹介します。
オフィス家具の検出
間取り図から家具を検出する方法は、大きく分けると画像処理の手法のみの利用と、画像処理+機械学習の手法の利用があります。この記事では、処理が軽い前者の画像処理の手法のみを紹介します。
1.ノイズの除去
機械学習(深層学習)の手法を利用する場合は、ノイズも含めて学習し汎用化させることが望ましいです。しかし、画像処理の手法のみ利用する場合は、ノイズは可能な限り除去することが望ましいです。
間取り図面には、方角や寸法、記号など検出に不要なノイズが多く含まれています。図面からこれらを除き、検出したい家具を含む最低限の領域を取り出します。
2.検出したい家具パターンの作成
机と椅子を1対1で配置したければそのようなパターンを、机1つに対して椅子4つを配置したければそのようなパターンを、…のように、最終的に配置したい家具に合わせて様々なパターンを画像を準備します。
3.家具の座標
例えば、机1つと椅子4脚のセットを検出したいとします。このセットは様々な角度で配置されていますが、1つの角度のパターンがあれば、ノイズを除去した図面から机と椅子セットを検出できます。
机と椅子セットのX-Y座標を検出できれば、この位置に3D家具を自動で配置できます。家具を1つ1つ手作業で配置していくと、大変な時間がかかってしまいます。しかし、この機能を利用すれば、図面を読み取った始めから家具が配置され作業時間を大幅に削減できます。
最後に
オフィス不動産の分野は不動産テックの中でもまだまだ未開拓の領域です。最新のテックとは分断されている領域でもあるため、市場としても大きな可能性を秘めているはずです。技術的にもAIやVRなど多くのチャレンジングなことを行っておりますので、ご興味もたれた方は是非一度お話聞きに来てください。お待ちしております!