ココネエンジニアの「攻め」と「守り」 ココネの開発部門には、 共通ビリングシステムとインフラ基盤の開発・運用、QA、そしてweb3に特化した開発を行う「開発本部」 があります。 会社全体のシステムや各サービスの大切な根幹を支えながら、web3事業の新たな仕組み作りに取り組む、まさに「攻め」と「守り」の役割を担っています。 また、社内やサービス、グループ会社の技術的な面での橋渡し役でもあります。
今回は開発本部長の尹 姓元(youn seongwon)さんに、開発本部の役割、グループ会社との連携、そして求める人物像について話を聞きました。
-まず開発本部全体の役割とそれぞれのチームの役割について教えてください。 尹 :開発本部は主に、サービス側のサーバー・クライアントエンジニア以外のエンジニアが所属する横断組織になっていて、インフラ室・ウェブ開発室・ビリング室・QA室・サービス基盤開発室に分かれています。
インフラ室は主に、サービスをCCPと定義するアバター事業(※1)と、web3事業のサービス側におけるインフラ全般の設計・構築・運用を担当しています。
また、ココネの組織が大きくなったことからセキュリティを中央で管理する必要が生じています。さらに新規のweb3事業で暗号資産を取り扱うことになり、セキュリティの強化がより重要になったため、2022年下半期にインフラ室のなかにセキュリティチームを設立しました。
そしてウェブ開発室の横断組織として、サービス全般のウェブ開発を担当し、共通基盤を開発するウェブ基盤開発チームがあります。あと、各サービス側のウェブコンテンツを開発するコンテンツ開発チーム、主にweb3事業に関わるWeb3チームもあります。
サービス基盤開発室のメンバーは、開発の共通基盤周りを担当しています。
他に共通課金システムを担当するビリング室や、サービスの品質を管理するQA室があります。
※1:CCP=Character Coordinating Playの略。 「キャラクター(Character)」が存在し、「コーディネート(Coordinating)」要素をもち、「遊ぶ(Play)」ことができるサービス
ーweb3事業で新しいサービスが続々とローンチされています。 開発からローンチまでを経験されて、現時点でどのような印象を受けられましたか? 尹 :web3事業はこれまでのアバター事業と異なります。 アバター事業はある程度の骨組みがあるので、新しいサービスを開発する時には、それをベースに改善や新しい機能を追加しながら開発を行います。 しかしweb3事業は、インフラなどの設計段階から新しい仕組みが必要です。ビリング室も最初の設計段階からプロジェクトに入り、コミュニケーションをとりながら進めてきました。今までの開発方式とは全く違う感じがしました。
ー尹さん個人としてはどのようなお気持ちでしたか?ワクワクなのか、ハラハラなのか(笑)。 尹 :両方ですね(笑)。 リリースした後どういうことが起きるのか経験したことがないので、ハラハラしているところもあります。
ーweb3事業に取り組む意義についてはどのようにお考えですか? 尹 :web3の定義もまだ明確ではないですが、ココネのアバター事業で生まれた沢山のデジタルアイテムをより価値のあるデジタル資産として有効活用できるチャンスではないかと思ってます。 そのためにココネもメタバース・ブロックチェーン・NFTのマーケットプレイスなど様々な開発に取り組んでいます。
ー事業の幅も広がり、web3への挑戦も始まっていますが、開発本部としてより強化していきたいことは何ですか? 尹 :ココネの開発部門は100名ほどが所属する組織になりましたが、組織が大きくなることでルールも改める必要があると思います。今までに立ち上げた様々なシステムを横断的に管理するために、共通化や効率化するためのルールも必要です。反面、ある程度の自由度を保ちつつ開発ができるようにはしたいので、それらを調整しながら強化していきたいと考えています。
また、さらに組織が大きくなると、共通化自体が効率を悪くすることもあるので、マイクロサービスの仕組みの開発や運用においても、どこでも使えるサービスの確立化も意識したいと思います。
ー働き方についての質問ですが、トラブルが発生した場合は昼夜問わず対応することもあると思います。ワークライフバランスを維持するために組織として工夫されていることはありますか? 尹 :システム関連の障害が起きたら多くの場合はインフラ室、ビリング室が対応しますが、過去に比べると今は障害の頻度がとても減っています。障害が頻発して苦労した時期もありましたが、様々な改善をしているので明らかに減っています。
とはいえ、イレギュラーな対応が発生することももちろんあります。そういったなかでスムーズに対処するために、チーム間の連携に加えて、どんな障害が起きても誰でも同じ対応ができるようにしておくことを意識しています。また、初動ではまずは横に情報が広がらないと連携対応が難しくなることがあるので、属人化しない情報共有の仕組みが大事だと考えています。
ー開発本部はエンジニアの中でも役割の異なるメンバーが集まっていると思うのですが、チームとしての一体感を高めるために、どんなことを意識していらっしゃいますか? 尹 :開発本部だけではなく、各サービスに所属するエンジニア含む開発組織全体の情報共有会を毎月開催しています。それぞれの案件の共有だけではなく、各チームで興味を持って勉強したことのプレゼンテーションもしています。 また、サービス側のリーダーも参加する"テックリーダー会"や、サーバー・クライアント・インフラ・ウェブ・ビリング・QAなど職種ごとのリーダーとCTOが集まる会もありますし、それらは東京オフィスだけではなく、グループ会社も一緒に参加する体制で活動をしています。
横断組織なのでいろいろなところから情報は入ってきますが、自部署だけで情報を持つのではなく、横に広げないと一緒に動けないこともあります。情報共有を特に重要視していますね。
以前から組織の風通しを良くするための仕組み作りに取り組んできたので、職種や新人、リーダーなど関係なく、コミュニケーションが活発に行われるようになったと思います。
ー尹さんは管理職としてどのような点を意識していますか? 尹 :自分が前に出て開発組織を引っ張るというよりは、横断組織の中でそれぞれの役割を果たしながら情報共有をし、開発メンバーが円滑に動けるように組織間の調整を行う役割をしたいと思っています。
ー特に入社したばかりの方だと横のつながりを作っていくことに苦労しますよね。 尹 :そうですね。自分が所属してるチーム以外の情報がすぐに入ってこないこともあると思うので、そこを繋げるのが自分の役割だと思っています。
ー経営陣の考えをメンバーに伝えていくのも尹さんの役割の一つなのでしょうか? 尹 :経営陣も参加してるslackチャンネルがあり、そこでの情報は常に拾うようにして経営陣の考えと自分の頭を同期させることを重点的に行っています。 CEOの高谷もよく言うことですが、経営陣の意志をリーダー陣が自分の頭で理解し、それを自分の言葉でメンバーに伝えることが大切で、私自身も常にそれを意識して行動しようと思っています。
ー開発本部として課題に感じていることはありますか? 尹 :ココネという会社は成長し続けていて事業の幅も広がり、いろんなグループ会社が設立されています。横断組織としては情報収集と共有が役割ですが、もっと柔軟に対応できるようにしたいですね。
あとは開発組織でいうと、やはり採用です。 人材の確保にももっと力を入れたいと思います。
ー「週休2.5日制度(※2)」が初めて半年ほど経ちましたが、尹さんからみてうまく機能しているように感じますか? 尹 :私は毎日出社して状況を見ているのですが、最初は本当に機能するのかな?と思っていましたが、いざ始めてみると13時半を過ぎたら、みんな帰り始めて、14時か15時ぐらいになるとほとんど社内に残っていないので、きちんと活用はしているのだと思います。
その反面「週休2.5日制度」を拡大することになったということは、制度導入後の成果や売上にはマイナスの影響があまりなかったということだと思いますので、ちゃんと機能しているのだと感じています。
あとは採用の面でもインパクトがありますよね。
※2:週休2.5日制度=毎週水曜午後を勤務したとみなし、休みに充てることもできる制度。 なお、2023年1月より拡大設計された「cocone my time / my day」に変更。祝日の無い週の水曜日(9:30~18:30)を勤務したとみなし、就業以外にも自由に使える制度。 この制度の導入による給与、所定労働時間、みなし残業時間の変更はなく、年間約40日を自由に使えることになります。
▼「cocone my time / my day」について
ーココネの開発組織で求める人材について教えてください。 尹 :1つ目は能動的に動ける人。指示されるのではなく、自分から求めて行動できる人です。2つ目は発信や提案ができる人。3つ目は何か始めたら最後までやり抜く意思が強い人。そしてコミュニケーション力も重視しています。ココネのサービスはひとりで開発するような規模ではないので、一緒に作っているメンバーと意識を合わせ、コミュニケーションを円滑に取りながら進める必要があります。
ミドル・ハイレイヤーの方になると、メンバーより視座を高く持てる方です。自分自身や周りだけでなく、それに繋がる組織や他の部署のことも考えて一緒に動けるかを重視して見ています。
ー「ココネのエンジニアは他の職種とのコミュニケーションが多い」という声をよく聞きます。 尹 :そうですね。一般的には企画者に仕様を聞いて、その通り開発するエンジニアが多いと思います。それ自体ももちろん評価できることですが、仕様通りに作られたものがお客様にとって本当に喜ばれる機能なのかまで考えるまで至らないことも多いのかなと。
開発者の最終目標はお客様の喜ぶサービス・システムを作ることです。もらった仕様だけで開発を進めるのではなく、仕様を考えたプランナー、デザイナーらとコミュニケーションを取り合いながら、結果的にお客様の喜ぶサービスを開発することが重要だと思っています。 だからこそ採用の面でもコミュニケーション力も重視しています。
ーありがとうございます。最後にこの記事を読んでくださっている方に伝えたいことがあればお聞かせください。 尹 :ココネの開発メンバーは、棘がないというか、話しやすい方が集まっていると思います。もくもくと仕事しながらも、いたるところでコミュニケーションが活発に行われています。ココネの雰囲気自体も優しいし、開発組織内にピリピリ感がありません。
「社員のために」という会社の考えがすごく感じられます。福利厚生など社員のための様々な制度もありますし、こういうところも自慢できるところだと思います。
社内のシステムや全てのサービスの基幹部分を支えながら、web3事業への挑戦に向けて新しい骨組み作りに邁進する開発本部。 会社の規模やサービスの幅が大きくなっていく中でも情報共有を大切にし、「お客様が喜んでくださるかどうか」という考えをもって仕事をしています。
新たな場所で働き始めることには不安がつきものですが、それを解消できる環境がありますし、様々な制度も整っています。ぜひこちらの記事もご覧ください。
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※ココネは社員に「時間・報酬・やりがい・健康」を還元するという創業時の想いを元に、さまざまな制度に試行錯誤しながら取り組んでおります。現在この記事とは別の制度導入を検討しております。