この記事は「SWITCH 2022年11月号」に掲載された記事を許諾を受けて転載しています。
PHOTOGRAPHY: GOTO TAKEHIRO
TEXT: KAWAKAMI HISAKO
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中野智仁
取締役
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程を単位取得退学。2014年にココネ株式会社に入社。取締役及びCCP事業本部長として、サービスの運営・開発をはじめ、BIやCXなど多岐にわたる範囲を管轄している
データ分析の先にある、お客様の“心地よさ”を理解する
――中野さんが行われている業務の内容を具体的に教えていただけますか。
「ココネは『ポケコロ』というタイトルを始めとして、“キャラクター(Character)”を通じて、“コーディネート(Coordinate)”をし、“遊ぶ(Play)”という定義で作られたアプリサービスを提供しており、僕らはそれを省略して『CCPサービス』と呼んでいます。そのようなタイトルは東京で運営されているものだと『ポケコロ』、『ポケコロツイン』、『リヴリーアイランド』と『ポケピア』の四つがあり、私は事業本部の本部長として、この四タイトルの事業責任者をしています」
――ブランディングを統括されているということでしょうか?
「ブランディングというより、広く運営を統括しています。どういった企画やイベントを行うべきか、お客様にどんな商品を提供すべきかを考えています」
――ココネに入社されるまでの経緯を教えてください。
「三十代前半までは大学で認知言語学やコミュニケーション論を学び、博士課程まで進んで研究職をしていました。研究の傍ら、様々な企業の社内外の調査を取り仕切るような委託業務をしていたのですが、データ分析をする中で、データの先にある人の流れや考えに興味が湧いてきたんですね。そういった経緯があって、ココネでアナリストをしてみないかというお話をいただき、この会社だったらデータの先にあるお客様の反応や温度感を感じられるのではないかと思い入社に至りました」
――ココネではSNS等を通したユーザーの反応が非常に重要とされていますよね。
「ココネで働く中で面白いなと感じるのは、データだけではわからないお客様それぞれの嗜好性が存在していることです。アイテムの売れ行きの傾向はデータ上ではわかるのですが、『なぜそれが人気なのか』という理由は、数値化できないデザイン要素や伝え方が反映されていきます。それをつぶさに感じ取るにはお客様それぞれの“心地よさ”を運営が理解しなければいけない。分析と実践、そしてその反応を常に感じられることに日々楽しさを感じています」
――中野さんにとってココネで働くということが人生に与えた影響などはありましたか。
「アプリの制作現場はデザイナーやエンジニアなど、百人以上のメンバーが関わっており、常にチームプレイが求められます。どのアプリに対してもみんなで作り上げた感覚が強いですし、今までの自分の人生で出会ってこなかったタイプの個性的で刺激的な仲間が増えたのはとても大きな収穫でした」
SWITCH 2022年11月号, スイッチ・パブリッシング