ココナラ代表の南です。
2020年2月、ココナラのバリューを6年ぶりに改訂しました。 今回はその背景と、新しいバリューに込めた思いを書いてみたいと思います。
バリュー改訂の背景 そもそもバリューって簡単に変えてよいものなのかと疑問に思う人もいるかもしれませんね。 僕は、ビジョンやミッションに比べれば、バリューは会社のステージに応じてアップデートすることは自然であると考えています。
また、あくまでも過去のバリューを「アップデート」したものであり、「価値観が変わった」わけではありません。
前回のバリューを発表したのは2014年1月のこと。 当時の社員は10名前後。
さすがにその後6年も経過しており、社員も約100名の規模になりました。
その間に自然と育まれてきた新たな価値観もあれば、ミッション実現のための課題感にもフェーズの変化を感じてきています。 そこで、このタイミングでアップデートにすることにしました。
また、前回のバリューは創業初期に作ったこともあり、人事制度との連動という面までは考えられたものではありませんでした。
今回は、人事制度との連動も踏まえた設計にしようという意図もあります。
VMV(ビジョン・ミッション・バリュー)とは そもそもVMV(ビジョン・ミッション・バリュー)とはなんなのか。 僕の考えを書いてみたいと思います。
(なお、ビジョンとミッションのどちらを上に置くかは会社によってマチマチですね。その会社が定義できていればよいのでどちらでもよいと思うけれど、個人的にはビジョンを上に持ってくる整理が好きです)
まず、質問をしてみたいと思います。
これ、特に正解はないと思っています。
あえていうなら、業界や事業フェーズによる、というのが答えでしょうか。
ダイバーシティ経営なんていう言葉が言われ始めて久しいですが、デモグラフィーのダイバーシティはむしろ経営にはマイナスに働くことが多いというのは、経営学の世界でも立証されているようです。
なんとなく想像つくと思いますが、思いっきりルーティンの仕事が中心の組織であれば、ダイバーシティは少なくし、かつルールでかっちり縛ったほうが生産性が高そうですよね。
では、ココナラではどう考えているか。
ココナラは、これまでにない新しい価値を、新しい方法で生み出す会社だと捉えています。
そして、 新しい価値を生み出すためには「多様性」と「自律型組織」が必要である と考えています。
なぜなら、 イノベーションの源泉は知と知の組み合わせにある からです。 同じような人が何人集まっても、考えの幅は広がらない。
そして、 イノベーションという答えがわからない目的に対しては、ルールでしばる組織では限界がある と思っています。
ただ、理想を言うのは簡単で、多様性や自律型組織をマネジメントするのは、大変にコストがかかる。
そこで、ビジョン、ミッション、バリューが必要である、となるわけです。
多様性のある自律型組織がまとまるためには、こういった点が共有されていることがとても大切になってきます。
こうした言葉は、ビジョン、ミッション、バリューがあるからこそ、かけられる言葉だと思っています。
言い換えると、ビジョン、ミッション、バリューがもたらすものとは、以下のような要素でしょうか。
そして、ココナラでは、ビジョン、ミッション、バリューを下記のように定義しています。
・・・そして、ココナラの新バリューを今回アップデートした、という話です。
ココナラの新バリューについて語る前に、ビジョン、ミッション、バリューについてもう少し重要だと思う点を書いておきます。
特に、 あるべき理想像から作ってはいけないというのは、いろんな組織でバリューが浸透しない一番の理由ではないかと思っています。 できもしないのに、ああなりたいな、という理想を掲げても、できない経営陣を見ると白けてしまいます。 経営陣が心から信じていて、体現できていることをバリューにすることが重要です。
ココナラの新バリュー ココナラの新バリューについて、どう決めたか、どう浸透させようとしているかなどについての情報はまた別の機会にするとして、結論として、以下の3つを新バリューとして定めました。
ちなみに補足説明をしておくと、One Teamについてはラグビーワールドカップの影響で流行語になってしまっているし、僕がラグビー好きだから採用されたのではないかと突っ込みを受けそうだけど、これについて決めたのは2018年なのでブームは関係ない!(笑)
さて、この3つのうち、 One Team, for Mission は 「チームとして大事にしたいこと」 、 Beyond Borders は 「個人として大事にしてほしいこと」 、 Fairness Mind は 「会社を支える基盤としての価値観」 、 といった括りです。
それぞれについて込めた思いは以下のとおりです。
One Team, for Mission 真の競争力はお互いが信頼し合ったチームに宿る。 信頼は、オープンで率直なコミュニケーション、個性や価値観の相互理解、そして共通のミッション達成への熱意と協働から生まれる。 一人ひとりがこのチームのリーダーとして、自分と向き合い、仲間を深く理解し、ミッション達成のために主体的にチームを導いていこう。
Beyond Borders 成長とは、今までより大きな責任を引き受けられるようになることだ。 それぞれが立場を越えて高い視座で考え、役割を越えて広い意識で行動し、自らの責任範囲を広げていくことで、成長を手にすることができる。 そうした一人ひとりの成長が、ミッション達成の一番の近道だ。失敗を恐れず、様々な境界線を意思の力で乗り越えて、昨日までの自分を越えていこう。
Fairness Mind 私たちは、広く社会に生きる多種多様なお客さまと向き合っている。 チームには、様々な個性や価値観を持つ異能なタレントが集っている。 であるがゆえに、フェアであることは私たちの生命線だ。 様々な局面で、フェアであり続けること、フェアとは何であるかを定義することは、簡単ではない。 それでも判断から安易に逃げず、フェアであることに向き合い続けることを、私たちの優位性の源泉としていこう。
ひとつめのOne Team, for Missionは、ココナラが創業以来大事にしてきたことが凝縮されているものです。 先代のバリューの多くはこのステートメントに引き継がれています。
一方で、Beyond Bordersは、後に入社したたくさんの社員の振る舞いから自然と結実してきた価値観という側面が強いです。 いいかたちでココナラならではのベンチャーマインドが表れている気がします。
そしてFairness Mindも、ココナラを運営してきたことで培われてきた価値観です。 簡単ではないが向き合おう、という表現は、一般的なバリューにはみない表現のような気がするけれど、それこそがココナラらしさと言えると思います。
バリューにひもつくスタンス(人事制度との連動) さて、今回のバリューのアップデートの目的のひとつに、人事制度との連動がありました。
この3つのバリュー、3つに絞ったという意味では覚えやすくなっているものの、人事制度として使うには、それにひもつくスタンスが言語化されていなくてはなりません。
最後に、バリューにひもつくスタンスを記載して、このエントリーを閉じようと思います。
かなり細かいので、ベンチャー界隈に時々いるビジョンステートメントマニアしか熟読しないかもしれません(笑)
僕としては、これからココナラにジョインするであろう、入社を検討されている皆さんに事前に読んでもらえると、ココナラの社風を理解する一助になるのではないかなと期待しています。
バリューというのは、本質的には「浸透」させるものではありません。
少し厳しい表現ですが、 合う人が入社し、合わない人は入社しないといった筋合いのもの だと思っています。
もし以下のスタンスの詳細を読んで、「これはわかる!」と感じた方がいれば、ぜひココナラの門を叩いてみてくださいね。
そんな方をお待ちしています!